中林慎太郎[執筆] 8:00

上司から明確な理由もなく「そろそろサイトをリニューアルしようか」と言われている、迷えるEC運用担当者の皆さんこんにちは。今回は「プチ改善」をキーワードにお話ししていきます。「リニューアル VS プチ改善」という話になりそうですが、そういうわけではありません。感情面は一旦置いておいて、顧客ファーストの観点から「何故プチ改善が良いのか」を散りばめながらご紹介します。

お客さまのことを考えて「プチ改善」をコツコツと

ネットショップ運営者に伝えたい!「プチ改善がすごい」という話 | コマースデザイン
https://www.commerce-design.net/blog-staff/250114-puchikaizen/

プチ改善は、ひとつひとつの施策効果は小さく、かつ即効性もないかもしれません。しかし、長い目で見ると、着実にお客さんのイメージアップの効果が得られるようになり「良いお店」と思ってもらいやすくなる点は、押さえておきましょう。

重要だと思う点は「効果は小さく」「即効性がない」という部分。ただし「ちりも積もれば山となる」というように、お客さまにとって何が大事で何が気になっているのか、この「何が」を日々しっかりと考えて小さい改善を繰り返していくことが、ECとしての接客ではないでしょうか。

また、この「何が」を理解するためにはCSの力も欠かせません。「Googleアナリティクス」などのデータを見ても想定はできますが、データと顧客の声をしっかり把握した上で、どうしたらよりお客さまにとって良い店と言えるのか、お客さまに「良いお店」と思ってもらえるのかをしっかり考えていくことが重要なポイントだと思っています。

プチ改善は、その名のとおり小さな取り組みですので、大掛かりな予算や時間といったものは基本的には必要としません。重要なメイン業務の合間に取り組めるほか、失敗した場合も影響が小さいため、リスクも低く、気軽に始めることができます。

リニューアルほどのインパクトは「プチ改善」にはありませんが、リニューアルのような大きな変化はUIが変わってしまうため、お客さまにとって使い勝手が悪いものになるかもしれません。しかし、売り上げが落ちた時に提案される言葉が大体「リニューアル」という呪文です。

それよりも、売り上げが伸びている時に「どうしたらもっと使い勝手が良くなるのか」「どうしたら顧客満足が向上するのか」などをしっかり考えていくことが重要だと思います。そういうことをチーム全体で日々考えることで「このほうが使いやすいよね」「こういう情報をもっと知りたいんじゃないか」などに気づき、小さな「プチ改善」を繰り返す。そうすることで、数年かけてリニューアルしたかのような姿になる、かつ激的なUIも変化がないため、お客さまにとってストレスのない方法ではないでしょうか。

なので運営スタッフみんなに自発的に考えてもらえると、フットワーク軽く進むようになります。スタッフ側としても自己効力感が高まりますし、より楽しんで仕事にも向き合ってもらえるようになる「すごい施策」といえるのではないでしょうか。

お客さまも十人十色です。会社の偉い人が出した答えだからと言って正解なわけではありませんし、トップダウンだからといって間違えないわけではありません。お客さまも十人十色なら、運営スタッフの皆さんも十人十色。各々の目で見て考えた「プチ改善」を持ちよって、「施策」を考えることは重要です。

もちろん、物事によってはトップダウンでないと動かないことも多いです。しかしまったく動かない施策でも、「プチ改善」を繰り返すことでまるで3年かけてリニューアルしたかのような姿に変えることもできると思います。それでいてチームの結束も強くなるなら?!

