東京商工リサーチは4月27日、企業を対象に実施した生成AIに関するアンケート調査の結果を発表した。生成AIツールの活用を「会社として推進」している企業は2割に上り、5社に1社の水準となった。
一方、「方針は決めていない」とする企業は37.5%で、前回調査(2025年8月)の50.9%から13.4ポイント低下した。企業の姿勢は様子見から、全社・部門導入や個人利用を含めた活用へとシフトしている。
内訳は、「会社として推進」が20.3%、「部門によって推進」は13.8%、「個人で活用していることもある」は27.1%。前回調査比では全社推進が6.5ポイント、個人活用も4.8ポイント上昇した。
大企業で組織的活用が約6割に拡大
企業規模別では、大企業での活用が先行している。「会社として推進」は36.4%、「部門によって推進」は22.6%で、合計59.1%が組織的に活用。前回の43.3%から15.8ポイント上昇した。
一方、中小企業は「方針未定」が38.7%で最多。「会社として推進」は19.1%、「部門推進」は13.2%で、組織的活用は32.3%にとどまる。ただし前回比では8.9ポイント上昇しており、導入は進みつつある。
また、「個人で活用」は中小企業で増加したのに対し、大企業では減少。大企業では個人単位の試行から、全社主導の導入へと移行している。
業種別では情報通信が突出
業種別にみると、「全社または部門で推進」の割合は情報通信業が64.4%で最多。金融・保険業(42.4%)、サービス業(38.5%)が続いた。
一方、「方針未定」は農林水産・鉱業(53.9%)、建設業(47.3%)で高く、業種間で導入の進捗に差がある。
早期退職の動きは限定的
生成AIの活用が人員削減に直結するかについては、今後5年以内に早期退職を募集する可能性が「ある」とした企業は3.6%にとどまった。「ない」は96.3%で、現時点で大規模な人員削減につながる状況ではない。
規模別では、「ある」は中小企業が3.7%、大企業が3.0%だった。産業別・規模別で見ると、5%を超えたのは分母の少ない大企業の小売業のみで、広範な人員削減の動きが進んでいるとは言いにくそうだ。
半数超が人員構成への影響を想定
一方で、活用企業の53.4%は人員構成への影響を見込んでいる。最も多かったのは「業務効率化による配置転換の可能性」(28.9%)、次いで「総従業員数の抑制」(16.1%)。新規事業による大規模な構造改革よりも、既存業務の効率化を前提とした再配置が中心となっている。
特に大企業では、「配置転換の可能性」が46.7%と高く、中小企業(26.6%)を大きく上回った。生成AI活用を前提とした人材配置の見直しが進みつつある。
調査概要
- 調査期間:2026年3月31日~4月7日
- 調査方法:インターネット調査
- 有効回答:6327社 ※東京商工リサーチは資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業を含む)を中小企業として分類している。

