中林慎太郎[執筆] 8/27 8:00

8月に行われた「Rakuten Optimism 2024」で、2024年上半期の戦略が共有されました。メインは楽天モバイルに関する内容でしたが、今回はそれ以外の総括記事をピックアップ。元「楽天市場」店店長、コンサルタント、実際の広告運用者という視点で記事を読んだ所感をまとめました。

記事から読み取れることは、楽天グループが「何をしようとしているのか」「何をめざすのか」「どこで儲けようとしているのか?!」――深掘るとさまざまな意図が見えてきます。「楽天市場」出店者はその意図に対して「どこに乗るのか、ベットするのか」をきちんと考えていきましょう。会場に足を運んだ人もライブ配信で見た人も、ぜひ読んでください。

「楽天市場」2024年下半期はどうなる?

楽天オプティミズム2024 ~「楽天市場」2024年下期戦略共有会~【参加レポート】 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/54470

2024年6月のスーパーSALEの実績から楽天カード・楽天モバイルをどちらも利用していないユーザーの購入金額を100とすると、楽天カードのみで141、楽天モバイルのみも同様に140、楽天カード・楽天モバイルをどちらも利用していると234と、サービスをまたいで利用している方ほど貢献度が大きいことがわかります。

ずっと言われてきたことですが、やはり“楽天ヘビーユーザー”が大半を占めている感じですね。特に「スーパーSALE」などはそういったユーザーの方が恩恵を受けやすいということもあるでしょうが、イベント時は「RPP広告(楽天プロモーションプラットフォーム広告)」やその他のセグメントがかけられる広告に関しては、こうした結果を元に少し運用方法を考えてみてもいいのかもしれません。あとは、ジャンル別でECCからもう少し細かい情報を共有してもらうとか。運用するうえで「3倍程効果があるという結果」とも取れるので、運用に転換していけたら良いですね。

2024年9月の「スーパーSALE」では楽天モバイルユーザー限定の先行セールを9月3日から実施すると発表しているので、ジャンルによっては細かい部分での対策・施策によって数字が大きく変わってきそうです。

TDA広告はAIを活用し、商品画像からクリエイティブの自動生成、配信結果からクリエイティブを自動改善する機能を2025年Q1目処に展開予定です。また、RPP広告は2025年Q3移行を目処に、楽天市場内の検索や広告に関するデータと商品情報をかけ合わせ、表示機会が多いキーワードをレコメンドする機能を提供すると発表しています。

TDA広告については、ここ最近ECCから「やってみては」という声があがっているので、「楽天市場」としても強化してきているのかなと思っていましたが、どんどんこの辺りの強化を図っているということですね。

ECCとの日頃のコミュニケーションやこういった定期的なイベントでの発表によって、「『楽天市場』として何をどう展開していくのか」ということをキャッチしていくのが非常に重要だと思っています。また、どんな広告でもスタート時は結構ROASが良いので、本格的にリリースした際はチャレンジしてみるのも良いかもしれません。「RPP広告」の入札オプションなども増えるとのことで、徐々に純広告から「CPC広告」への移行、そして自動化という数年前からあがっていた話題が現実味を帯びてきました。

今回は興味深い部分だけを抜粋していますが、それ以外にも「RMS AIアシスタント」の導入など、CSに対するサポート部分への強化などが発表されており、いよいよモールと言えどCS部門の重要性・強化を推進していくように見受けられます。また今後半年間にリリースされるものの大半がAI関連の機能追加で、かなり進化をするみたいですが、どこまでこのAIが機能するのか。多種多様な商品や売り方をする日本のEC業界で目が離せませんね。

「置き配」などのフラグが2025年上半期で行われるとのことですが、システムサイド(受注システムベンダー)も大きな変更点が入ることでしょう。この辺りのシステムアップデートについてもEC事業者としては見過ごせない部分かなと思います。マーケティング・CSと大きく変わろうとしている楽天の今後の動きは要チェックですね。

要チェック記事

楽天グループの国内EC流通総額は2.8兆円弱で前年同期4.8%減【2024年中間期】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/12709

「SPU」以来少し元気がありませんが、夏頃から少しずつ動きが変わってきたかも? 「徐々にいろいろな事業者さんが戻ってきた」といった声も聞こえるので、下半期どうなるかもしっかり要チェックですね!!

