米Amazonは、Amazonのプラットフォーム以外で商品を販売している事業者の最新情報を、サードパーティーによるデータ連携を通じて「Shop Direct」(「Amazon.com」やAmazonショッピングアプリで商品を検索した際、Amazonストアで販売していない商品も表示する仕組み)の検索結果に反映させるようにしました。これにより、外部の事業者はAmazonの顧客にリーチする機会が拡大しています。
Amazonが外部ECとの連携を拡張
Amazonは「エージェント型コマース」戦略を進化させており、外部ECサイトでの購入手続きをAmazonのAIエージェントが代行する「Buy for Me」と、他社ECサイトの商品を「Amazon.com」やAmazonショッピングアプリで表示する「Shop Direct」の機能を拡張しています。
「Shop Direct」は、Amazon内で販売されていない商品であっても、消費者に関連性の高い商品を表示し、購入までの導線を用意する機能として2025年に登場しました。
今回、Amazonの販売事業者が持つ商品データを、AIによる新しい購入機能へとスムーズに反映させるための連携オプションを新たに導入しました。
Amazonが3月11日に発表したアップデートで、販売事業者はショッピングフィードの最適化を手がけるサードパーティー「Feedonomics」「Salsify」「CEDCommerce」といった外部ツールを利用することで、自社の商品カタログに基づいたデータ連携(フィード)を設定できるようになりました。
外部データの連携が生み出すメリット
Amazonのコアショッピング担当バイスプレジデントであるアマンダ・ドア氏は、今回の発表のなかで次のように話しています。
外部の事業者が取り扱う商品データの連携は、商品を探しているAmazonのお客さまに対し、事業者が効率的にアプローチできる道筋を提供します。この仕組みを使えば、事業者は商品カタログ、価格、在庫状況をリアルタイムで簡単に同期でき、顧客との関係を維持しながら、有意義なアクセスや売り上げの向上につなげることができます。また、お客さまにとっては、商品を選ぶ際、さらに幅広い選択肢にアクセスし、比較検討できるようになるというメリットがあります。(ドア氏)

Amazonによると、「Shop Direct」プログラムはすでに40万以上の事業者が販売する1億点の商品をカバー。さらに、「数千万点の商品」が「Buy for Me」オプションで購入できると説明しています。
これらのデータ連携は、AmazonのECサイトやモバイルアプリを利用する消費者の検索結果に表示される販売事業者数や商品数をさらに拡大させる可能性があります。
Amazonが推進する独自AI戦略
Walmartなどの他の小売事業者は、OpenAIの「ChatGPT」やGoogleの「Gemini」といった外部のAIプラットフォームと直接連携し、商品の発見や決済手続きの一部を拡大・拡張させる道を選びました。
それに対し、Amazonはこれまで、外部のAIエージェントが自社のサイトや商品データベースを閲覧・利用することには消極的な姿勢でした。その代わりに、自社が提供するAIによる商品発見・購入オプションの推進を優先しています。
「Buy for Me」を通じてより多くの商品やカタログデータを供給することで、Amazonは従来のAmazon内での販売プログラムを利用しているかどうかにかかわらず、外部の事業者の販売機会を拡大し、自社プラットフォームでの露出を高めようとしています。

顧客によるアクションや購入履歴などで蓄積されたデータは、AmazonのAIアシスタントである「Rufus」の回答精度を高めるためにも活用されます。
Amazonは近い将来、データ連携の仲介サービスを追加すると同時に、外部の販売社が直接フィード情報を流し込める「マーチャントポータル」の導入を予定しています。

