ECサイト構築プラットフォームを展開するecbeingは2月19日、生成AIを活用したAI駆動開発(AI-Driven Development、AIDD)を、自社の開発標準として本格的に推進すると発表した。
ecbeingはAIを単なる開発効率化ツールとしてではなく、企業固有のビジネスモデルや業務要件を「より速く・より柔軟に・より合理的なコストで」システムに落とし込むための中核的な開発思想として位置付け、継続的に進化させる方針を示した。
ecbeingが掲げるAIDDは、開発スピードやコストを短期的に改善する取り組みではない。開発プロセスそのものをAIと共に再設計し、納期・コスト・品質を継続的に最適化することが目的。要件変更や事業成長に合わせてシステムを進化させ続けることを前提に、開発と運用の在り方を刷新していく考えだ。
AI駆動開発はAIツールを導入するだけでは成立しないとし、26年に渡る事業運営と累計1600サイト以上の構築実績を通じて蓄積してきた資産を基盤にする点を強調する。
具体的には、BtoC-EC・BtoB-ECの取引・受発注領域に特化した業務知見、ECサイト構築プラットフォーム「ecbeing」のプロダクトに沿って蓄積された開発ノウハウデータ、製販一体の体制で磨き上げた開発プロセス、人材育成とチーム設計などをあげる。AIを部分最適で使うのではなく、開発プロセスの中核に組み込み、実運用に耐えるAIDDを実践するとしている。
ecbeingはAIDDの全体像として、開発プロセスの各工程に最適化された「マルチAI」を活用し、品質向上と工数削減の両立をめざす。
- 要件定義
ヒアリング内容や素材をAIが構造化し、要件の曖昧さや抜け漏れを可視化する。AIによる多角的な分析を通じて合意形成の精度とスピードを高める。 - 設計
要件定義のコンテキストをもとに、AIが設計ドキュメントや構成案を自動生成する。人は複数案の評価と意思決定に集中する。 - 製造(実装)
コード生成からドキュメント作成までをAIが担う。人は設計意図との整合性確認や要件適合の判断など「監督・統括」を担う。 - 試験
仕様に基づく試験観点の抽出やテストデータ作成の自動化を進め、品質の平準化とエッジケース検知の精度向上を図る。 - 運用・保守
AIによるログ解析と原因特定でトラブルシューティングを高速化し、セキュリティ診断や継続アップデートも支援する。
AIDDにおける人の役割は「なぜ作るのか(Why)」「何を実現すべきか(What)」という本質的な意思決定へシフトし、「どう作るか(How)」はecbeingが蓄積してきた知見とAIを組み合わせて再現性を高く実行する――という役割分担を打ち出した。ecbeingは、AIと人が補完し合う開発体制を通じて、顧客固有のビジネスモデルを競争力としてシステムに落とし込むパートナーであり続けるとしている。
今後はAIDDを中核に据えた開発体制をさらに進化させ、顧客プロジェクトへの展開を順次拡大する方針。BtoC-EC、BtoB-EC取引、受発注DXの領域で、知見・プロセス・人材・AIを融合させた開発を通じ、短納期・低コストの実現と顧客の競争力強化・事業成長への貢献をめざす。
