マーケターの7割がAI活用・導入に前向き。導入済企業は約3割。強化したい領域は「分析・インサイト抽出」が最多
ラクスルの子会社であるノバセルが実施した「マーケティング業務における課題と、AI活用に関する実態調査」によると、マーケティング業務でAIを導入している企業は全体の約3割で、AIを活用(または検討中)の業務は「商品や広告のテキスト作成」「データ分析」「市場調査・リサーチ」などが上位にあがった。
調査対象はマーケティング業務に従事する全国の会社員500人、調査期間は2025年6月20~24日。
マーケティング業務にAIを導入している企業は約3割
マーケティング業務にAIツールを導入しているかを聞いたところ、「はい」が31.8%、「導入していないが、導入を検討中」が40.8%、「導入しておらず、検討もしていない」が27.4%だった。
年間売上規模別で見ると、年間売上1000億円以上の企業は「導入済み」あるいは「導入を検討中」と回答した割合が32.8%で、1000億円未満の企業に比べて高い。

時間がかかっているマーケティング業務は「戦略策定」「データ分析」「効果測定」など
現在のマーケティング業務で特に時間がかかっている業務は、「戦略策定・立案」が最多で36.8%、続いて「データ分析」が31.0%、「効果測定・レポート作成」が28.2%。「クリエイティブ制作」が26.6%だった。

AIを活用したい業務は「商品や広告のテキスト作成」「データ分析」「市場調査・競合リサーチ」
現在の実務において、どのようなマーケティング業務にAIを活用、または導入しているかを聞いたところ、最も多かったのは「商品や広告のテキスト作成」で51.0%、続いて「データ分析」が47.9%、「市場調査・競合リサーチ」が47.7%だった。

AI活用の課題は「セキュリティ、情報漏洩」「社内リテラシー不足」
AIを導入している企業のマーケティング担当者に、現状のAI活用に関する課題を聞いたところ、最多は「セキュリティ、情報漏洩」で39.9%、続いて「社内リテラシー不足」が39.4%、「精度の低さ」が38.3%、「カスタマイズ性の不足」が28.7%だった。

AI推進の弊害は「人的・組織的な要因」「知識、理解の不足」
「まだマーケティング業務にAIツールを導入していない」と答えた回答者に、その理由やAI活用を推進する上で最も課題・弊害となることを聞いたところ、AIに詳しい人材が社内にいないといった「人的・組織的な要因」が最多で29.2%、続いて、成功事例がないためAI活用のイメージがしにくいといった「知識・理解の不足」が20.4%だった。
セキュリティやプライバシーに対する不安などの「技術やデータの未整備・セキュリティ」は19.7%だった。
7割が「AIによるレポート自動生成・可視化サービス」に関心あり
AI技術が生かせるマーケティング業務を例にあげ、どのAIサービス利用に関心があるかを聞いたところ、最も多かったのは「レポート自動生成・可視化」で71.0%、続いて「自社の課題に合わせてカスタマイズされたAIマーケティングツール」が66.0%、「AIを活用したクリエイティブ制作・改善提案サービス」が59.0%だった。
今後AIで強化したい領域、最多は「分析・インサイト抽出」
AIを活用して強化したいマーケティング業務の領域は、「分析・インサイト抽出」が最多の43.6%、続いて「レポート作成」が34.8%、「クリエイティブ制作」が32.6%だった。ノバセルは「AI活用を求める領域は作業ベースの実務であり、戦略に関してはAIに任せないで、人が携わっている現状がうかがえる」と解説している。

必要な支援、最多は「最適なツール選定や導入支援に関するサポート」
AI活用を推進する上で最も必要だと感じている支援を聞いたところ、「最適なツール選定や導入支援に関するサポート」が最多の27.4%、続いて「データ整備・基盤構築サポート」が18.4%、「具体的成功事例やユースケースの提供」が18.0%だった。

会社の売上規模別に見ると、1000億円以上の売上の会社では「教育・トレーニングの提供」と「具体的成功事例やユースケースの提供」が多く、10億~100億円未満、100億~1000億円未満の会社では、共通して「経営層・上層部への説明支援」が求められる傾向があった。
調査概要
- 調査期間:2025年6月20日~24日
- 調査方法:第三者機関インターネット調査(ノバセル調べ)
- 調査対象:マーケティング業務に従事する全国の会社員500人