販売商品数2万5000点+EC21店舗を運営するパーフェクト・ワールド。運営成功の秘訣は「スタッフ自身がキャラクターのファン」「ワクワクする気持ちを重視」

パーフェクト・ワールドが展開するキャラクターグッズ専門EC「PERFECT WORLD TOKYO(パーフェクトワールドトーキョー)」は、「スヌーピー」「ミッフィー」「ハローキティ」「おぱんちゅうさぎ」など200種類以上・約2万5000点超のキャラクターグッズを取り扱っている。豊富な商品数を扱うパーフェクト・ワールドにEC成長の秘訣を取材した

鳥栖 剛[執筆]

2月2日 8:00

パーフェクト・ワールドが運営するキャラクターグッズ専門EC「PERFECT WORLD TOKYO」は、「カラーミーショップ大賞2025」(GMOペパボの「カラーミーショップ byGMOペパボ」主催)において地域賞を受賞するなど、成長を続けている。代表取締役社長CEOの渋谷厚介氏と取締役副社長COOの細谷明人氏に、運営戦略やユーザーに支持されるサイト運営の秘訣を聞いた。

200種類以上・5万点超のキャラクターグッズを掲載

パーフェクト・ワールドは2015年の設立。前職でキャラクターグッズメーカーに勤めていた渋谷氏と細谷氏が「キャラクターのコレクションを拡充させたい」という思いから立ち上げた。顧客とのタッチポイント作りを目的に、2017年5月にモール型ECから事業を開始、現在は自社ECを中心にオウンドメディアの運営、他社ECサイトの運営受託・制作も手がけている。

パーフェクト・ワールドが運営するキャラクターグッズ専門EC「PERFECT WORLD TOKYO」(画像は「パーフェクトワールドトーキョー」のサイトからキャプチャ)
パーフェクト・ワールドが運営するキャラクターグッズ専門EC「PERFECT WORLD TOKYO」(画像は「パーフェクトワールドトーキョー」のサイトからキャプチャ)

「スヌーピー」「ミッフィー」「ハローキティ」「ちいかわ」「おぱんちゅうさぎ」など、200種類以上のキャラクターグッズをメーカー仕入れ中心(約95%)で取り扱い、一部はライセンスオリジナル商品も展開。EC開始当初は約5000SKUだったが、現在は在庫切れ商品も含めて5万点超(在庫ありは約2万5000SKU)に拡大している。

パーフェクト・ワールドは単なる販売だけではなく、キャラクターの魅力や歴史を残す「オンライン上の美術館」をめざしている。そのため、売り切れ商品も掲載し「周年記念などで販売された商品も残すことで、思い出せる場所にしたい」(渋谷氏)と、アーカイブとしての役割も担う

在庫あり商品を優先表示しているが、こうした取り組みにより、コアなファンからは在庫切れ商品への問い合わせも少なくない。寄せられた声はメーカーと共有し、商品企画にも生かしている。

周年記念商品を含め、過去に発売していた商品もサイト上で閲覧できる(画像は「パーフェクトワールドトーキョー」のサイトからキャプチャ)
周年記念商品を含め、過去に発売していた商品もサイト上で閲覧できる(画像は「パーフェクトワールドトーキョー」のサイトからキャプチャ)

月間1000SKU以上の新商品をリリース。現場のスピード感を重視した仕入れが強み

パーフェクト・ワールドでは週200SKU、月1000SKU以上の新商品を発売。キャラクター・メーカーごとに担当バイヤー兼倉庫担当者を配置し、売れ行きを見ながら迅速に追加発注する。

担当制にすることで売れ筋や受注数をリアルタイムで把握し、現場感とスピード感を重視した仕入れが行えることが強み。「入荷当日でも売れ行きが良ければ当日に追加発注する」(渋谷氏)と、現場主導の柔軟な対応を徹底している。

仕入れ基準はメーカーの売れ筋に加え、映画やアニメの放送、トレンドも重視。また、各担当者が長年培ってきた経験や肌感も大切にしているという。しかし、必ずしもその読みが当たるわけではなく、「失敗した経験もある」と細谷氏は振り返る。

東京2020オリンピックのキャラクターへの反応などを踏まえ、大阪・関西万博のキャラクター「ミャクミャク」は仕入れを見送ったが、大人気のキャラクターになった。トレンドを逃してしまった例だ。(細谷氏)

社員数は発送などを担当するパートを含めて20人ほどと決して多くはない。それでも多くの商品を発売できる背景には、ささげ業務をすべて内製化していることもある。シーズン毎に商品の入れ替わりがあるため、「スピード感を大切にしたい」という考えが根底にあるのだ。

メイン顧客層は30~40代女性、コレクション需要が中心

利用者層はキャラクターによって異なるものの、全体では30~40代女性が中心で、「スヌーピー」や「ミッフィー」などの人気キャラクターの取り扱いが多いことが要因だ。一方で、200種類以上のキャラクターを横断して購入するユーザーも約1割存在することもあり、あえて明確なターゲットは定めていない。

こうしたユーザーは客単価が高く、「『パーフェクトワールドトーキョー』を訪れれば、さまざまなキャラクター商品が買える」場を提供できているという強みが要因だ。購入目的は自分用が約9割で、コレクション欲求の高いユーザーが多いのも特長だ。

“キャラ愛”が伝わるコンテンツ作り

商品説明やオウンドメディアの記事作成は、該当キャラクターのことを好きなスタッフが担当。商品写真の撮影も同じスタッフが担い、AIは使わず自分の言葉で魅力を伝えることを重視している。

