SBペイメントサービスがこのほど実施した調査によると、海外販売を手がけているまたは検討している企業の間で越境展開への関心は高い一方、国・地域ごとの決済や運用対応が大きな課題になっている。複数国で販売を行う企業の64.4%が国・地域ごとのオペレーションの違いに負担を感じたことがあると回答した。
実施中企業の相談先はJETRO、検討中企業はコンサル会社が上位
海外販売にあたっての相談先を見ると、実施中の企業では「日本貿易振興機構(JETRO)」が31.5%で最多となり、「税理士・公認会計士」が29.3%、「商社」が28.2%、「コンサル会社」が27.9%で続いた。
一方、実施を検討している企業では「コンサル会社」が23.9%でトップとなり、「取引先金融機関」が21.0%、「地方自治体」が17.8%、「決済代行会社」が17.4%で続いた。
販売先は東アジア・東南アジアが中心、検討先でも上位に
海外販売を実施している国・地域は、「東アジア・東南アジア」が64.4%で最も高く、「北米」が53.0%、「欧州」が43.7%で続いた。
実施を検討している企業でも、「東アジア・東南アジア」が43.8%で最多となり、「欧州」が29.3%、「中国」が25.0%だった。
実施中企業の課題は法規制対応、検討中企業は日本語サポート不足
海外販売を実施している企業に対し、複数国で販売を行う際、国・地域ごとに異なる対応や法規制などのオペレーションについて負担を感じたことがあるか尋ねたところ、64.4%が「感じたことがある」と回答した。一方、「感じたことはない」は6.0%にとどまり、その差は10倍以上となった。

海外事業全般で売上や事業運営に影響が大きい課題として、実施中の企業では「法規制・コンプライアンスへの対応」が33.8%で最多となり、「現地の商習慣や経済情勢、ニーズの把握」が32.1%で続いた。
一方、実施検討中の企業では「導入・運用時における日本語サポートの不足」が22.8%で最も多かった。
海外事業全般で感じている課題に対して、最も必要な支援を聞いたところ、全体では「法規制・コンプライアンスに関する支援」が14.9%でトップ。次いで「現地市場・顧客ニーズ調査・情報提供、商習慣に合わせた対応」(10.5%)、「現地向けマーケティング支援」(9.7%)が続いた。
業種別で見ると、金融・保険業では「現地向けマーケティング支援」(20.0%)、建設業では「法規制・コンプライアンスに関する支援」(23.4%)、商社・卸売業では「法規制・コンプライアンスに関する支援」(21.7%)と「導入・運用時における日本語サポート」(18.3%)が最も必要とされていることがわかった。
クレカ以外に北米はPayPal・Apple Pay、アジアはローカル決済が浸透
海外販売で現在利用している決済手段は、「クレジットカード決済」が47.4%で最多だったが、「現地銀行経由の海外送金」が35.6%、「現地のQRコード/電子マネー決済」が35.4%と続き、ローカル決済の存在感も大きい。

国・地域別に見ると、「クレジットカード決済」以外では、北米で「PayPal」「Apple Pay」、欧州で「Apple Pay」がよく導入されている一方、中国や東アジア・東南アジア、南アジア、オセアニアでは「現地のQRコード/電子マネー決済」が広く使われていた。

決済課題は「手数料」「不正対策」「キャッシュフロー」
海外販売における決済面の課題では、「決済・送金・為替手数料の高さ」が31.9%で最多となり、「不正利用対策・セキュリティ対策」が31.2%、「入金サイクル・キャッシュフロー」が27.6%で続いた。

また、決済課題への対応について「対応方法を検討中・対応できていない」「国・地域ごとに対応状況にバラつきがある」と回答した企業は合計47.5%に上り、約半数が十分に対応しきれていない状況だった。特に海外拠点で販売する企業では55.0%と高く、現地拠点を持つほど運用の複雑さが増していることがうかがえる。

対応が最も難しい国・地域としては、「中東・アフリカ」が19.4%で最も高く、「中国」が18.8%、「東アジア・東南アジア」が17.0%で続いた。販売拡大の有望市場と、決済対応の難所が重なっている点は、事業者にとって悩ましいポイントと言えそうだ。

海外販売における決済課題に対して、最も必要な支援を尋ねたところ、全体では「決済・送金手数料や為替コストの削減」が13.5%で最多となった。次いで「不正検知・チャージバック対策」(12.0%)、「最適な現地決済手段の提案・導入」(11.5%)が続いた。
業種別では、コンサルティング・会計・法務・人材では「決済・送金手数料や為替コストの削減」(21.7%)と「決済データ分析による課題の可視化、決済承認率の改善」(19.6%)、不動産・宿泊業では「最適な現地決済手段の提案・導入」(19.6%)、小売業では「決済・送金手数料や為替コストの削減」(19.4%)、飲食業では「不正検知・チャージバック対策」(20.5%)、運輸・物流業では「決済手段ごとの売上データの一元管理」(20.0%)の支援が最も必要とされていることがわかった。
今後5年で4割超が海外販売を拡大へ。小売・卸・飲食では5割超
今後5年以内に海外販売を「拡大する予定がある・拡大を検討している」と回答した企業は43.5%だった。

業種別では、商社・卸売業、小売業、飲食業で5割を超えており、海外販売への意欲は引き続き高い。
拡大したい国・地域では、「東アジア・東南アジア」が42.3%、「北米」が41.6%、「中東・アフリカ」が41.3%で上位となった。

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