楽天グループは2月19日、Googleとの提携により、「YouTube」上の動画視聴から「楽天市場」での商品購入までをシームレスにつなぐ新しい購買体験の提供を開始した。楽天が国内で初めて「YouTubeショッピング アフィリエイト プログラム」のパートナーシップを締結したことで実現した取り組みで、楽天は動画起点の「発見」を購買へつなげる導線を整備し、出店店舗の販路拡大とクリエイターの収益機会の拡張を同時に狙う。
三木谷氏「全力で力を入れていく」
楽天は創業期から掲げてきた「Shopping is Entertainment」を、動画とクリエイターの時代に合わせてアップデートする。記者発表会で楽天グループの三木谷浩史会長兼社長が登壇し、買い物を「無機質な売買」ではなく、コミュニケーションやコミュニティが生まれる体験として磨いてきたことが「楽天市場」の基盤だと説明した。
一方で、「楽天市場」に集まる「小さくてもいいもの」「面白くて楽しいもの」を、どうファンに知らせていくかが課題だったと説明。「YouTube」クリエイターが紹介することで「信頼」を伴って良い商品が広がる点に期待を示した。さらに、視聴者が「楽しいからこれを買おう」と思った瞬間に、フリクションレス(摩擦なく)購入できることが重要だとして、「楽天市場」としても「全力で力を入れていく」と強調した。
また、三木谷氏は今回をきっかけに「新しい機能なども開発していければ」と述べ、「楽天市場」としても注力する姿勢を示した。
「YouTube」視聴中に商品情報を表示、「楽天市場」へ遷移
楽天が提供する新しい購買体験の核は、「YouTube」の視聴体験を途切れさせずに、「楽天市場」の商品検討・購入へつなぐ導線だ。視聴者は動画視聴中に「商品を表示」ボタンを押すことで、同一画面上で商品名や価格などを確認でき、商品欄から「楽天市場」の商品ページへ遷移して詳細を確認し、そのまま購入できる。
「動画内で欲しくなった瞬間」を逃さず、検索し直す手間を減らすことで、購買までの摩擦を下げる設計を打ち出している。
楽天アフィリエイトを「裏側の仕組み」に
「YouTube ショッピング アフィリエイト プログラム」で「楽天市場」の商品を紹介する仕組みには、「楽天アフィリエイト」を活用。クリエイターによる「YouTube」上の紹介活動を成果報酬につなげる。
楽天グループ 常務執行役員 コマース&マーケティングカンパニー プレジデントの松村亮氏は、従来のECが写真とテキスト中心だったのに対し、今後は「ビデオ(動画)」活用がサービスの魅力を左右すると説明。その上で楽天は、ライブコマースの成長や、AIがユーザーに合わせて動画と写真で商品を紹介する「ディスカバリー・レコメンデーション」機能、インフルエンサーが商品を紹介して報酬を得られる「ROOM」など、動画・インフルエンサー活用を積み上げてきたとしている。
今回の提携は、その延長線上で外部の動画プラットフォームである「YouTube」と接続し、「楽天アフィリエイト」の仕組みを組み込むことで、クリエイターの新たな収入源と、出店店舗の新たな販路を同時に広げる。
「YouTube」クリエイターに支払われる「楽天アフィリエイト」の報酬パーセンテージは、「楽天アフィリエイト」の料率が適用されるという。
「店舗のストーリー」×「クリエイターの表現」
楽天は、「楽天市場」の出店店舗が持つ「ストーリー」を、クリエイターの表現力で伝えることに価値を置く。松村氏は、店舗ごとに「ユニークなストーリー」があり、それを「YouTube」のクリエイターエコノミーと掛け合わせることで、新しい顧客体験とECの形を作れると述べた。
出店店舗にとっては、利用資格を得た「YouTube」クリエイターによる個性ある動画を通じて商品が訴求され、認知拡大や新規顧客獲得が期待できるとしている。楽天はGoogleとのパートナーシップを通じて、動画(Video)や音声(Voice)、VR(Virtual Reality)を活用した新たなECビジネスモデルであるVコマース領域のマーケティング活動を強化。出店店舗のアフィリエイト活動をさらに支援し、ユーザーに「楽しい購買体験」を提供するとしている。
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