ベガコーポレーションは、家具・インテリアブランド「LOWYA」で、オンライン中心のD2Cモデルから実店舗を組み合わせたOMOモデルへの転換を進めている。背景には、オンラインだけでは接点を持てなかった顧客層へのアプローチや、実物確認ニーズへの対応、顧客との継続的な関係構築がある。2026年3月期は実店舗展開とOMO施策が奏功し、増収増益を達成した。
オンラインだけでは届かない顧客層への対応が課題
成長戦略の一環として、オンラインだけではリーチできなかった顧客との接点を広げるため、実店舗展開を進めているベガコーポレーション。EC専業として出発したことから、顧客の購買プロセスにおいて次のような課題があると分析している。
- 「LOWYA」を知らず、接触機会がない
- ブランド認知はあるが、購入候補になっていない
- 比較検討はしているものの、実物を確認できず購入に至らない
- 購入後の接点が少なく、継続利用につながりにくい
家具・インテリアは、サイズ感や素材感、色味、使い勝手など、実際に見て確かめたいニーズが強いカテゴリー。そのため、オンラインのみでは購入直前で離脱する顧客も少なくない。こうした課題を解決するため、ベガコーポレーションは「チャネル」「商品」「ファン化」の3軸でOMO戦略を推進している。
実店舗展開でオンラインとオフラインを接続
チャネル戦略では、ECやSNSと実店舗を連携させたシームレスな購買体験の構築を進めている。
実店舗は単なる販売拠点ではなく、商品を実際に見て触れられる場として機能するほか、ブランド体験の提供や新規顧客との接点創出、データを活用した商品展示などの役割も担う。
実店舗展開では2026年3月期に出店目標として掲げていた5店舗を計画通り開設。2026年3月末時点の店舗数は13店舗となった。
商品カテゴリー拡大で生活空間全体をカバー
商品戦略では、家具単体ではなく、生活空間全体を提案できるブランドへの進化をめざしている。収納用品や雑貨、テレビ台、ラグ・カーペット、ソファ、寝具などへラインアップを拡充。顧客の住空間における「LOWYA」商品の利用領域を広げることで、購入機会の拡大を図っている。
SNS・アプリ・実店舗を活用してファン化を推進
ファン化戦略では、オンラインとオフラインを横断した双方向コミュニケーションを強化している。
その中心となるのが、3D家具配置シミュレーションアプリ「おくROOM」だ。ユーザーが作成した理想の部屋をSNSで共有し、実店舗とSNSで投票を行う「おくROOM選手権」などの企画を実施している。
また、実店舗からの商品紹介やコーディネート提案のライブ配信も展開。顧客との接触時間を増やし、UGC(ユーザー生成コンテンツ)の創出やブランドへの愛着形成につなげている。
OMO施策が業績を押し上げ、2026年3月期は増収増益
こうしたOMO施策の成果は業績にも表れている。2026年3月期の売上高は前期比13.8%増の181億2900万円、営業利益は同46.0%増の13億5800万円、経常利益は同45.6%増の13億6600万円、当期純利益は同49.5%増の8億8400万円だった。
主力の「LOWYA」事業は、売上高が前期比14.1%増の177億8900万円、営業利益は同45.6%増の13億5800万円となった。実店舗の出店効果に加え、自社ECと実店舗を連携したOMO施策、新商品の投入が成長を後押しした。2026年1~3月期(第4四半期)の自社EC・実店舗を合わせたOMO売上高は前年同期比32.2%増の34億2900万円となり、同四半期におけるOMO売上比率は64.7%と前年同期から8.5ポイント上昇した。

