「チチカカ」など複数のファッションブランドを展開するスターシーズが、事業構造の大転換を打ち出した。2027年2月期から2029年2月期を対象とする中期経営計画で掲げたのは、「アパレルからAIインフラへの転換」。全社の成長軸をテクノロジー・エネルギー領域へ移す一方、アパレル事業は計画的に規模を縮小し、収益改善と黒字化をめざす。
全社売上に占めるアパレル比率は7.7%から2.0%へ低下
スターシーズは、エスニックファッション・雑貨の「チチカカ」やストリートファッションブランド「TORNADO MART」、トータルコーディネートブランド「HIGH STREET」、和柄コンセプトブランド「流儀圧搾」、カジュアルブランド「METHOD」などといったファッションブランドを展開し、それぞれ自社ECサイトや「楽天市場」でのEC販売を手がけている。
スターシーズはアパレル事業を単純に維持するのではなく、ブランド・店舗・販路を再編しながら、全社売上に占める構成比を意図的に引き下げる方針を明確にした。
中計では、事業ポートフォリオの転換を数値でも示している。2027年2月期時点の売上構成比は、GPU関連が57.7%、データセンターが11.5%、蓄電池が23.1%、アパレルが7.7%。これを2029年2月期には、GPU関連53.4%、データセンター28.5%、蓄電池16.1%、アパレル2.0%へと変化させる計画だ。

アパレルの売上構成比は2年間で7.7%から2.0%へ低下する一方、テクノロジー関連事業の比率は98%となる見通し。スターシーズはこうした方針を「ポートフォリオの完全転換」と位置付けている。
アパレル売上は2年で20億円から12.8億円に縮小へ
アパレル事業は「計画的な赤字圧縮シナリオ」を描く。売上高は2027年2月期の20億円から、2028年2月期は16億円、2029年2月期は12億8000万円と、毎年20%規模で事業を縮小していく。
一方で、利益面では段階的な改善を見込む。2027年2月期は2億5000万円の営業損失、2028年2月期は2億円の営業損失を計画し、2029年2月期での黒字化をめざす。同社は「営業損失を毎年5000万円以上改善し、2029年2月期に黒字化をめざす」としており、売上拡大ではなく、事業規模の適正化によって損益分岐点を引き下げる戦略を進める。
約70店舗を再編、ブランドごとに役割を見直し
アパレル事業では約70店舗規模の店舗網についても選択と集中を進める。「リース満了に合わせた段階的閉鎖」を基本方針とし、急激な撤退ではなく、契約更新のタイミングに合わせて計画的に店舗再編を進める考えだ。ブランド・子会社ごとの施策も整理した。
子会社のEnshinは16店舗を展開し、「METHOD」11店舗、「流儀圧搾」4店舗を運営。不採算SKUの整理や仕入原価率の改善を進める。
子会社のSPICは22店舗を展開し、「TORNADO MART」系14店舗、「HIGH STREET」系8店舗を運営する。メンズファッション領域で店舗網の整理を進める方針だ。
「チチカカ」を展開する子会社チチカカは32店舗を運営。同ブランドでは、独自の世界観を生かしながら、自社ECサイト、ライブコマース、D2Cの強化を進める。

