イルグルムの連結子会社イーシーキューブはこのほど、大規模ECモール構築・運用サービス「EC-CUBE Enterprise Mall」を全面刷新し、新たに「EC-CUBE Enterprise for Marketplace」として提供すると発表した。
「EC-CUBE Enterprise for Marketplace」は、従来の「ショッピングモール構築」という枠を超え、BtoB受発注、企業間取引(BtoB)、複数ブランドの会員統合によるLTV向上、組織ごとのクローズドな購買、施設内サービスのデジタル化など、複雑化するビジネスモデルを「マーケットプレイス(経済圏)」として再定義。システム基盤の提供に加えて、AI活用の提案、DXコンサルティングを統合し、「企業の複雑な商流を『収益を生むプラットフォーム』へと変革するトータルソリューション」として提供する。
「EC-CUBE Enterprise for Marketplace」が提供する価値は次の通り。
複雑な商流に対応
BtoBtoB(卸売・受発注プラットフォーム)、BtoBtoC(複数ブランド統合モール)、Closed Market(組織・職域別販売)、Service & OMO(施設・実店舗連携)など、さまざまなビジネスモデルに対応する。BtoB特有の見積もり・掛け率設定、グループ戦略に必要な「会員ID統合」、施設連携のためのAPI基盤の実装など、業界特有の商習慣や事業戦略に合わせたカスタマイズを可能とする。
運営コストを改善するAI活用
マーケットプレイス運営の課題になりやすい「業務コスト」を、次のAI活用によって解決する。
- AIによる入力補助・自動カタログ化:アップロードされた商品画像やPDF資料を基に、スペック、カテゴリ、ハッシュタグなどをAIが自動抽出・生成。表記ゆれのない高品質な商品データベースを短期間で構築する。
- AI出品審査・監視:テナントが出品する商品画像やテキストをAIが解析し、不適切なコンテンツや規約違反を自動検知する。
- AIマッチングレコメンド:エンドユーザー(買い手)の行動履歴と、テナント(売り手)の商品・サービス特性をAIが分析し、最適なマッチングを行う。
構想段階から伴走
ビジネスモデルの策定、マネタイズ設計(手数料ビジネス、サブスクリプションなど)、運用フローの構築まで、大規模プラットフォームの立ち上げ実績が豊富な人材が伴走支援する。
イーシーキューブは従来、多くの大規模プラットフォーム構築を手がけてきた。「EC-CUBE Enterprise for Marketplace」では、ECショッピングモールの構築だけでなく、さまざまなプラットフォームの構築を伴走・支援する。ユースケースは次の通り。
業界特化型・卸売プラットフォーム(BtoB受発注)
「電話・FAXによるアナログ受注が多く、複雑な掛け率計算などで業務を圧迫されている」という課題に対し、多数のサプライヤーが参画し、バイヤーがワンストップで発注できる業界標準プラットフォームを構築。見積もりから決済までをデジタル化し、業界全体の生産性をアップさせる。
ブランド・グループ統合モール(複数ブランド統合)
「ブランドごとにサイトも会員データも分断されており、グループ全体での相互送客(クロスセル)ができていない」という課題に対し、全ブランドを統合モールとして再構築し、会員IDとポイントを共通化する。ブランドを横断したコーディネート提案やキャンペーンが可能になり、顧客単価とLTVアップにつなげる。
組織別クローズド・マーケットプレイス(組織別購買サイト)
「学校や職場など、クライアント組織ごとに取扱商品が異なり、個別対応による管理コストが肥大化している」という課題に対して、クライアント組織ごとに「専用注文サイト」を自動生成する仕組みを構築し、各組織に最適化された購入環境を提供する。
施設向けOMOプラットフォーム(施設別サービス統合)
「施設内の予約、飲食、物販データが分断され、顧客の利便性を損なってしまう」という課題に対して、予約、施設内端末でのサービス利用、物販までを「共通ID」で統合する。顧客は手ぶらで施設を利用でき、精算の一括化によって施設内の回遊と消費を促進する。
イーシーキューブによると、DXの深化により、自社で「業界や地域の取引全体をデジタル化したい」というニーズが急増している。相談窓口にも「アナログな卸売業務を業界全体でデジタル化したい」「グループ内に散在する複数ブランドの会員IDを統合し、相互送客を強化したい」といった相談が多く寄せられていたという。こうした市場の変化を受け、サービスの刷新を決めた。
