刃物メーカーの貝印は、ビューティーケアや調理・製菓、医療用商品などを販売する自社ECサイト「KAIストア」をリニューアルした。
貝印は1908年、刃物の町として知られる岐阜県関市で創業。現在は、カミソリ、メンズグルーミング、ツメキリなどの身だしなみやビューティーケア、包丁をはじめとする調理・製菓、医療用など、生活に密着した刃物を中心に約1万アイテムの商品を展開している。
従前のECサイトの運営では、長年の改修により仕様が複雑化し、社内でシステムの中身を把握できない「ブラックボックス化」が課題になっていた。部分的なサイト更新や施策実行ごとにベンダーへの依頼が必要になり、顧客へのタイムリーな情報発信が難しかったという。メインサイトのほかにも、運営サイトが複数にまたがり、業務が分散、管理の煩雑さが課題だった。
そこで貝印は、メルカートが提供するクラウドECサイト構築プラットフォーム「メルカート」をECプラットフォームに採用した。周辺サービスを含めた運用環境を整理し、ベンダー窓口を一本化できると評価した。
リニューアルでは、分散していた複数サイトの統合、バックエンド機能の移管を実施した。システムが複雑化・属人化していた旧環境を刷新し、周辺ツールを含めたシステム構成を整理。これにより、スピーディーにECサイトを運用・改善できる体制を構築した。
サイト統合+運用業務を自動化
複数サイトの統合、会員管理・運用基盤の一本化により、料理教室事業などの周辺サイトは、受注管理などのバックエンド機能を「メルカート」の基盤に集約した。
「メルカート」導入にあたっては、旧サイトの複雑な独自運用や手動で行っていた業務フローを棚卸し、特定の人に依存しない運用フローを構築。従前はベンダーに依存していた更新作業・管理業務をシステム化し、運用コストの最適化と施策の迅速化を実現した。
現在は、バナーの差し替えや特集ページ作成なども管理画面から貝印のスタッフができるようになり、顧客へのタイムリーな情報発信が可能となった。PDCAの高速化にもつながっている。
共通データ基盤への一元化で改善サイクルを促進
リニューアル前は、MA、レビュー、レコメンドなどのツールを個別に導入していたため、データや運用が分断されていた。そのため、顧客に合わせた施策の実行までにタイムラグが生じ、改善のスピードが課題となっていたという。
リニューアルでは、データ活用基盤の一元化により、顧客データを活用した施策を実行しやすい環境を整備した。これにより、サイトやチャネルを横断した分析が可能となり、誕生日メールの配信や、購入後の再購入促進のような段階的なシナリオ配信が展開できるようになった。データ集計や分析の効率化により、施策の実行と改善のサイクルを高速化している。
