雇用調整助成金の上限を15000円に拡充 個人で直接申請できる新制度も
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雇用調整助成金を抜本的に拡充します。1日8000円余りが上限となっていた助成額を、世界で最も手厚いレベルの1日1万5000円まで特例的に引き上げる。さらに、雇用されている方が直接申請することができ、そして、直接お金を受け取れる、新たな制度を創設する。
安倍晋三首相は5月14日に開いた新型コロナウイルス感染症に関する記者会見で、政府の雇用施策に関してこのように言及。
新型コロナウイルス感染症の影響で売り上げなどが減少した事業者が労働者を1人も解雇しなかった場合、1人あたり1日8330円を上限に休業手当、賃金などの一部を助成する「雇用調整助成金」を大幅に拡充する案と、勤務先から休業手当を受け取れないといった労働者が直接、現金を申請できる新たな制度の創設案を示した。
5月14日の第34回新型コロナウイルス感染症対策本部で、2020年度第2次補正予算案に盛り込む方針を説明。5月27日をメドに概算決定を行い、その後、国会に提出するとしている。
雇用調整助成金の抜本的な拡充案
「雇用調整助成金」は現在、新型コロナウイルス感染症の影響を受け販売量、売上高などの事業活動を示す指標「生産指標要件」が「1か月5%以上低下」し、事業主が労働者を1人も解雇しなかった場合、中小企業で90%、大企業で75%を助成するといった「雇用調整助成金」の緊急対応策を採用。
さらに、4月25日には事業主への助成率を最大94%まで拡充するといった特例措置を発表している。
これまで「雇用調整助成金」の助成率の引き上げ、条件の緩和などの特例措置を行ってきたがそれをさらに拡充。1人あたり1日8330円としていた助成金の上限額を1万5000円まで引き上げる。
雇用調整助成金に関して4月1日~6月30日までを「緊急対応策」の期間とし、政府は全国規模で雇用維持の調整を急いでいる。「緊急対応策」の対象となる事業者は、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者(全業種)。
「雇用調整助成金」の拡充案が示されている一方、手続きが複雑といった声があがっている。こうした状況を受け、会見で安倍首相は次のようにコメントした。
これまで支援が遅い、届かないという厳しいお叱りも頂いている。我々はその状況を真摯に受け止めながら、何としてもそうした状況を、目詰まりを解消し、よりスピーディーにお届けするように、これからも全力で取り組んでいきたいと、こう思っている。
新たに現金を申請できる新制度
企業の選択によって、勤務先から休業手当を受け取れないといった労働者が直接、現金を申請できる新たな給付金制度。
雇用保険に加入していないアルバイトなどの非正規社員なども対象となる見通し。申請方法はオンラインや郵送などで申請する仕組みになると見られる。
通販・EC業界では、ファンケルが直営店舗は216店舗中、205店舗を休業(4月23日時点)。休業中の店舗従業員の給与は、政府の「雇用調整助成金」などの制度を活用しつつ、100%の休業補償を行っている。
ファンケルのように実店舗を持つ企業、業績が落ち込んだ企業では、「雇用調整助成金」を活用しながら休業した従業員の給与を補償する動きが出ている。
- 雇用調整助成金の特例措置について(PDFが開きます)
- 雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)(令和2年4月13日現在)(PDFが開きます)
- 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例を拡充(PDFが開きます)
- 新型コロナウイルス感染症の影響に伴う 雇用調整助成金の特例措置に関するQ&A(PDFが開きます)
- 雇用調整助成金について