モノタロウ、2026年に強化する取り組みは? 新規客の定着化、LTV向上、サービス強化などの施策+2025年の業績まとめ

モノタロウの2025年12月期は増収増益。新規顧客の定着化やLTV向上に向け、フォローチラシ・カタログ復刊、加工品・名入れ・設置などサービス強化を推進した。

鳥栖 剛[執筆]

8:30

間接資材のECサイト「モノタロウ」を運営するMonotaROの2025年12月期連結業績は、売上高が前期比15.9%増の3338億8000万円だった。営業利益は同24.6%増の461億9200万円、経常利益は同23.4%増の460億5700万円、当期純利益は同23.1%増の324億3400万円。

モノタロウ、2026年に強化する取り組みは? 新規客の定着化、LTV向上、サービス強化などの施策+2025年の業績まとめ
売上高は前期比15.9%増の3338億8000万円(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

リスティング広告の出稿とSEO施策を軸に新規顧客獲得を進めたほか、メール配信や、顧客ごとに掲載商品を最適化した郵送チラシによるDM、日替わり特売などを積極的に展開。テレビCMも放映し、認知度向上に努めた。また、10月中旬から12月にかけて、外部要因によりオフィス関連商品を中心とした需要急増があった。

物流面では、置き配サービスの対象拡大、配送日時指定サービスの提供、最短当日出荷の対象地域拡大に取り組んだ。商品戦略では品ぞろえの継続的な拡充を進め、取扱商品数は約2885万点、当日出荷が可能な在庫商品点数は約68万8000点とした。

大企業向けのエンタープライズ事業は、新規連携企業の獲得に向けた営業活動により利用が拡大。こうした取り組みにより、顧客数と売上高は順調に拡大したとしている。登録口座数は111万4000口座の新規獲得により、1126万2000口座となった。

2026年12月期に取り組むこと

新規顧客の定着化、LTV向上、サービス強化などの施策を実施

MonotaROは販促施策の高度化を進めている。2025年7月から、初回購入をトリガーとした新規顧客向けのフォローチラシ配布を開始。新規登録顧客の定着化を狙う施策である。

モノタロウ、2026年に強化する取り組みは? 新規客の定着化、LTV向上、サービス強化などの施策+2025年の業績まとめ
新規顧客の定着化やLTV向上に向けフォローチラシ・カタログ復刊などを実施(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

カタログ施策では、商品接点の増加により既存顧客のLTV向上を図っている。2025年7月に発刊した「物流/保管/梱包用品/テープ」カタログでは、既存顧客の新規カテゴリ商品購入数が増加し、10月に増刷して配布。また、復刊第2弾となる「オフィスサプライ」カタログを2026年3月に発刊予定としている。

商品点数の拡充、購入前後のサービスを強化して利便性を高めている。2025年4月からは「加工品サービス」の提供を開始。図面作成不要で特注加工ができ、Web上で図面をクリックしてサイズや穴位置を指定できる。最短翌日出荷にも対応し、図面作成や見積もり取得の手間、待ち時間、少量発注のハードル低減につなげている。

2024年から展開している「名入れサービス」では、コンテナやパレット、ヘルメットへの名入れに対応。見積もり取得の手間や待ち時間、少量発注のハードル低減を図る。2024年から提供している「設置サービス」では、対象製品の棚や作業台を購入時に組立・設置まで一括で申し込め、組立作業の負担軽減や安全リスク、人手不足といった課題解決に寄与するとしている。

モノタロウ、2026年に強化する取り組みは? 新規客の定着化、LTV向上、サービス強化などの施策+2025年の業績まとめ
加工品・名入れ・設置などサービス強化を推進(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

エンタープライズ事業は売上高1000億円超に

大企業向けのエンタープライズ事業の拡大にも注力しており、同事業の売上高は1000億円を超えた。2025年12月期の実績は前年比23.5%増の1063億円で、売上構成比は32.9%。企業本社の購買管理システムと接続した後、接続企業内での利用拠点拡大、拠点内での利用部署拡大を進める。その上で、エンドユーザーの購入カテゴリ拡大とリピート購入を促し、購買単価の向上を進める。

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エンタープライズ事業の売上高は1000億円を超えた(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

エンタープライズ事業の2025年12月期実績は、売上計画比98.3%。目標未達の要因として、新規企業では売上高1000億円以上の企業において、新規接続後の売上実績が計画から乖離(かいり)した点をあげた。既存企業では、企業内エンドユーザー数の稼働成長率が鈍化し、一部大口顧客の売上実績が計画から乖離したとしている。これらの要因を解消するため、営業活動の型化と強化を進める。

本社・拠点の取りまとめ担当者と連携し、企業内・拠点内への浸透活動を推進している。社内・拠点内での認知獲得に向けて、導入企業の社内ポータルやイントラへの掲載を進め、認知向上と取りまとめ担当者の問い合わせ対応負担の軽減を図る。導入支援として利用説明会を実施し、現地またはオンラインでログイン方法や操作方法を説明する。社内・拠点内ユーザー向けの販促では、導入企業側の取りまとめ担当者と連携し、エンドユーザーの利用増に向けた販促活動を実施している。

モノタロウ、2026年に強化する取り組みは? 新規客の定着化、LTV向上、サービス強化などの施策+2025年の業績まとめ
企業内・拠点内への浸透活動を推進(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

水戸物流センター建設も計画通りに進行

茨城県水戸市で建設中の水戸物流センターは、2025年5月に起工式を実施し着工した。現時点で1階床は概ね完了し、2025年11月から柱・2階床の工事を開始した。全体進捗は計画通りとしている。建物の竣工は2027年5月、稼働は2028年5月を予定する。投資額は504億円。地上4階建てで、延床面積は約7万4000㎡。在庫点数は50万SKU、出荷能力は30万行/日としている。

モノタロウ、2026年に強化する取り組みは? 新規客の定着化、LTV向上、サービス強化などの施策+2025年の業績まとめ
水戸物流センター建設も計画通り進行(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

2026年12月期は売上高14.2%増を見込む

2026年12月期の業績計画は、売上高が前期比14.2%増の3813億7900万円、営業利益が同14.9%増の530億6900万円、経常利益が同14.6%増の527億8900万円、当期361億8000万円としている。エンタープライズ事業の売上高は同20.4%増の1279億円を計画しており、売上構成比は34.7%。

モノタロウ、2026年に強化する取り組みは? 新規客の定着化、LTV向上、サービス強化などの施策+2025年の業績まとめ
2026年12月期は売上高14.2%増を見込む(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

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