酒匂 雄二[執筆] 8/6 8:00

6月末から7月初めにかけて「Search Console(サーチコンソール)」の検索パフォーマンスレポートに遅延が発生したり、7月最終週あたりから検索順位が大きく動いているジャンルがあったりして、SEO担当者にとって忙しい夏になっているのではないでしょうか。

昨今の傾向では、こうした変動後にGoogleのコアアップデートが行われることが多い印象もあるため、「夏季休暇に重なりそう」と戦々恐々としているSEO担当者のみなさんも多いでしょう。SEOに従事する皆さんに健やかな夏季休暇があることを切に願っています。

サイト構造と検索の相性が悪いケースがあることを知っておきたい

厚生労働省の医療情報サイトが検索でヒットしない! なぜ? どうすれば改善できる?【SEO情報まとめ】 | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2024/07/26/47445

サイトの構造が検索との相性が非常に悪く、情報を必要としているに人に届いていないそうだ。サイト構造に欠陥があると、CINCの平大志朗氏が指摘している。

コアアップデートの有無に限らず、検索順位が大きく動いたり検索に表示されなくなったりした際、SEOに長く従事している人ほど、なぜそうなるのか解せないこともありますよね。

たとえば、先日話題になっていた「厚生労働省の医療情報サイトが検索でヒットしない」件も、その1つではないでしょうか。権威性なども高いと考えられ、取得条件が限定されている政府機関の「go.jp」であるにも関わらず、検索でヒットしないのはなぜ? と感じる人もいたでしょう。

「Webサイトは作って公開すれば検索に表示され、アクセスが増えるもの」と思っている人も少なくありません。今回の記事では「公共機関のサイトを運営しているわけではない人でも、SEOの重要な入り口として改めて理解しておきたい」と締めくくられている通り、サイト運営に携わるすべての人に、検索にヒットしないサイト構造があることを知ってもらうためにとても良い解説だと感じました。

本文で指摘されている欠陥として、「JavaScriptでリンクされていてGooglebotが認識できない」「意味のない長いパラメータや潜在的な重複コンテンツ」などがあげられていますが、私が住む町の行政サイトでも、「このページとあのページ何が違うのだろう?」「このページ、まったく検索にヒットしないけれど、みんなどうやって見つけるのだろう?」と思うようなコンテンツは確かにありました。

SEO専門家の辻氏は次のようにコメントしている

企業サイトでも同様の問題が見受けられることはありますが、公には指摘しにくいこともあります。国民に必要な情報を公開している公的機関のサイトを事例に、問題提起が行われていることは非常に有益です。

コンテンツは公開してからこそがスタート。「そのページが狙い通りのクエリで出てくるのか?」「順位はどのあたりにつけているか、そこでどのくらいの流入が獲得できそうか?」「自社のコンテンツの前後にはどのようなコンテンツが並んでいるのか?」そうしたところまでしっかり観察し、施策につなげていきたいですね。

要チェック記事

グーグルが教える「Googleレンズ」の活用術、生成AI「Bard」との連携も | ケータイWatch
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1511448.html

私のクライアントでは、参照元が「Googleレンズ」になっているアクセスが軽視できない数になっているサイトも出てきました。撮影した商品写真を「Googleレンズ」を通して、どのような検索結果になるかテストしているところも。「Google Pixel」や「Galaxy」のCMでも「Googleレンズ」や「かこって検索」にフォーカスしたものがありますので、活用術は身につけておきたいですね。

BtoBサイトで年商1億円超「卒塔婆屋さん」が取り組むコンテンツSEOとページ改善の極意 | E-Commerce Magazine by futureshop
https://www.future-shop.jp/magazine/sotoubayasan-interview

卒塔婆というニッチ商材で伸びているサイトのお話はとても参考になります。「地味で手間がかかる作業だとしても、買いやすいショップにするために、コンテンツ作りやページ改善を徹底的にやり抜く。ECの売上を伸ばし続けるには、それしかない」という言葉に、コンテンツやSEOを支援する私もとても勇気をもらいました。

SEO業界28年目 | SEMリサーチ
https://www.sem-r.com/entry/20240719/1721358817

「中途半端なSEOの知識で口を挟んでくる人間が一番やっかいな存在」「SEOしかわからないSEO担当者は役に立たない」――この業界にいるとよく見聞きする話ですが、古い知識のまま錆びつかないようにアップデートしていかなければならないと考えさせられました。

AIで書かれたSEOコンテンツは、上位表示できない!?「Google検索結果におけるAIで生成されたコンテンツの上位表示割合の調査レポート」公開のお知らせ | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/53363

AIが書いたように見せない回避策を備えてきている、それをまた見抜くAIという競争にもなりそうですが、これは興味深い記事でした。

OpenAIの「SearchGPT」はグーグルへの挑戦状…「検索には、今よりもはるかに優れたものになる余地がある」 | TECH INSIDER
https://www.businessinsider.jp/post-291209

私もウェイティングリストを登録しましたが、先行している「Perplexity(パープレキシティ)」との違いやGoogleのシェアがどう動くのかも気になるところです。

【今や悩みはネットで解決!】39%が「職場での悩みを検索したことがある」 実際に悩みを解決できた? | NEXER
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001269.000044800.html

人に打ち明けにくい悩みはネットで調べる!? 返して言えば、お悩み解決系サービスや商材を扱っている人は、ケーススタディを豊富にしたサイト運営をすると良いのかもしれません。

今、みなさんにお伝えしたいこと

ヤッホーブルーイングの一大挑戦「ヘイジーチャレンジ」ってなに? | よなよなの里
https://yonasato.com/column/story/detail/hazy_challenge_290731/

私が「エア社員」という肩書で、自社ECサイトを中心にお手伝いしているヤッホーブルーイング。クラフトビール「よなよなエール」などで知られる同社が、7月31日に新たな企画を立ち上げました。試作品をもとにレビューを集めながら2025年夏に向けてビールを開発していくものです。

今回の企画には「ヘイジーチャレンジ」という名がついていますが、新しく誕生したばかりのワードですから、検索すると上位はヤッホーブルーイングのコンテンツで占められます。ですがこの言葉はまだ生まれたばかり、今のところ検索はされていないでしょう。

ヤッホーブルーイングの商品には「インドの青鬼」「水曜日のネコ」など独特な名前がついていますが、今では毎月、相当数の検索が行われています。今回のプロジェクトもそうですが、お客さんと共に育て、指名検索を獲得できるものを協創していくこともSEOではないかと思います。

マーケティング界隈ではよく「顧客の囲い込み」とか「刈り取る」という表現をされることがありますが、お客さんは囲い込まれもしないし、そんな作物のように育てて刈り取れるようなモノでもないですよね。

コロナ禍のECバブルが弾けたと言っても良い今、「これが良い」「あなたから買いたい」「あなたのお店とつながっていたい」と思ってもらえるようなお店作り、商品作りをどうやってネットショップで行い、届けていくのかが大事なのではないかと感じる今日このごろです。

それではまた次回! 酒匂(さこっち)の「ネッ担ニュースまとめ」をよろしくお願いいたします。

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

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