OTC医薬品の国内EC市場規模、2025年は1316億円、2031年には1663億円に拡大。ECモールがけん引
富士経済の調査によると、OTC医薬品の国内EC市場は2025年に1316億円、2031年には1663億円へ拡大する見通しだ。EC化率も上昇し、仮想ショッピングモールが市場成長をけん引する。
7:30
富士経済が9月14日に公表した調査によると、OTC医薬品の国内EC市場は2025年に1316億円となり、2031年には2025年比26.4%増の1663億円に達すると予測している。EC化率も上昇する見通しで、2025年の10.2%から2031年には12.5%まで高まると見ている。

ECモールが市場拡大をけん引
OTC医薬品の国内EC市場拡大をけん引するのは集客力の高いECモール。改正薬機法による規制緩和に加え、AI問診やコンビニエンスストアでの店頭受取サービスなど利用環境の整備も追い風となり、OTC医薬品のEC利用は一段と広がると予測している。
チャネル別では「仮想ショッピングモール(出店分)」の規模が最も大きく、2026年には600億円を超えると見込む。また、「仮想ショッピングモール(卸通販分)」も近年急伸しており、2026年は前年比10%程度の伸びを予測している。
ECモール内では、価格面でのお得感を打ち出しながら、まとめ買いを促す販促策が奏功しているという。
一方、自社通販サイトやドラッグストアECサイトでは、単価の低いPB(プライベートブランド)製品の展開などを通じて、目的買いの需要を取り込む動きが進んでいる。
規制緩和やPHR、AI問診などがEC利用を後押し
市場拡大の背景には、制度面の変化に加え、OTC医薬品をECで購入するための利用環境の整備もある。
富士経済は、2026年5月1日に施行された改正薬機法によるOTC医薬品取り扱いの規制緩和でEC利用のハードルが下がることに加え、個人が自分自身の健康・医療・介護に関するデータを収集・保存し、スマートフォンアプリなどで一元管理・活用する仕組みであるPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)サービスの活用増加、AI問診や医薬品選定アプリの普及などが、今後の市場拡大を後押しすると見ている。
さらに、コンビニエンスストアでのOTC医薬品店頭受取サービスの充実も、EC利用の拡大につながると予測している。
発毛剤はEC販売比率が5割超、痔疾用薬も2割強
品目別では、発毛剤のEC販売比率の高さが目立つ。2025年時点で売り上げの5割以上をECが占めるという。
店頭での購入を避けたいニーズがあることに加え、効果が出るまで継続して購入されやすい点が、ECとの親和性を高めている。また、発売商品の認知度が高く、指名買いにつながりやすいことも強みとして挙げている。
痔疾(じしつ)用薬も2025年時点でEC比率が2割強と高水準で、2031年には3割弱まで上昇すると予測している。
発毛剤と同様に対面購入を避けたい需要があるほか、自社通販サイトに注力するメーカーの取り組みも市場拡大につながっている。
このほか、排卵日検査薬、漢方処方エキス製剤、皮膚治療薬、便秘薬などでもEC化率の上昇が見られるという。
- この記事のキーワード

