買い物で口コミを参考にするは94%。信頼できる投稿は「具体性」「写真・動画付き」。ネガティブ投稿への企業返信をチェックするは67%【口コミ影響力調査】

調査によると、消費者がポジティブな口コミを書こうと思うきっかけは「対応が丁寧だった」「サービス・商品が想像以上だった」が大多数だった。期待を超える体験が良い口コミにつながっていることがわかった

大嶋 喜子[執筆]

6:30

LeveL.Lが実施した「口コミが購買や集客に与える影響」に関する調査によると、商品購入時や店舗を探す時に約94%が口コミを参考にしている。信頼できる口コミは「投稿内容が具体的」「写真・動画がある」が上位にあがった。また、悪い口コミを見た時に企業の返信対応を見る割合は約67%にのぼった。

調査対象は全国の10~70代の男女400人。調査期間は2025年10月~11月12日。

94%が「口コミを参考にしている」

商品購入時や店舗を探す時に口コミを参考にしているかを聞いたところ、最も多かったのは「まあまあ参考にしている」で65.2%、続いて「とても参考にしている」が28.5%で、合計93.7%が「参考にしている」と回答している。

「どちらでもない」は3.0%、「あまり参考にしない」は2.7%、「まったく参考にしない」は0.5%。

商品を買うときや店舗を探すときに口コミを参考にしているか
商品を買うときや店舗を探すときに口コミを参考にしているか

4件以上の口コミを確認するは6割超

どのくらいの数の口コミを見るかを聞いたところ、最も多かったのは「4~10件くらい(しっかり比較する)」で44.5%、続いて「1〜3件くらい(ざっと確認する程度)」が33.2%、「11件以上(納得するまでみる)」が20.7%だった。

合計すると、4件以上の投稿をしっかり確認する割合は65.2%だった。

口コミを見る件数
口コミを見る件数

52%が「候補を探す段階」で口コミを確認

購入・来店を決めるとき、口コミはどの段階でチェックするかを聞いたところ、「候補を探すとき(最初の段階)」が最多で52.0%、「候補を絞るとき(比較段階)」が37.7%で、合計89.7%が最終判断の前に口コミを見ていることがわかった。LeveL.Lは「悪い口コミがある場合、検討の対象にすら入らない可能性が高いことを示している」と解説している。

購入・来店を決めるとき、口コミをチェックするタイミング
購入・来店を決めるとき、口コミをチェックするタイミング

購入・来店をためらう理由は「接客態度」「商品・サービスの質」「コスパ」

どんな口コミを見た時に来店や購入をためらうかは、「接客態度が悪いと書かれていた」が最多で35.0%、続いて「商品・サービスの質が低いと書かれていた」が27.4%、「値段が高い・コスパが悪いと感じた」が15.4%だった。

「口コミ内容や評価がバラバラで信用できない」は9.4%、「ユーザーが上げている写真がイメージと違った」が7.6%、「ネガティブな口コミに対して企業の返信がなかった」が7.5%となっている。

どのような口コミを見たときに来店や購入をためらうか(複数回答可)
どのような口コミを見たときに来店や購入をためらうか(複数回答可)

67%が「企業の返信対応をチェックする」

悪い口コミを見た時、企業の返信対応をチェックするかを聞いたところ、「必ず見る」が19.7%、「時々見る」が47.2%で、合計66.9%が企業の返信をチェックしていることがわかった。「あまり見ない」は24.2%、「全く見ない」は8.7%。

LeveL.Lは「悪い口コミが書かれた際、放置するのではなく誠実に対応することで、逆に信頼を獲得できる可能性がある」と解説している。

悪い口コミを見たとき、企業の返信対応をチェックするか
悪い口コミを見たとき、企業の返信対応をチェックするか

信頼される口コミの特長は「具体性」「写真・動画」

信頼できる口コミの特長は、最多が「投稿内容が具体的」で81.5%、続いて「写真・動画がある」が58.0%、「共感できる感想がある」が27.2%だった。これに続き、「複数の口コミサイトで同じ評価」が18.2%、「星の数」が16.0%となっている。

LeveL.Lは「一言コメントのような簡易的な口コミではなく、詳細な体験談や視覚的な情報が求められている」と指摘している。

信頼できる口コミの特徴(複数回答可)
信頼できる口コミの特徴(複数回答可)

75%の人は口コミを「書かない」

口コミを積極的に書くかを聞いたところ、最も多かったのは「ほとんど書かない」で43.0%、続いて「書かない」が32.5%で、合計75.5%が「書かない」と回答した。

「よく書く」は8.0%、「良い体験のときだけ書く」「悪い体験のときだけ書く」はどちらも8.2%となっている。

LeveL.Lは「ほとんどの人は口コミを読むが書かない一方で、わざわざ書く人は『感動した』か『不快だった』かの両極端である」と推測している。

口コミを積極的に書くか
口コミを積極的に書くか

ポジティブな口コミ投稿のきっかけは「対応の丁寧さ」

いい口コミを書こうと思うきっかけを聞いたところ、「対応が丁寧だった」が最多で31.2%、続いて「サービス・商品が想像以上だった」が28.7%、「感謝を伝えたいと思った」が18.5%だった。「見返りがあるから」は10%となっている。

LeveL.Lは「『対応の丁寧さ』と『期待を超える体験』が良い口コミを生むきっかけになっており、金銭的なインセンティブよりも誠実な対応や期待を超える体験が重要」だと提唱している。

良い口コミを書こうと思うきっかけ(複数回答可)
良い口コミを書こうと思うきっかけ(複数回答可)

「このお店・商品は信頼できる」と思う瞬間を聞いた質問では、次のようなコメントが寄せられたという。

  • いかなる口コミにも丁寧な返信があり真摯(しんし)に対応しているお店
  • 良い口コミにも悪い口コミにも、同じテンションで返信がしてある時。悪い口コミにだけ長文で返してあると逆に不信感を感じる
  • 都合のいいことばかりではなく、マイナスな点もきちんと説明してくれたり、正直な対応をしてくれると、逆に安心する
  • サクラと思うような適当な口コミがあまりないとき

回答者からのコメントを踏まえて、LeveL.Lは「消費者は『完璧なサービス』ではなく『誠実な対応』と『人としての温かさ』を求めていることがわかった」と解説している。

調査概要

  • 調査期間:2025年10月29日~11月12日
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:全国の10~70代の男女400人(男性114人、女性286人)
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