「検索」から「AI推薦」へ、EC流入元AIのシェアが大きく変化。「ChatGPT」独走を追う「Gemini」、「Claude」急伸の衝撃
Adobe Analyticsの2026年7月調査によると、AI経由のECサイト流入は前年同月比62%急増し、非AI経路と比べて1訪問あたりの売上単価(RPV)が53%も高いことが判明。流入元となるAIプラットフォームでは、独走状態だった「ChatGPT」がQ2にシェアを落とすなか、「Gemini」が2倍に成長しています。
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AI経由のEC流入が右肩上がりの成長を続けるなか、最新のランキングから、どのLLM(大規模言語モデル)がECサイトへ最も多くの顧客を送り出しているのかその実態が明らかになりました。特に、市場を牽引してきた「ChatGPT」と、急速に台頭する「Claude」の双方において、シェアの大きな地殻変動が始まっています。
AI経由のECトラフィックは急増維持、訪問単価は53%高を記録
大手のEC小売事業者にとって、AIを起点とするリファラルのトラフィックは成長を続けており、それに伴ってトラフィックを送り出すAIプラットフォームの役割やシェアにも変化が生じています。
Adobe Analyticsの2026年7月データによると、AI経由でECサイトを訪れたトラフィックは前年同月比で62%増加。特筆すべきは、AI経由で訪れた消費者が1回の訪問あたりに生み出す売上(RPV、Revenue Per Visit、訪問単価)は、非AI経由の一般の顧客と比べて53%も高いという点です。
現時点では、AI経由の全体的な流入量は従来型の検索エンジン(Googleなど)からの流入を追い抜くには至っていません。しかし、圧倒的な「訪問単価の高さ(高いコンバージョン効率)」は、今後のEC事業者における集客チャネルの差別化や最優先投資先として、極めて大きなポテンシャルを秘めています。
米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』と調査会社ReFiBuyが共同展開する「AI Commerce Rankings」の最新データ(北米の年間EC売上高トップ1000社を対象に調査)から、どのLLMが自社ECへのトラフィック獲得に貢献しているのか、その勢力図の推移が明らかになりました。
流入元AIの勢力図に大きな変化、「ChatGPT」がシェアを落とし他社が追随
2026年第1四半期(Q1)と第2四半期(Q2)のデータを比較すると、これまで市場を独占してきたOpenAIの「ChatGPT」に対し、競合LLMによる激しい追撃が始まっていることがわかります。
特に、独自のEC向けエージェント機能を立て続けに発表しているAnthropicの「Claude」の躍進が際立っています。
ReFiBuyのアナリストが2026年Q2における「各ECサイトで最も多くのトラフィックを送り出しているNo.1流入元AI」を分析したところ、いくつかの大きな変化が観測されました。
Googleの「Gemini」、トップのECサイト数が「2倍」に急増
ReFiBuyの創業者兼CEOであるスコット・ウィンゴ氏はこう指摘します。
Q1において、調査対象のEC事業者のうち844社でChatGPTが最大のAI流入元となっていました。しかし、これがQ2では722社へと減少しています。
この減少したシェアを奪う形で急成長を見せているのが、後を追う競合AIたちです。
最もわかりやすい動きを見せたのがGoogleの「Gemini」です。Geminiが最大のAI流入元となっているEC事業者の数は、Q1の16社から、Q2には32社へと倍増しました。AI集客における「Gemini」のプレゼンスは着実に高まっています。
「Perplexity」「Claude」もモメンタムで追走
勢いづいているのは「Gemini」だけではありません。対話型検索エンジンの「Perplexity」が最大の流入元となったEC事業者はQ2で12社増加しました。
さらに、OpenAIやGoogleの製品に真っ向から立ち向かう存在として急成長しているのが、Anthropicの「Claude」です。
Q1時点で、「Claude」が最大の流入元AIだったEC事業者は全米でわずか1社にとどまっていました。しかし、Q2には15社へと急増しています。これは非常に巨大なトレンドの変化です。(ウィンゴ氏)
急成長するAnthropic「Claude」のエージェント型コマース戦略
「Claude」がECサイトへの強力な送客チャネルとして台頭してきた背景には、Anthropicによる戦略的なコマース機能の実装があります。
「商品カード」の導入と「Project Deal」
Anthropicは、Claudeの会話内で購入可能な商品をお勧めする際、視覚的かつ直感的な「商品カード」を表示する機能を導入しました。
もともとOpenAIやGoogleは2025年から「チャット画面内で直接決済まで完結させるチェックアウトの統合」を進めていましたが、これらは現在、各EC事業者の自社アプリを経由してエージェント体験を提供する形へと軌道修正されています。
一方で、「Claude」は当初からこの初期の決済統合の動きとは一線を画しており、代わりに社内テストとして「Project Deal(プロジェクトディール)」と呼ばれるエージェント型マーケットプレイスの自社実験を着実に進めていました。
「Salesforce」との協業拡大と「Claudeforce」の可能性
さらに最近、AnthropicはSalesforceとの提携を大幅に強化し、Salesforceユーザー向けに特化したAI統合システム「Claudeforce」を発表しました。これに伴い、小売事業者向けにカスタマイズされた「コマース特化型AIエージェント」の高度なデジタル設計図も公開しています。
これらの多面的なコマース対応策が功を奏し、ECサイトへの「送客力(リファラル価値)」という具体的な数値になって表れ始めているのです。ウィンゴ氏は今後の展開について、こう期待をしています。
もしこの成長曲線が今後8四半期(2年間)継続すれば、「Claude」は「Gemini」や「ChatGPT」と肩を並べ、AI集客の3大巨頭の一角になるでしょう。
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