ZOZOの取締役副社長兼CFOの栁澤孝旨氏は、2025年4-12月期(第3四半期)の決算説明会の質疑応答で、物価高への対応について「実質賃金が上昇していくことが必要」との見方を示した。一方、事業面では、若年層に影響が及ぶ可能性を示す前兆が見られつつあるとして、消費環境の変化を注視するとした。
現時点ではデータ上に顕著な変化が表れているわけではないものの、プロモーションに対する反応などの購入感応度がやや弱含んできている印象があり、一定の懸念を持っている。今後、仮に消費減税が導入された場合には、当社事業においてプラスに働く可能性があると考えている。(取締役副社長兼CFO 栁澤孝旨氏)
質疑応答ではこのほか、物流関連費の効率化、商品取扱高、1月の販売状況、「ZOZOCOSME」、広告事業の動向についても言及した。
荷造運賃の対取扱高比率は0.7ポイント減の5.9%
物流関連費については、2025年4-12月期(第3四半期)の荷造運賃が286億8500万円となり、対取扱高比率は前年同期比で0.7ポイント減の5.9%となった。配送委託先と連携し、配送効率の改善に向けた取り組みを進めたことで、コスト削減が実現したという。
2025年10月からは経済条件を見直した。具体的には、物流拠点に投資したマテハン機器を委託先が活用することや、輸送ルートの見直し、積載効率の改善に協力することで、コスト削減につながったとしている。
第4四半期以降もコスト削減が継続できる見込みで、「ブランド各社の理解を得た上で滞留在庫の返却を強化して実施し、物流拠点内の在庫充填率を低い水準に保つことで、作業効率の高い環境を維持できると見込んでいる」(経営企画室 小林優作室長)としている。
第3四半期はセール効果が想定を下回り計画未達
2025年4-12月期(第3四半期)の商品取扱高については、2025年10月は概ね計画どおりに推移したが、11月と12月は計画未達となった。11月はZOZOWEEKやブラックフライデーといったセールの効果が想定を下回ったことが主な要因という。
12月は前半の気温が高かった影響により、後半は好調に推移したものの月全体としては計画未達となった。
1月の販売状況は冬の本セールが好調
1月の販売状況については、アウター類を中心とした秋冬物の在庫が潤沢で、元旦から開始した冬の本セールは好調に推移しているという。第3四半期までの計画未達分の巻き返しに期待しており、「ZOZOTOWN事業」「LINEヤフーコマース」の合算では、通期の商品取扱高計画の達成を引き続きめざすとした。
「ZOZOCOSME」はクロスセルが進展
2021年にスタートした「ZOZOCOSME」は、期初計画を上回り好調に推移しているという。第3四半期はホリデーシーズンの新商品の販売が好調だったほか、ブランド各社のZOZOTOWNにおけるコスメ販売手法への理解が進み、各種セールスプロモーションに取り組んだ効果が実績として表れたとしている。
また、コスメとアパレルのクロスセルも好調という。クロスセルのプロモーションを強化しており、併せ買いの割合は比較的高い水準にある。現状はアパレルからコスメへの誘導が中心だが、今後はコスメを目的に来訪するユーザーの拡大にも取り組んでいくとしている。
広告事業は枠が上限近くに到達
広告事業は、第3四半期の売上高が前年同期比4.8%増の89億4000万円となった。ブランド各社による出稿も順調で、概ね計画通りに進んだ。
一方、広告枠は上限に近い状況にあるため、さらなる売上拡大には新メニューの開発が必要との認識を示した。新メニューについては検討を進めているが、現時点で具体化している施策はないとした。
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