貸ロッカー・スマートロッカー事業を展開するJR東日本スマートロジスティクスと佐川急便は1月30日、協業に関する基本合意書を締結した。再配達削減や手ぶら観光の需要拡大など、物流効率化への社会的要請が高まるなか、多機能ロッカー「マルチエキューブ」を活用し、旅行者・生活者の利便性向上と配送の最適化を進める。
「マルチエキューブ」は270駅・793台を設置
「マルチエキューブ」は、JR東日本スマートロジスティクスが駅を中心に展開する多機能ロッカー。「予約」「預け入れ」「受け取り」「発送」の4機能を1台で提供する。2025年12月末時点で、東京駅や新宿駅など270駅に計793台を設置しており、2026年度内に全国約1000台の展開を予定している。
JR東日本スマートロジスティクスと佐川急便は今回の協業を通じて、「駅の物流拠点化」と「手ぶら観光」を推進する。JR東日本グループの経営ビジョン「勇翔2034」で掲げるLX(ライフスタイルトランスフォーメーション)の実現や、SGホールディングスグループの中期経営計画「SGH Story 2027」における重点施策「リアルコマース」の推進にも寄与するとしている。
再配達削減や手ぶら観光に貢献
近年、EC市場の拡大やインバウンド需要の回復により、荷物に関するニーズは多様化している。一方で、再配達の増加やドライバー不足など、物流業界の課題は依然として深刻だ。荷物の受け取り方法を柔軟にする取り組みは、産業・社会全体にとって重要なテーマとなっている。
佐川急便が推進する「受け取り方の選択肢拡大」や「手ぶら観光支援」と、JR東日本スマートロジスティクスの「マルチエキューブ」を組み合わせることで、受け取り拠点の多様化を加速できると判断し、今回の協業に至った。
JR東日本スマートロジスティクスと佐川急便は、協業によって提供する価値として、次の3点をあげている。
-
「いつでも・どこでも」受け取れる環境の構築
駅、空港、ホテル、商業施設、住宅エリアなど、移動動線上に受け取り拠点を拡大する。 -
配送効率化・再配達削減
非対面対応が可能なロッカーを活用し、ドライバー負荷の軽減やCO2排出量削減につなげる。 -
手ぶら観光・インバウンド支援
駅で荷物を預け、ホテルや空港で受け取れる動線を整備し、観光客が身軽に移動できる環境を提供する。
当日配送拡充やアプリ連携も検討
今後の取り組みとして、JR東日本スマートロジスティクスと佐川急便は旅行動線の強化、受け取り拠点の拡大、サービス連携を進める。
旅行動線では、駅→ホテル、駅→空港、空港→ホテルといった当日配送の拡充を進め、「荷物が先回りするストレスのない旅行体験」の提供をめざす。受け取り拠点については、駅を起点に空港・ホテル・商業施設との連携を強化し、移動動線内で預け入れ・受け取りが完結する環境を整備する。
サービス連携では、佐川急便の会員サービス「スマートクラブ」からのロッカー予約導線や、マルチエキューブのWebサイトから佐川急便の手荷物預かり所を予約できる機能などを検討する。共同プロモーションの実施も予定している。
JR東日本スマートロジスティクスと佐川急便は、佐川急便の配送網とマルチエキューブによる非対面受け取りを組み合わせることで、ラストワンマイルの効率化を進め、持続可能な物流体制の構築をめざす。再配達削減による業務負担軽減を通じ、物流業界の人手不足や働き方改革への対応にも貢献していく考えだ。
- この記事のキーワード