2025年度の健康・機能性表示食品市場は0.8%減の9147億円、単品通販型ビジネスが過渡期。今後は緩やかな拡大基調へ

矢野経済研究所の調査によると、2025年度の健康食品市場は0.8%減の9,147億円の見込み。単品通販は過渡期にある一方、免疫・美容需要で市場は緩やかな拡大が続く。

鳥栖 剛[執筆]

9:30

矢野経済研究所は2月9日、国内の健康食品市場および機能性表示食品市場について調査し、セグメント別動向や参入企業の動き、将来展望をまとめた。それによると、メーカー出荷金額ベースの健康食品・機能性表示食品・サプリメント市場は、2024年度が前年度比1.9%増の9221億7000万円、2025年度は同0.8%減の9147億1000万円になる見込みとしている。

2025年度の健康・機能性表示食品市場は0.8%減の9147億円、単品通販型ビジネスが過渡期。今後は緩やかな拡大基調へ

「紅麹問題」が逆風になるも微増

2024年度は、同年3月に発覚した「紅麹問題」が、サプリメント形状のコレステロール対策など生活習慣病予防分野を中心に逆風となった。一方で、粉末など一般食品に近い形状へ需要が流れたことで、健康食品市場全体としては微増で着地したという。

流通別では、無店舗販売のうち訪問販売が、販売員の高齢化や新規会員獲得の鈍化などを背景に、縮小基調が続くと分析。通販についても、従来のオフライン中心の単品通販モデルは過渡期にあり、大きな拡大は見込みにくい状況とした。

ECでは大型モールに加え、世界最大級のECプラットフォームの伸長が顕著と指摘。また、OEM(委託製造)を活用したベンチャー系企業の参入も活発で、この傾向は当面続くと予想している。

薬系ルートでは、ドラッグストアの競合激化や建築コスト上昇による出店見直しの動きはあるものの、店舗数自体は増加傾向にあるという。食品の取り扱い強化や低価格販売による集客、調剤併設の加速、ドミナント戦略やM&Aなどが、健康食品販売の追い風になると分析した。

食品ルートでは、CVS(コンビニエンスストア)や食品スーパーが業態特性を生かした販売を展開しており、堅調に推移している。一方、健食系ルートは、地方を中心とした店舗減少やドラッグストア、ECの台頭を受け、当面は縮小基調が続くとみている。その他のルートでは、コロナ禍からの人流回復による追い風が一巡しつつあり、市場伸長率は鈍化傾向にあるという。

機能性表示食品市場は4.0%成長

一般食品・生鮮品を含む機能性表示食品市場は、2024年度が7505億6000万円、2025年度は前年度比4.0%増の7805億9000万円を見込み、2026年度は同4.0%増の8115億3000万円になると予測している。「紅麹問題」により2024年度は生活習慣病対策のサプリメント形状で影響がみられたものの、2023年度までに受理された届出件数が多かったことが、市場規模を押し上げた。

2025年度の健康・機能性表示食品市場は0.8%減の9147億円、単品通販型ビジネスが過渡期。今後は緩やかな拡大基調へ

一方、紅麹問題発覚後の制度厳格化により、届出撤回や販売休止の動きもみられた。さらに、物価高による節約志向の高まりを背景に、新規顧客獲得効率が悪化し、サプリメントの通信販売を中心に広告出稿を抑制する動きが強まっていることから、市場成長の鈍化が見込まれるとしている。

生鮮食品分野では、作柄の影響に加え、制度厳格化による事務処理負担の増加や届出撤回の多発などから、2025年度は市場が縮小する見通しだ。

「総市場は今後も緩やかな拡大基調」と予想

健康食品業界全体では、紅麹問題や物価高を背景に、値上げを機に定期購入からの離脱がみられたという。2026年度の健康食品・機能性表示食品・サプリメント市場は、前年度比0.7%減の9079億4000万円になると予測している。

減少を見込む一方で、矢野経済研究所は、体調管理意識の高まりによる免疫サポート関連需要の拡大や、若年層の健康・美容意識の向上といったプラス要因も指摘。「総市場は今後も緩やかな拡大基調が続く」との見方を示している。

調査概要

  • 調査期間: 2025年10月~2026年1月
  • 調査対象: 健康食品製造・販売企業(健康食品メーカーを中心に一般食品メーカー・製薬メーカーなど)、健康食品関連団体、管轄官庁など
  • 調査方法: 矢野経済研究所の専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング、郵送・メールによるアンケート調査、文献調査併用

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