2024年8月の「Googleコアアップデート」はどうだった? 今後サイト運営者が心がけていきたいこと【ネッ担まとめ】
2024年8月15日23時59分(日本時間)に、Google Search Centralの公式X(旧Twitter)でコアアップデートのリリースが発表されました。「2024年2回目のコアアップデートは最長1か月に及ぶかもしれない」とのアナウンスもありましたが、9月4日4時に展開完了が発表されています。みなさんのサイトはどのような影響を受けたでしょうか!?
Googleのコアアップデートが与えた影響とは?
Google Search Central Blog | Google
https://developers.google.com/search/blog/2024/08/august-2024-core-update
ユーザーの検索内容に関連性がある場合、有用で独自のコンテンツを作成している小規模サイトや独立系サイトを含む、さまざまな高品質サイトとユーザーを結び付けることを目標としています。
人を惹きつけ、満足させるコンテンツが今後のSEOのカギになる?
2024年5月Googleの社内文書が流出、SEO担当者が押さえておきたいポイント徹底解説 | アユダンテ
https://ayudante.jp/column/2024-07-08/15-00/
Navboost(ナブブースト)は検索結果からユーザーのクリック行動を13か月間さかのぼって記録し、そのデータに基づいて検索結果を調整しているというもの。2023年の米国グーグル・反トラスト法裁判での証言や2024年5月に流出したとされるGoogleの内部文書も相まってSEO界隈で多く見聞きするようになりました。
この裁判については、学術雑誌『情報通信政策研究』第7巻第1号内に中央大学国際情報学部准教授 中島美香氏の寄稿もあるので、気になる方は下記からどうぞ。
『情報通信政策研究』第7巻第1号 | 総務省
https://www.soumu.go.jp/iicp/journal/journal_07-01.html
Navboostでは、そのクリックをきっかけにサイトに長く滞在したか、すぐに戻ってしまう直帰行動をしていないか、人を惹きつけ満足させる行動に至ったのかなど、ユーザーの行動をヒントに検索順位の調整に使用しているということ。
太古のSEOでいわれた“キーワードの出現率”のような、単語が詰め込まれたコンテンツがユーザーの疑問や課題の解決につながるとは言い難いですし、良質な行動データが検索順位にフィードバックされているなら、役立つ独自コンテンツが今後ますます重要になることは間違いなさそうです。
要チェック記事
人の検索行動は変わるのか? SEO第一人者の渡辺隆広氏が見据える、検索エンジンマーケティングの未来 | Markezine
https://markezine.jp/article/detail/46184
SEOの第一人者として知られるDMM.comの渡辺隆広氏による検索の未来。読み応えのある記事ですが、なかでも印象に残ったのが、渡辺氏の以下のコメント。
「大学3年生の女性のスマホ画面を見せてもらったところ、『検索』というフォルダに入っていたのが『Yahoo!知恵袋』でした。『Googleはキーワードを入れるのが難しい。わからないことは人に聞いた方が早い』だそうです。」
先日、EC経営者の方が「『Yahoo!知恵袋』を、知らない人と建設的におしゃべりするSNS的な使い方をしている」と就活生から聞いたという話をしていたのですが、ググるでもAIに聞くでもなく、知恵袋で教えてもらうというのは斬新でした。
生まれた時からインターネットやスマホが身近にある世代の行動心理を知ることは、未来のECを知ることなのかもしれません。
検索エンジン「Bing」ユーザーじわり増加 マーケターは対策すべきか? | ITmediaビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2408/28/news064.html
デスクトップのシェアとしては、トップが「Google」(72%)、「Bing」(16%)が「Yahoo!」(10%)を抜いて国内2位になっています。
当社のクライアントでも、BtoBサイトでは検索経由のアクセスのうち40%ほどが「Bing」というところもありますので、対策できるに越したことはありません。けれどGoogleのようにカンファレンスや“中の人”による情報公開・発信を活発化してほしいなと思います。
Help! Google Search isn't indexing my pages(助けてください! Google 検索でページがインデックスされません) | Google Search Central YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=Q5kYrmzNhcU
体感としては2023年頃から「Search Console(サーチコンソール)」に増えた「検出 - インデックス未登録」。これに関する質問も増えてきましたが、ページを公開しても検索結果に表示されていないことに気づいていない人も多い印象です。
2019年の「Webmaster Conference Osaka」にも登壇した、Googleのマーティン・スプリット氏が解説しています。動画は英語ですが字幕がとてもわかりやすいです。サイト担当者の人は見ておいて損はありません!
生成エンジン最適化(GEO)について知っておくべきこと | eccLab
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/96642
最初に見た時は「レンタルビデオのお店?」と思いましたが、「Generative Engine Optimization」の頭文字で「GEO」だそうです。
「ChatGPT」「Perplexity(パープレキシティ)」「Gemini(ジェミニ)」「Copilot(コパイロット)」「Google AI Overviews」などのAI駆動型検索エンジンでのビジビリティ(視認性)を高めるために、Webサイトのコンテンツを最適化すること。「ここに最適化!?」という感じもしますが、情報として知らないで済ますのも怖いなという人はぜひチェックを。
今、みなさんにお伝えしたいこと
最低賃金の全国平均は51円引き上げの時給1055円。最も高いのは東京都で1163円、低いのは秋田県で951円 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/12826
全国加重平均額の51円引上げは、1978年度に目安制度が始まって以降の最高額。47都道府県の改定額は50円~84円の引き上げとなった。
当社は大阪にありますが、2024年度に奈良県のデジタルマーケティング支援事業で半年間ECセミナーを開催します。2023年度は同様のセミナーのために、和歌山県に半年間通いました。
両県でのEC人材確保の課題も感じているのですが、今回の最低賃金で大阪府は全国3位の1114円、奈良県は986円、和歌山県は980円となっています。1日8時間で20日勤務した場合の最低賃金での差は2万円ほどになります。
奈良市や和歌山市からは大阪市内へ1時間ほどで通勤が可能ですから、交通費が支給されるとなると、この差は大きいのではないでしょうか。
経営者にとっても、扶養範囲内で働く人にとっても賃上げは悩ましい問題で、制度の見直しを求める声も後を絶ちません。EC市場が成長するなかでますます人材確保も難しくなりそうです。
そして何より収入は消費行動にもつながることです。下記の記事も合わせ読みして、消費者のEC利用動向を知っておきたいですね。
世帯年収2000万円以上の富裕層はどんな消費行動をする? 一般消費者に比べてEC利用率は高い傾向 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/12820
それではまた次回! 酒匂(さこっち)の「ネッ担ニュースまとめ」をよろしくお願いいたします。
ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。
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ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。
Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。
私のクライアントにおける最近のコアアップデートでは、完了後1~2週間後に大きく変動したこともあったため、9月半ばくらいまでは注視していきたいところですが、ここ数年でも変動の少ない、おとなしめな印象がありました。
それでもXのタイムラインを見てみると、「個人ブロガーが影響を受けた」「アクセスや順位が落ちた」というポストもいくつかありました。
アップデートに際して公開されたGoogleのブログを見ると、オリジナリティのある有益な情報であれば小さなサイトでも評価されるという主旨になっているようです。
有益、独自、高品質といったことは、繰り返されている「ヘルプフルコンテンツアップデート」や「E-E-A-T」の概念にも通じるものですので、これからのSEOで大切なこととして常に意識する必要がありそうです。