「LINE公式アカウント」のプロフィールが刷新。次のアクションへつなげやすい仕組みに。事業者が有効活用できるポイントは?

LINEヤフーの法人向けサービス「LINE公式アカウント」で「ビジネスプロフィール」の提供を開始。事業者にどのようなメリット・活用方法があるのかを取材した

小林 香織[執筆]

1月7日 8:00

LINEヤフーは、法人向けサービス「LINE公式アカウント」で「ビジネスプロフィール」の提供を開始した。従来のプロフィールよりカスタマイズ性が高く、自社の情報をよりわかりやすく伝えられるほか、次のアクションにつなげやすくなったという。刷新の狙いと事業者が有効活用できるポイントを、コーポレートビジネスドメイン ビジネスPF SBU ビジネスPF企画ユニットの大橋徳美氏と新里優姫氏に聞いた。

約130万件に拡大する「LINE公式アカウント」

2012年に提供を始めた「LINE公式アカウント」は、現在約130万件のアクティブアカウントが存在する(2025年10月時点)。基本的に法人向けだが、個人のクリエイターなども含めた幅広い層に経済活動の基盤として利用されており、毎年アカウント数が伸長しているという。

基本機能には、顧客への情報発信のほか、問い合わせ受付、予約・購入への導線、ショップカード(デジタルポイントカード)などがある。プラグインを活用すれば、より充実した機能が使えるほか、専用のCRMツールと連携することで顧客管理も可能だ。

LINE公式アカウントは、多くの事業者にとって経済活動の基盤となっている(画像提供:LINEヤフー)
LINE公式アカウントは、多くの事業者にとって経済活動の基盤となっている(画像提供:LINEヤフー)

LINEの月間ユーザー数は9900万人(2025年9月末時点)。日本市場のコミュニケーションツールとして圧倒的なポジションを獲得している。事業者にとって、LINE公式アカウントは顧客との身近な接点であり、CRMやマーケティングのツールとして位置付けられているそうだ。

ユーザーがLINE公式アカウントに登録する主な動機は、クーポン、ショップカード、ポイントなどの「お得な情報」です。友だちになった後にユーザーと関係性を継続していくには、各ユーザーの興味関心に沿った情報を届けることが重要です。購買履歴などの顧客情報に基づくセグメント配信に注力することで、公式アカウント経由の売上高が約3割を占める事業者も出ています。(大橋氏)

LINE公式アカウント拡張ツール「Lステップ」を提供するManeql(マネクル)が、全国の男女1000人に実施した調査によると、友だち登録しているLINE公式アカウントの数は「7社以上」と回答した人が最多の39.7%。「4~6社」が32.7%で続いた。

友だち登録しているLINE公式アカウントの数は、約4割が「7社以上」と回答した(出典:マネクル「LINE公式アカウント登録者1,000人を対象にした利用実態調査2023」)
友だち登録しているLINE公式アカウントの数は、約4割が「7社以上」と回答した
(出典:マネクル「LINE公式アカウント登録者1,000人を対象にした利用実態調査2023」)

この数字については、LINEヤフー側も認識に大きな違いはないという。近年はLINE経由のモバイルオーダーシステムを採用する飲食店の増加、ポイントカードの運用をLINE公式アカウントに一本化する事業者も多いため、登録数が増えている。

カスタマイズ性が向上し、各ページへの遷移を生みやすい仕様に

LINE公式アカウントでは2025年10月24日、従来の「プロフィール」を刷新し、新たに「ビジネスプロフィール」の提供を開始した。これに伴い、プロフィール画面のデザインや設定項目を変更した。主な変更点は次の2つだ。

  1. 今まで「基本情報」に配置していた「住所」「営業日時」「ホームページ」の情報をプロフィール上部に表示する
  2. 「トーク」や「投稿」などの「ボタン」表示の上限(最大3つまで)を廃止し、6つのボタンが上限なく表示可能になった。表示のオンオフの設定や並び替えも可能
プロフィールがよりわかりやすく表示でき、アクションへの誘導が設計しやすくなっている(画像提供:LINEヤフー)
プロフィールがよりわかりやすく表示でき、アクションへの誘導が設計しやすくなっている(画像提供:LINEヤフー)
プロフィール上部の情報量が増え、知りたい情報やアクションにたどり着きやすくなった(画像提供:LINEヤフー)
プロフィール上部の情報量が増え、知りたい情報やアクションにたどり着きやすくなった
(画像提供:LINEヤフー)

