世界最大級のコンピュータゲーム小売企業である米GameStopが、ECモール大手の米eBayに対して買収を提案した。GameStopは5月3日、eBayの全株式を1株あたり125ドルで取得する意向を示したと発表。eBayの総株式価値を約555億ドルと評価した。
これに対しeBayは、事前協議のない一方的かつ法的拘束力のない提案だと説明した上で、取締役会が財務・法務アドバイザーとともに「慎重に精査・検討する」と表明した。

GameStop、eBayに1株125ドルで買収提案
GameStopによると、eBayの発行済株式100%を対象に、1株あたり125ドルで買収する拘束力のない提案を提出した。買収対価は現金50%、GameStop株式50%で構成し、eBayの希薄化前ベースの総株式価値は約555億ドルになるとしている。
提案価格は、GameStopがeBay株の取得を開始した2026年2月4日の終値に対して46%のプレミアムを加えた水準。30日間の出来高加重平均価格(VWAP)比では27%、90日間VWAP比では36%のプレミアムに相当すると説明している。
また、GameStopはデリバティブ取引や普通株の保有を通じて、すでにeBayの5%相当の経済的持分を保有していることも明らかにした。
買収後1年以内に年間20億ドルのコスト削減を計画
GameStopは、買収によるシナジーとしてeBayの収益構造改革を掲げる。買収完了後12か月以内に、年間20億ドル規模のコスト削減を実施する計画だ。
内訳は、販売・マーケティング費で約12億ドル、製品開発費で約3億ドル、一般管理費で約5億ドル。GameStopは、eBayが2025年度に販売・マーケティング費として24億ドルを投じた一方、純アクティブバイヤー数の増加は100万人にとどまったと指摘し、費用対効果の改善余地が大きいと主張している。
GameStopはこうしたコスト削減施策によって、eBayの継続事業ベースの希薄化後GAAPベースEPS(1株利益)が、1年目で4.26ドルから7.79ドルへ拡大するとの見通しも示した。
GameStopは全米約1600店舗の実店舗網を、eBayの運営基盤として活用する構想も打ち出した。具体的には、各店舗をeBay商品の鑑定、受け入れ、フルフィルメント、ライブコマース対応などを担う全国ネットワークとして活用できるとしている。
統合後のCEOには、現GameStop CEOのRyan Cohen氏が就任する想定も示した。GameStopはCohen氏が2021年以降の経営改革を主導し、2021年度の純損失3億8100万ドルから、2025年度には純利益4億1800万ドルへの転換を実現したと説明。さらに、Cohen氏は給与や現金ボーナス、巨額退職金を受け取らず、業績連動型の報酬体系で経営にあたるとしている。
eBayは「一方的で法的拘束力のない提案」と説明
これに対しeBayは5月4日、GameStopから事前協議のない一方的かつ法的拘束力のない買収提案を受領したことを確認したと公表。eBayによると、提案を受けるまでGameStopとの接触や協議は一切なかったという。
eBayは、取締役会が財務・法務アドバイザーと協議しながら提案内容を慎重に検討すると説明。GameStop株式による対価の価値や、拘束力のある実行可能な提案を提示できる能力なども含め、株主利益の観点から精査する方針を示した。その上で、eBay株主に対しては、現時点では何ら行動を起こさないよう呼びかけている。
eBayは声明の中で、自社が190市場で1億3500万人の買い手を抱えるグローバルマーケットプレイスであることを強調した。また、現在進める成長戦略について、2025年通期業績や2026年第1四半期決算で成果が現れていると説明。持続的成長と長期的な株主価値向上に向けた取り組みを継続する姿勢を示した。なお、eBayの2025年の流通総額(GMV)は約800億ドルとしている。

