EC運営に「明確で具体的な答え」なんてない! データを検証しながら改善を積み重ねていこう【ネッ担まとめ】
「これをやればECが成功する!」そんな魔法の杖があればいいのですが、まず重要なのはデータを検証しながら改善と施策の精度を高めていくことです。サブスクリプションの解約率改善、D2Cブランドのポップアップストアの事例から積み重ねの大切さを再確認しましょう。
当たり前のことを当たり前にやる難しさ
解約率わずか3%のサブスクコーヒー「PostCoffee」の下村祐太朗CCOに聞く人気の秘訣 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/13108
当初はお試し購入の人が多いことや、購入した商品が自分の求めていた味わいとは異なり、満足しなかったという理由が解約につながっていた。顧客の好みに基づく提案の精度を高めていったことが、解約率の改善に寄与してきたと思う。
(中略)
顧客の購入履歴や好みに基づき、そのデータを顧客ごとの「マイページ」に反映。「マイページ」には、好みの味わいが可視化できるようにコーヒージャーニーが記録されている。コーヒーの好みは12のカテゴリのなかから嗜好を把握することが可能だ。
“ただやるだけ”は危険。急成長のペットフードD2C「ココグルメ」がポップアップストアへ投資し続けている理由 | コマースプラス
https://commerceplus.jp/biophilia/
ポップアップストアを新規顧客獲得のための施策として捉えてしまうと、売上はもちろん、UGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツの略。以下、UGC)の発生率や、オフライン購入からいかにしてウェブ購入につなげるかを考えてしまいがちです。
しかし私たちの場合、ポップアップストアに訪れていただける方は新規のお客さまだけではなく、既存のお客さまも多くいらっしゃいます。
そのため、ポップアップストア単体で収支を合わせるのではなく、訪れたお客さんのLTV(顧客生涯価値)の変化と、発生したUGCの間接的な効果を全て足し合わせてポップアップストア出店の費用対効果を見ています。
ブランディング目的として、KPI設定もせずに「ただ」やるだけのポップアップストア施策は危険、そう指摘する「ココグルメ」の矢作さん。
ネットだとデータが「自然に出てくる」ので指標を設定しやすいですが、リアルはデータを「取りにいかなければいけない」ので、どうしてもおざなりになります。そこを一歩踏み込んでデータ化すれば、よりポップアップの可能性が広がってくる。また、直接お客さまの反応を見れば、純粋に「商品の良し悪し」がわかる。
ネットって、商品が良くても「ページがわかりにくい」「広告のコピーがイマイチ」など、複合的な要因が成果に関わるんですよね。
要チェック記事
「Yahoo!ストア向け フルフィルメントサービス」終了のお知らせ | ヤマト運輸
https://business.kuronekoyamato.co.jp/news/20241120/index.html
理由はわかりませんが、サービスが「終わることもある」というのは頭に入れておかないとですね。
売上高物流コスト比率は21~30%が最多。エンタメ・アパレル・アウトドアは3割超が半数、食品・飲料は10%以下 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/13161
客単価を考えれば比率は妥当。本質的には客単価を上げる工夫がマーケティングのポイントですね。
なんの反響もない「残念プレスリリース」の盲点 | 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/834121
「社会的な動きと関わっているか」でメディアが取り上げる「理由」を作る。
「過疎地」にチャンスあり ローソンがポツンと1店舗でも営業できる、2つの理由 | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2411/08/news063.html
コンビニの商圏人口は2000~3000人。これは重要なノウハウですね。
Amazonが新たな買い物体験の創出をめざす仮想ショールーム「Beyond」とは? 没入型テクノロジーが生む新たなショッピング体験 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/13129
「Beyond」はあくまでショッピングの成長過程。最新の動きは常に知っておきたいですね。
東南アジアでTemuへの懸念高まる インドネシアは禁止 ベトナムは警告 | Forbes JAPAN
https://forbesjapan.com/articles/detail/75131
安価で商品が提供でき、顧客もそれを求めるなら流れは止められないと思う。長く続くかは別。
今週の名言
14年ごしに、新刊「売れる!EC事業の経営・運営」を、書いた理由。 | コマースデザイン
https://www.commerce-design.net/blog/archives/6853
もちろん、今も調子が良い人もたくさんいると思いますが、もがいている人の方が多いと思うし、それを無視して「これからの時代はこっちだ(ついてこられない奴は知らん)」と、進路を示すだけっていうのはどうしても違う気がして。
ECの成果がいまいち上がらない会社には「取り組みきれない理由」があります。
もちろん市場は日々動いていますし、テクノロジーの進化も激しいので「取り組めないなら知らないよ」も間違いではないんですが、それを言うのはある意味簡単。
やっぱりECをたくさんの人に活用してもらって、1つの文化にするために、1社1社の事情をくみとって、「取り組みきれない理由」を丁寧に解決していきたいですよね。
ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。
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開設当初のサブスクリプション解約率7~8%から、現在は半分以下の3%以下に改善している「PostCoffee」さん。特別な施策や機能が大きく寄与したというよりも、データから地道に提案の精度を高めたことが成長につながっているようです。
「何をすれば解約率が下がるの?」と思ってしまいがちですが、データを検証しながら改善を積み重ねるしかないんですよね。だから「明確で具体的な答え」はないわけです。