ユーザーがビジネスプロフィールを訪れた際に、まず知りたいと思うような「住所」「営業日時」「公式ホームページのURL」といった基本情報を上部にわかりやすく表示するデザインにしました。また、その下に配置された「ボタン」の表示上限をなくすことで、事業者にとって重要なアクションへの遷移を生みやすい設計にしています。(新里氏)

この刷新の背景には、LINEヤフーの新プロダクトコンセプト「Connect One(コネクトワン)」があるという。

事業者の総合的なビジネス支援を実現する、LINEヤフーの新プロダクトコンセプト「コネクトワン」(画像提供:LINEヤフー)
事業者の総合的なビジネス支援を実現する、LINEヤフーの新プロダクトコンセプト「コネクトワン」
(画像提供:LINEヤフー)

「コネクトワン」は、LINE公式アカウントにさまざまなビジネスソリューションをつなげ、事業者の総合的なビジネス支援を実現する考え方です。まだ構想段階ではありますが、いずれは予約や購入、分析、顧客管理まで一貫してサポートすることをめざしています。まずは、第1段階として“ビジネスの顔”となるプロフィールを刷新し、自社の情報をわかりやすく届け、自社ECサイトやホームページ、SNSなどへの導線を強化したいと考えました。(大橋氏)

2026年中に「予約」や「購入」機能も実装予定

LINE公式アカウントの展望をたずねると、まだ具体的な時期は明示できないとしつつ、2026年中に「予約」「購入」の機能を実装する予定だという。それが実現すると、事業者にどのようなメリットが生まれるのか。

コンバージョンの起点をLINE公式アカウントに集約することで、複数にまたがっていた顧客データが1か所に集まりやすくなります。そして、そのデータをマーケティングにダイレクトに活用できる点が、最大のメリットだと考えます。具体的な仕様は検討段階ですが、顧客理解が深まり、顧客とよりつながりやすくなる世界の実現を想定しています。(大橋氏)

一方で、気になるのは「ユーザーがどれほどLINE公式アカウントのビジネスプロフィールを閲覧するのか」という点だ。友だち登録した後、通常はトーク画面を開き、そこから情報取得や予約、購入などのアクションを行うのが一般的で、プロフィールに飛ぶユーザーは多くないのではないか。

現状で言えば、ビジネスプロフィールを閲覧するユーザーは多くありませんが、体験設計を変える第一歩として、事業者のみなさんに情報を充実させてほしいとお願いしているところです。また、LINEヤフーの関連メディアと連携させる際は、ビジネスプロフィールの情報がベースになります。たとえば、すでに「Yahoo!マップ」にはLINE公式アカウントの導線が入っていて、そのベースにはビジネスプロフィールの情報が利用されています。いずれにしても、常に最新情報を登録しておくことが新規ユーザーとの出会いを創出するうえで、重要になると考えています。(大橋氏)

最後に、LINE活用において最大の課題とも言える「ブロック」や「削除」について、運営側の考えを聞いた。

LINEヤフーでは、ユーザーにとって価値のある情報を届けることを重要視しており、「ブロックや削除を完全に防ぐことは、必ずしもいいことではない」というのが基本方針です。ブロックや削除への対策としては、「ユーザーへのコミュニケーションを最適化する」「ユーザーが心地良いと感じる配信頻度を分析する」などが有効だろうと考えています。(大橋氏)

近年は、LINEで友だち登録をしないとメニューの注文ができない飲食店が増えた。飲食店側から見ると自動的に友だちが増えていく有効な仕組みだが、消費者視点では強制的に友だちにさせられる仕様とも言える。そのため、ブロック・削除したくなる心理が働きやすいかもしれない。これに対し大橋氏は、「どんな流入経路で入ったユーザーが、どのような行動を取っているかを分析することが重要ではないか」と考えを示した。

2026年以降、さらなる機能追加が予定されているLINE公式アカウント。続報にも要注目だ。

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