ニトリがリカバリーウェア市場に参入した。1月下旬から、全国のニトリ店舗および島忠・ホームズ店舗(一部店舗を除く)、ECサイト「ニトリネット」でリカバリーウェア「Nミラクシリーズ」を発売した。
「Nミラクシリーズ」は、一般医療機器「家庭用遠赤外線血行促進用衣」として届け出済みの衣料。原材料繊維に高純度セラミックスを定着させる加工を施し、遠赤外線による血行促進作用で疲労回復や筋肉のコリ軽減が期待できるとする。抗菌防臭加工や静電気防止加工も備える。半袖Tシャツ、長袖Tシャツ、ロングパンツを展開し、価格帯は税込1490〜1990円。
また、ニトリグループでアパレルブランド「N+(エヌプラス)」を展開するNプラスも、1月下旬からリカバリーウェアの販売を開始。販売チャネルは「ニトリネット」と「N+」店舗で、価格はトップス・パンツともに税込2990円。機能性への関心が高まる一方、「価格が高く試しにくい」との声があるなか、低価格とデザイン性の両立を打ち出す。
「N+」のリカバリーウェアは、レディースアパレルブランドとして培ったシルエット設計や着用時の美しさを取り入れた。トップスはクルーネックでややゆとりのあるシルエットとし、裾にサイドスリットを入れてすっきりと見せる。パンツはテーパード仕様で、腰回りにゆとりを持たせつつラインを整えた。
ニトリは、リカバリーウェアは注目を集める一方で価格面のハードルがあると指摘。安価で展開することで、購入ハードルの引き下げを図る。また「ニトリネット」の店舗在庫検索結果を見るとと多くの店舗で「在庫切れ」となっており(2月19日21時現在)、初速は上々のようだ。
リカバリー市場は2035年に21.1兆円規模へ
一般社団法人日本リカバリー協会によると、近年の健康意識の高まりを背景にリカバリー(休養・抗疲労)の重要性が認識され、市場規模は拡大。2024年は6兆円、2025年は前年比1.27倍の7.6兆円と推計する。2030年には約14.3兆円、2035年には21.1兆円へ拡大すると予測している。
リカバリーウェアのECでは、「BAKUNE」などを展開するTENTIALが代表的な存在だ。2025年2月に東京証券取引所グロース市場へ新規上場。初値2600円だった株価は同年6月に6480円まで上昇し、投資家の注目を集めた
TENTIALの2025年8月期(決算月を1月から8月に変更しており、同年度は7カ月間の変則決算)の売上高は111億3400万円、営業利益は11億6700万円、経常利益は11億5700万円、当期純利益は8億1700万円。12カ月換算(24年9月-25年8月)では、売上高は前年同期間比149.0%増の193億8900万円、営業利益は同248.3%増の22億7600万円、経常利益は同245.2%増の22億2480万円、当期純利益は同179.8%増の16億3300万円と大幅な伸びを示した。なお、「BAKUNE」の価格帯は上下セットでおおよそ2万〜4万円。
MTG、ワークマン、イオンも参入・強化
リカバリーウェア市場は、従来は高価格帯のイメージが強かったが、2025年以降は参入企業の増加により価格レンジが広がっている。
「SIXPAD」「ReFa」などを展開するMTGは、2025年7月に新ブランド「ReD」を立ち上げ参入。「睡眠時だけでなく日中も着用できる“24時間リカバリーウェア”」を掲げる。靴下、インナー、パンツ・トップス、ルームウェアのセットアップなどを展開し、価格帯は税込1980円〜3万5200円。
ワークマンは、リカバリーウェアブランド「MEDiHEAL(メディヒール)」で2021年春夏から作業客向けに参入。2025年春夏までに累計170万着を販売した。2025年秋冬には長袖シャツ、ロングパンツ、パジャマレギンス、ソックスなど24アイテムを投入し、約319万着(売上高55億円)を実質20日間で完売したという。2026年2月10日からは春夏の新作として長袖・半袖シャツ、ロングパンツ、ハーフパンツなどを展開。価格帯は税別1490円〜2490円で、発売1週間で長袖を中心に約119.6万枚を販売した。年間2100万着の販売計画を掲げ、「リカバリーウェア業界No.1」をめざす。
イオンの「トップバリュ」では、2018年から天然鉱石を練り込んだ機能性繊維「セリアント」素材を使用した衣料品を販売してきた。2025年12月には一般医療機器として届け出したトップバリュ「EX セリアント」インナーを発売。遠赤外線の血行促進作用による疲労回復効果が期待できるとする。2026年2月20日からは同シリーズのルームウェア(Tシャツ、ロングパンツ)も投入。価格帯は税別3980円〜4980円。
