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AmazonのAIショッピングアシスタント「Rufus」、サイト内検索の結果でパーソナライズ提案する新機能とは

AmazonはAIを活用したサービスの強化や拡充を進めています。2025年のホリデーシーズンを前にアップデートした、ユーザー向けのショッピングAIアシスタント「Amazon Rufus」の最新機能について解説します

Digital Commerce 360

8:00

Amazonは、商品情報の収集や比較検討などをサポートする生成AIアシスタント「Amazon Rufus」に、エージェント型機能や検索機能を新たに追加、Amazonアカウントに保存されているデータや閲覧・購入履歴へAIがアクセスできるようにしました。これにより、「Amazon Rufus」を使うユーザーに対してパーソナライズした検索結果を表示します。「Amazon Rufus」のアップデートを詳しく解説します。

「Amazon Rufus」のイメージ動画(AmazonのYouTubeアカウントから追加)

AIショッピングアシスタント「Amazon Rufus」をアップデート

Amazonはホリデーシーズンで最も買い物が集中する週(ブラックフライデーの週。2025年は、Amazonは11月24日から開催)を前に、ほかのAI機能と併せて「Amazon Rufus」へ新機能を追加しました。

Amazonはニュースリリースで、ショッピング、商品カテゴリー、個別商品、商品検索、レコメンデーションといった幅広い分野について、「Amazon Rufus」がより正確に情報を理解・提供できるよう機能の強化を進めてきたと説明。また、50件におよぶ技術的なアップデート、機能改善、新機能の追加をしたことも言及しました。

これらの取り組みは、ユーザーの時間とお金の節約を目的としており、「Amazon Rufus」をより高性能かつ、より役立つ存在にすることをめざしたとしています。

「Amazon Rufus」を活用したショッピングのイメージ(画像はAmazonのニュースリリースから
「Amazon Rufus」を活用したショッピングのイメージ(画像はAmazonのニュースリリースから

パーソナライズした検索結果の表示を強化

Amazonの検索および会話型ショッピング担当のバイスプレジデントであるラジーブ・メータ氏は、ニュースリリースでこう説明しています。

Amazonは、次世代のAmazon内AIアシスタントの開発を進め、日々改善を重ねています。このAIアシスタント「Amazon Rufus」は、お客さまのすぐそばにいる知識豊富なショッピングエキスパートとして機能します。お客さまの好みやニーズを理解し、商品を見つける手助けをし、選択肢や価格を比較し、情報に基づいた購買判断を支援し、さらに買い物をより迅速に完了できるよう、購入のアクションまでサポートするのです。

AIアシスタントの「Amazon Rufus」を通じて、Amazon内の35以上の商品カテゴリーにおける専門的なリアルタイム情報と知見を提供することで、オンラインショッピングをさらに便利でわかりやすくし、お客さまの時間とお金を節約することがAmazonの目標です。(メータ氏)

Amazonがユーザーに利用を勧めている「Amazon Rufus」の機能の1つは、ユーザーの好み、Amazonアカウントに保存された購買履歴・行動パターンに基づくパーソナライズされた検索結果の提供です。検索結果では、過去の注文履歴から商品の再購入を提案することもあります。また、ユーザーに子どもがいる場合には、子どもの年齢や興味・関心といった情報、その他の文脈情報に基づく提案が含まれることもあります。

顧客の購買履歴や行動パターンに基づき、パーソナライズした商品の提案や検索結果を表示する
顧客の購買履歴や行動パターンに基づき、パーソナライズした商品の提案や検索結果を表示する

視覚的な検索や「Buy for Me」対応

「Amazon Rufus」は、視覚的な検索結果表示にも対応。iOSアプリのユーザーが買い物リストの写真を撮影してアップロードできる機能も提供しています。

写真のアップロードなど視覚的な検索による「Amazon Rufus」の活用イメージ
写真のアップロードなど視覚的な検索による「Amazon Rufus」の活用イメージ

また、Amazonのサイト内で他社のECサイトから直接商品を購入できるようにするツール「Buy for Me」のオプションも表示。ユーザーはAmazonに出品されている商品だけでなく、他社のECサイトの商品もAmazonから購入できるのです。

他社のECサイトの商品をAmazonサイト内から購入可能とする
他社のECサイトの商品をAmazonサイト内から購入可能とする

これらの一部の機能は、生成AIを開発しているOpenAI、Google、Perplexityなどが新たに展開しているエージェント型コマースや検索機能と競合する位置付けになります。

AmazonのAI戦略における「Amazon Rufus」の役割

「Amazon Rufus」は、Amazonが一般に公開している複数のAI搭載アシスタントのうちの1つです。Amazonは、生成AIを組み込んだ音声アシスタント「Alexa」のアップグレード版「Alexa+」にもエージェント型機能を追加しているほか、Amazonマーケットプレイスの販売事業者向けに、ビジネスを管理・拡大するのを支援するように設計した生成AIアシスタント「Project Amelia」も導入しています。

「Alexa+」の利用イメージ(Amazonのニュースリリースから編集部が追加)
「Alexa+」の利用イメージ(Amazonのニュースリリースから編集部が追加)

「Alexa」および「Alexa+」は、ショッピングの用途に加えて、より幅広い汎用的な利用シーンを想定して設計していますが、「Amazon Rufus」はAmazonのメインアプリ内で使用される専用アシスタントとして位置付けています。

「Amazon Rufus」は、カスタマーサポートの役割も担い、必要に応じて顧客とのやり取りを上位のサポート窓口へ引き継ぐ機能も搭載しています。

ホリデーシーズン、特に「プライムデー」、ブラックフライデー、サイバーマンデーといった主要セール期間においては、Amazonは「Amazon Rufus」をパーソナライズされたお得情報を提案するツールとしても活用する予定だとしています。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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