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【リーバイスのAI戦略】Microsoft、Googleとの連携でAI活用を加速。取り組みの最新動向まとめ

アパレル領域でAI活用を進めているLevi Straussの事例を解説します。AI活由において、自社開発とともに、大手テクノロジー企業との連携も進め、サービスの向上や社内業務の効率化を図っています

Digital Commerce 360

8:00

アパレル大手のLevi Straussは、社内向け・顧客向けの両方でAI活用を進めています。近年はAIを用いたバーチャル試着機能の提供をスタート。MicrosoftやGoogleと協力してAI機能を強化しています。Levi StraussのAI活用の取り組みと最新動向を解説します。

Levi StraussのAI活用の変遷

米国発のアパレルブランド「Levi's」を運営するLevi Straussは、テクノロジー業界の大手各社と連携し、カスタマーエクスペリエンスや業務運営などの分野でAI活用を進めています

これらの取り組みは、2026年1月に実施した2024年11月期(通期)決算説明会で注目を集め、Levi Straussのミシェル・ガスCEOはAIに関するトピックについてこう話しました。「AIを活用することで、顧客にとってオンラインショッピングをより簡単で、インスピレーションがわくものにしています」

Levi Straussが「Levi's」で推進しているAIの取り組みには、Levi Straussが近年発表した、AIを用いたバーチャル試着ツール「Outfitting」が含まれています。AI活用の範囲はバックエンド業務にも及んでおり、「Levi's」はMicrosoftやGoogleの力を借りて(ツールを導入したり、連携したりして)機能拡大をめざしています

AIを用いたこうした先進的な試みは、パーソナルスタイリングサービスを提供するStitch Fix、アパレル大手のRalph Laurenが使用している生成AIを活用したスタイル可視化ツールや、WalmartのAI活用計画「スーパーエージェント」※1とも呼応するものです。

※「スーパーエージェント」は、カスタマーサービスやカスタマーエクスペリエンスを向上させるだけでなく、特定の作業を行う「現場担当」のAIエージェントたちを、より高度な判断ができる「司令塔」のエージェントが指揮・管理する仕組み

アプリにAIバーチャル試着機能を搭載

Levi Straussは、顧客向けのAI機能の1つを2025年11月に発表、モバイルアプリに「Outfitting」機能を搭載しました。「Outfitting」機能は、ユーザーにスタイルの組み合わせを提案し、パーソナライズが進む過程で顧客の好みを学習していく仕組みです。

アプリに搭載した「Outfitting」の活用イメージ(画像はLevi Straussのコーポレートサイトから追加)
アプリに搭載した「Outfitting」の活用イメージ(画像はLevi Straussのコーポレートサイトから追加)

米国で企画・製造・販売される「Levi's」の製品ライン「Levi's U.S.」のeコマース責任者であるプリヤ・ブーニング氏は、「『Outfitting』機能は、顧客の好みに合わせたシームレスなショッピング体験を創出するという、Levi Straussの狙いを具現化したものです」と説明しています。

「Outfitting」機能は、Levi Straussの社内チームが開発。このツールは、在庫データ、顧客の購入履歴、閲覧履歴、製品画像といった既存のデータ統合を活用し、パーソナライズ化に向けたトレーニングを行っています。

ガス氏は、2026年1月の決算説明会で「2026年にはさらなる進化がある」と予告しました。

2026年は「Outfitting」をさらに消費者目線でカスタマイズができるよう進化させていきます。チャット形式の対話を通じてパーソナライズされた提案を行う、新たなAIスタイリストを導入する予定です。(ガス氏)

大手テクノロジー各社との提携

Microsoftと社内向け「スーパーエージェント」を構築

Levi Straussは、Microsoftと協力して「スーパーエージェント」プラットフォームを構築していることを2025年11月に発表しました。「スーパーエージェント」は社内向けのAI活用を視野に入れており、機械的なタスクが中心となっている業務を組織全体で自動化し、効率性と生産性を高め、企業成長を図る目的があります。

ガス氏は決算発表会で、「この技術は、Microsoftと提携し開発を進めています。現在はテスト段階にあり、2026年中に従業員への導入を計画しています」と話しました。「スーパーエージェント」は、「Levi's」のD2Cビジネスを成長・改善させるのに寄与すると期待されています。

2026年にこれらの社内向けのAIツールを導入することで、Levi Straussの社内チームはより迅速に情報やインサイトにアクセスしやすくなり、あらゆる販路・販促チャネルで顧客に対してより良いサービスを提供できるようになります。(ガス氏)

Googleとデータ活用、顧客対応を効率化

Microsoftに加え、Googleのクラウドサービス「Google Cloud」とも連携しています。「GoogleCloud」との連携を開始したのは2020年。複数年にわたるパートナーシップによって、Levi Straussは110か国、5万か所の配送拠点のデータを分析し、新たなトレンドを把握することが可能になりました。また、「Google Cloud」からは、AIエージェントなど顧客とのコミュニケーションのあり方を形成する技術も提供されています。

Levi StraussはかねてからGoogle Cloudとも提携し、データやAI技術の活用を進めている(画像はLevi Straussのコーポレートサイトから追加)
Levi StraussはかねてからGoogle Cloudとも提携し、データやAI技術の活用を進めている(画像はLevi Straussのコーポレートサイトから追加)

また、顧客対応でLevi StraussはGoogleが開発・提供しているAI搭載のチャット機能「Business Messages」を導入しました。「Business Messages」は、企業がGoogleビジネスプロフィールからユーザーと直接コミュニケーションが取れる点が特長。チャットの返信は人間のエージェントだけでなく、AIにより自動化した返信もできます。

2025年にGoogleが発表したデータによると、導入後に「Levi's」は「Business Messages」が自動で対応する営業時間外の顧客が30%増加し、顧客満足度スコアは85%を超えました。さらに、「Levi's」のECサイト上のチャットと比較して、店舗関連の質問が30倍多く寄せられるという結果が出ています。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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