ちなみに「プチ改善」にもハイリターンのようなものはあります。ただし、SEOも売り上げもそうですが、特需のようなものがない限りいきなり上がることはありません(そんなテクニックがあれば、私も教えてほしいです)。そしてその特需は自分たちで作れないことが多いです。「SNSで今すぐバズらせたい!」と思っていてもバズらせられないように、人の気持ちはそう簡単にコントロールできるわけではありません。

ただ、お客さまのことを考えて、ゆっくりでも良いのでコツコツ改善していくと、ゆっくりと変わっていくと思います。ECで「接客」と言うと難しいですが、お客さまのことを考えて改善していくことで点と点が結びつき、いずれそれが「接客」になるのではないでしょうか。

要チェック記事

2024年にサービス終了・終了予告されたEC関連10サービスまとめ - うねり続けるEC業界の光と陰 | eコマースコンバージョンラボ
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/99885

トレンドの移り変わりや、技術の革新が早いITの世界。ECの世界もどんどん変化していきます。新しいサービスの登場や思わぬ黒船の来航、各社の思惑があるかも。さて、2025年はどんな変化をするのか。

はじめまして─約20年のEC運営から見えた“長く続く”店づくりとは─ | note | イシシ@ECマネージャー
https://note.com/akari_angel/n/neec8edc7ed9f

ECのビジネスが始まって25年以上の月日が経ったので、過去過ぎる事例は今使えませんが、概念や考えてきたことは重要だと思っています。今後の記事に期待したいですね。

Amazonから“まさかの箱”で荷物が到着 珍しすぎる光景に「剥き出しで届いたのかと」「これ欲しさで買い物する」の声 | ねとらぼ
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2501/07/news066.html

遊び心が入ったこういうサプライズはなんだか楽しそう! 流石に「ドラゴンボール」とのコラボBOXは無理でも、こういったサプライズは個店でもやろうと思ったらできますよね。ECでワクワクを。

アスクルグループの改正貨物自動車運送事業法で義務化の「実運送体制管理簿」への対応方法とは | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/13351

運送会社の現状。やっぱり知らないことも多いですね。ECを支えている物流の動きを詳しく知る必要はないかもしれませんが、EC事業者としてある程度把握しておくことは重要ですよね。

楽天市場の店舗運営はAIの活用で20%効率化を目指す 進化を続ける「RMS AI アシスタント β版」の効果とは | ECのミカタ
https://ecnomikata.com/original_news/45637/

本格化していく「楽天市場」内のAI。2025年の展望記事でも書きましたが、モールもAI化が進んでいくでしょう。それをどう使うのか、その前にしっかりと理解していくことが重要ですね。2025年1月に行われる「楽天カンファレンス」で何が飛び出てくるのでしょうか。

ECサイトリニューアル成功のポイント|売上40%増の成功事例から手順・費用まで解説 | aiship
https://www.aiship.jp/ec-column/ec_renewal

リニューアルの失敗と成功、これまでに何度かピックアップしていますし、今後もこの話題はピックアップしていこうと思います。カートシステムの記事ですが、他との共通点も考えつつぜひ読んでみてください。

【「ECモール」2025年の展望】「au PAY マーケット」八津川博史氏『「ローソン」「Ponta」とのシナジー加速』 | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/13350

個人的に気になる記事。10年ほど前から「コンビニ・携帯・EC・決済」と言っていましたが、全部そろったモールが遂に出てきました。どのようなシナジーでどう攻めるのか、個人的にちょっとワクワク。

今週の唸った・刺さった・二度見した

幸せを得るには、不幸を受け止める必要がある。不幸は幸福の母なのだ。 | 成田 修造(X)
https://x.com/shuzonarita/status/1875524775055094193

個人的には「幸せ」にフィーチャーしたいわけではありませんが、最近見た動画でも似たようなことを言っていて(多分、カラーバス効果だと思いますが)、「結局すべてが表裏一体で、「表(良いこと)」しか存在しないことはないんだろうな」とふと考えさせられました。

Xのフィードに流れてきた成田さんの言葉でしたが、皆さんはどう思いますか? 仕事もしかり、結構なんでも似たような感じではないでしょうか? 個人的には、朝からバタバタで疲労困憊の状態になりながら仕事を終えて、自分が運営している「オナジアナノムジナ」というバーで、北海道登別のブルワリーさんの「金鬼」というビールを流し込む時が最高に気持ちいい。まぁ「幸せと不幸せをどう定義するのか」ということはありますが。

今日は日常のなかでふと見つけたツイートからの引用でした。こういうのも時々はね(笑)

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