「物流2024年問題」が気になる今こそ押さえておきたい、費用対効果の高い自社ECサイト構築&運営のポイントとは?【基礎解説】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/12526

「今さら聞けない」的な要素はあるので結構初心者向けの記事ですが、自社ECとモールの大きな違いとその形。こういう基本的なものは都度頭のなかでしっかり基礎として覚えておくことが大事です。

Amazon、物流など神奈川県で8300億円超を投資 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/12744

Amazonが物流を拡大。物流の話なので気に留めないかもしれませんが、ここから更にサービスの拡充をした際に自分のビジネスにも何かしら+αの影響が出るかもしれないので、細かいですがCheck!

ZOZOの送料値上げ、「買い控えは特に起きていない」。一律徴収送料250円→330円への改定でどんな変化があった? | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/12745

2020年以来となる「ZOZOTOWN」の送料値上げ。4月から開始して話題になりましたが、影響がないという記事。送料問題はEC事業者も大きな問題ですね。大手企業の値上げの記事を毎回アップしていますが、さて皆さまへの影響はいかに?

LINEヤフーと出前館、即配サービス「クイックマート」リリース 生鮮食品を最短30分で配達 | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2408/13/news136.html

ローソン、「無印良品」商品のデリバリー開始 焼き菓子やレトルト食品など130品 | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2408/13/news146.html

「Uber Eats」も強化してきていますね。LINEヤフー×「出前館」、「ローソン」×「無印良品」と、リアル×ECの波が徐々にきている感じです。この辺が更にうまく回ってきたらまた、ECの世界も変わってくると思います。まだ未来の話ではありますが、ECとリアル融合、単独ECの未来、リアルビジネスも行っているEC業者さんも要チェックなポイントかもしれません。

今週の唸った・刺さった・二度見した

中田英寿 × 稲葉浩志 / en-zine 対談 | B’z(YouTubeチャンネル)
https://youtu.be/zD2hK2uD1nc?si=98Ki3oA8araZLvgP

まぁ、これ2つありまして。1つはやっぱり、好きなことをしたい。好きな物を飲んで、好きな物を食べてっていうことで、節制・我慢をすることによってどうにかするんじゃなくて、飲んでも食べても運動をすれば"ペイ"できるんで。やっぱり努力をして幸せの量を増やす方が好きっていうことと。

サッカーやってる時もそうだったんですけども、身体を鍛えてるんじゃなくて、頭を鍛えてるんですよね、トレーニングは。で、なぜかっていうと、身体っていうのは自分が走ってたりして、突然パタって倒れないじゃないですか。いきなり足って折れないじゃないですか。その前に止めるんで頭が。だから頭をトレーニングして追い込めるように作れば、もっと人間できることっていっぱいあると思うんです。

これは、仕事だろうとスポーツだろうと一緒で、でも「もう今日辞めよう」とか「きついな」って思うとかって頭が思ってるだけで、身体が言ってるわけじゃないじゃないですか。心が言ってるわけじゃないじゃないですか。

今週は中田英寿氏がなぜトレーニングをしているかの理由。ECの世界は特に不摂生な生活をよく見ます。自分は独立前からこの不摂生についていろいろ考えたりしていたので、今回ピックアップしました。

「中田氏はストイックで元アスリートだから」なんて思ってしまいそうですが、内容はスポーツマンというよりも理にかなっていて、「成程なぁ……見習わないと」と感心したインタビュー。

“プロフェッショナル”と言われる所以といいますか、動画を見ながら「自分はまだまだ甘えているな。生きるということを楽しめてない」なぁと。ダイエット中(まったく痩せない)の自分の身体を見ながらルイボスティーを飲みながら……。仕事をする上での限界――体力や脳も含めて、健康と仕事を両立していく生き方。勿論人それぞれ考え方はありますが、一番気になったのは”努力をして幸せの量を増やす方が好き”ということ、これに集約されていますね。

このほかにもモチベーションが上がるような考えをたくさんお話ししていたので、是非お時間ある際にBGMとしてでも見てみてください。サッカー界の異端児・中田英寿さんと稲葉浩志さんのインタビューを今週の名言として紹介しました。

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

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Designequatioは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

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