大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

「楽天市場」がAI戦略を公開。「AI店長」「バーチャル試着」「RMSバナー画像生成」の全ぼう【Rakuten AI Optimismレポート】

「楽天市場」ブースで注目を集めたのは、構想段階の「AI店長」と生成AIを活用したバーチャル試着。初日からにぎわった「Rakuten AI Optimism」の会場で見えた、「楽天市場」の次世代EC戦略を現地レポートする

瀧川 正実[執筆]

7:00

楽天グループは8月5日、横浜市のパシフィコ横浜でグループ最大級のビジネスイベント「Rakuten AI Optimism」を開幕した。展示エリア「エキシビション」では楽天グループ各社やパートナー企業がAIや先端技術を活用した取り組みを紹介。なかでも「楽天市場ブース」では、生成AIを活用したバーチャル試着機能や、「楽天市場」出店店舗ごとの接客を24時間365日担う「AI店長」(展示名称は「マーチャントAI」)を初披露し、来場者の注目を集めた。また出店店舗向け管理システム「RMS」に組み込むAI機能「Rakuten AI for RMS」も紹介。AIを活用したデータ分析機能や、9月に提供予定のバナー画像生成機能なども披露した。

Rakuten Ai Optimism

エキシビションは、AIをはじめとする最新テクノロジーやサービスを「見て、触れて、体感する」展示エリアとして展開している。楽天グループのブースとしては、「Rakuten AI」「楽天モバイル」「楽天市場」「楽天GORA」「フィンテック」「スポーツ」「楽天トラベル」「Racco」「楽天Kobo」「楽天シンフォニー」「楽天安心サイネージ」「マーケティング/ポイントギフト」「楽天トータルソリューションズ」「楽天マート」「楽天ミュージック」「Rチャンネル」「パ・リーグ Special」などが出展している。

「楽天市場」ブースの目玉は「AI店長」とバーチャル試着

「ネットショップ担当者フォーラム」編集部として、なかでも興味深かったのが「楽天市場」ブースの展示だ。目玉の1つは、現在構想段階にあるAI生成画像を活用したバーチャル試着機能。もう1つが、ビジネスカンファレンスのキーノートで三木谷浩史社長も言及した「AI店長」だ。

AIでバーチャル試着。コーディネート提案から画像生成まで

バーチャル試着機能は、利用者が全身写真をアップロードすると、AIがおすすめのコーディネートを提案し、その服を実際に着用したような画像を生成する構想だ。商品検索から比較検討までを対話型AIと生成AIで支援し、バーチャル試着後は商品ページに遷移し商品購入に進める設計になっており、より直感的な買い物体験をめざす。現時点では構想段階で、提供時期は未定としている。

AIを活用したバーチャル試着(動画の一部を編集部で加工)

「AI店長」で24時間365日の接客を実現へ

もう1つの目玉が「AI店長」だ。「楽天市場」の各店舗の店長やスタッフの知識や接客スタイルを学習したAIアバターが、商品相談や比較、レビュー紹介、おすすめ商品の提案、購入支援、商品購入までを担う構想となっている。

このAI店長の特長として展示で訴求していたのが、「より専門性の高いAIによる接客」「各店舗の個性が光る多様な展開体験」「出店店舗のメリット」の3点だ。

店舗独自の商品知識やこだわりをAIへ反映することで、ワインなら料理との相性、アウトドア用品なら利用シーンに応じた選び方など、専門店ならではの提案を実現するという。

また店舗ごとの世界観や話し方も反映できるため、「楽天市場」の多様な店舗の個性を生かした接客も可能になるとしている。

店舗側にとっては、販売戦略やおすすめ商品をAIへ反映できるほか、24時間365日の接客により問い合わせ対応の負担軽減や顧客満足度向上も期待している。

今回の展示ではアバターはなくテキストチャットベースのデモが紹介された。

「AI店長」のデモ画面

RMSではAI分析と画像生成を紹介

「楽天市場」ブースでは、「Rakuten AI for RMS」の展示も行った。2026年4月から提供しているAIデータ分析機能では、店舗・商品データを会話形式で分析できる。競合店舗との比較や自由入力による分析に対応し、売り上げや流入、顧客属性などから店舗の課題や強みを把握できる。

データ分析機能は、RMSで提供している店舗・商品データを元に、会話形式でさまざまな分析ができるもの。展示では「競合分析」と「自由形式分析」を紹介した。競合分析では「楽天市場」内の同一ジャンル店舗との比較ができ、自由形式分析ではテキスト入力で任意の切り口からデータを分析できる。

売上データ、流入データ、顧客属性データなどをもとに店舗全体の業績を把握できるほか、「楽天市場」平均との比較による強み・課題の特定、追加の深掘り分析の提案、分析結果に対する継続的な質問にも対応する。

「Rakuten AI for RMS」のデータ分析機能のデモ画面

2026年9月提供予定のバナー画像生成機能は、画像や商品名などの商品情報をもとに、短時間でデザインされた商品バナーを生成するもの。商品管理番号を入力すると、商品名、商品画像、キャッチコピーを元に自動で画像を生成でき、任意の画像をアップロードして作成することも可能という。掲載場所や目的に応じて、正方形(1:1)や長方形(4:1)など計14種類の比率から選べるほか、商品情報を元に商材に合ったキャッチコピーも自動生成する。

AIを軸に楽天グループ各社が最新技術を紹介

会場の他ブースでは、楽天グループ各社がAI活用の方向性を打ち出した。「Rakuten AI」ブースでは、「楽天エコシステム(経済圏)」とそのデータを生かしたAIが描く未来を体験できるほか、楽天IDを生かした「楽天ならではのAI」の可能性を紹介。

「楽天モバイル」ブースでは、「AIで進化する、次世代のモバイル体験」をテーマに、低軌道衛星と市販スマートフォンによる「高速インターネット通信」の仕組みを解説するほか、米AST SpaceMobileの低軌道衛星やフェーズドアレイアンテナをAR表示で体感できる。

「フィンテック」ブースでは、決済から資産形成までのサービスを紹介し、参加型コンテンツ「Future Tree」を展開。「Sports × AI」をテーマとした「スポーツ」ブースでは、コンディションチェックや野球・サッカーのトレーニング体験のデータを元に、AIが来場者のアバターを生成し、パーソナライズされた入場演出や応援歌でスタジアム体験を創出する。

そのほか、パートナーブースとして、みずほ証券、テレビ東京、ライオン、博報堂、Visa、IBM、Red Hat、シスコシステムズ、コンカー、電通、太陽企画、Notta、Google、スズキなどが参加し、AI時代のビジネスや生活を支える多様なソリューションを紹介している。

展示エリアには商談ブースや企業ブース、飲食エリアも設けている。会場では「お買いものパンダ」のイベント限定グッズも販売している。

開催概要

  • 名称:「Rakuten AI Optimism」(ラクテン エーアイ オプティミズム)
  • 会期:2026年8月5~7日
  • 会場:パシフィコ横浜 展示ホールB・C・D(〒220-0012 横浜市西区みなとみらい1-1-1)
  • 入場料:無料 ※事前の参加登録が必要
  • 主催:楽天グループ
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