キャラクターのファンであるスタッフが考えているので、どのように書いたらファンの人たちにより魅力が伝わるのかをわかっている。ビジネスっぽすぎる文章だと伝わりにくいと思うし、お客さまはそれを見透かしている。アナログかもしれないが、そうしないと私たちのお客さまの層には伝わらないのではないかと思っている。(細谷氏)

パーフェクトワールド 取締役副社長 COO 細谷明人氏
パーフェクトワールド 取締役副社長 COO 細谷明人氏

オウンドメディアは365日更新。新商品記事は発売翌日にアップするスピード感を重視する。

毎日更新している「PERFECT WORLD TOKYO」のオウンドメディア(画像は「パーフェクトワールドトーキョー」のオウンドメディアからキャプチャ)
毎日更新している「PERFECT WORLD TOKYO」のオウンドメディア(画像は「パーフェクトワールドトーキョー」のオウンドメディアからキャプチャ)
毎日更新している「PERFECT WORLD TOKYO」のオウンドメディア(画像は「パーフェクトワールドトーキョー」のオウンドメディアからキャプチャ)

21モールに及ぶ多店舗展開と自社ECの強み

現在は自社ECのほか、「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「dショッピング」など21モールに出店。多店舗展開する理由について細谷氏は「キャラクターグッズECとしては後発のため、顧客接点の最大化を重視している。キャラクター名で検索した際に必ず『パーフェクトワールドトーキョー』が表示されることをめざしている」と話す。

在庫・受注管理はNEが展開する「ネクストエンジン」を活用し、同システムが連携しているモールにはすべて出店。独自マクロも駆使し、モールごとのローカルルールやCSVエラーにも対応している。「後発だからこそ、他社がやりきれないことをやりきる」(細谷氏)という姿勢で、今後も出店拡大を計画する。

パーフェクト・ワールドが出店しているECモールの例(画像提供:パーフェクト・ワールド)
パーフェクト・ワールドが出店しているECモールの例(画像提供:パーフェクト・ワールド)

「本店」と位置付ける自社ECには「カラーミーショップ」を採用。売上規模は自社ECが最も大きく、その理由は予約受注の仕組みとスピード感にあるという。

自社EC限定で予約販売を実施し、一般販売より早く・確実に購入できる仕組みを構築。14時までの受注は当日出荷し、「すぐ届く」体験も創業当初から重視している。ユーザーのリピート率は高く、合わせ買いによる客単価向上につながっているという。自社EC限定で行っている購入金額の10%ポイント還元施策も好評だ。

物流面ではダブル・トリプルチェックを徹底しているが、ここでもパーフェクト・ワールド独自の観点を重視。「キャラクターが好き」という人材を採用し、ファン目線で検品・梱包を実施できる体制を構築している。

そうすることで、商品が届いたときのファンの気持ちがわかり、より念入りに検品などを実施できるという。クリスマスなどイベント時にはノベルティとしてマシュマロを同梱するなど、クレーム予防の工夫も行っている。

「カラーミーショップ大賞2025」地域賞受賞――評価された“kawaii”の世界観と独自性

「カラーミーショップ大賞2025」では、「kawaii」の世界観を前面に出したショップ作りが高く評価され、「地域賞」を受賞した。ショップ作りでは、利便性よりもスタッフの自由なページ作りや熱量の伝達を重視している。

「本当にカラーミーショップで構築したのか」と驚かれるほど作り込んでいる。スタッフから使いにくさの指摘があれば都度ブラッシュアップし、便利さよりも「特殊性のあるサイト」であることを強みと捉え、「ガラパゴス感」を大切にしている。(渋谷氏)

パーフェクトワールド 代表取締役社長 CEO 渋谷厚介氏
パーフェクトワールド 代表取締役社長 CEO 渋谷厚介氏

ECサイトには「ChatGPT」を活用したバーチャルレポーター「セカイ」も登場している。「セカイ」は、「もっとECサイトをワクワクさせたい」「パーフェクト・ワールドにもオリジナルキャラクターがいたら楽しいのではないか」という、「面白いことをしよう」というパーフェクト・ワールドの考えから生まれたものだ。問い合わせやレビュー返信も担当し、ユニークな返信や熱量あるやり取りを生み出している

渋谷氏がデザインを手掛けたバーチャルレポーター「セカイ」。「今後技術の進歩と共にさまざまな場面で活躍させていきたい」(細谷氏)(画像は「パーフェクトワールドトーキョー」のサイトからキャプチャ)
渋谷氏がデザインを手掛けたバーチャルレポーター「セカイ」。「今後技術の進歩と共にさまざまな場面で活躍させていきたい」(細谷氏)(画像は「パーフェクトワールドトーキョー」のサイトからキャプチャ)

今後の展望――「“好き”を軸にカルチャーを広げていきたい」

今後の展望について渋谷氏は「海外にも目を向けていきたい」と話す。

日本だけではなく海外にもさまざまなキャラクターがおり、それぞれにファンがいて、SNSの発展で各ファンのつながりも生まれている。お客さまとのタッチポイントにもなるが、最終的に小規模なポップアップ開催などを通じてキャラクターを楽しむ文化を広げていけたらと思っている。(渋谷氏)

「後発だからこそ、規模拡大よりも“好き”を軸にしたカルチャー作りを重視したいし、パーフェクト・ワールドはそういったカルチャーを楽しむ集団でありたい」(渋谷氏)と語った。

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