「デジタル・ネイティブ・ストア」をめざす丸井グループがDtoCビジネスの支援会社「D2C&Co.」を設立した理由

丸井グループは今後の差別化戦略として「デジタル・ネイティブ・ストアへの進化」を推進しており、DtoCやサブスクリプション型ビジネスなど、「デジタル・ネイティブ・ブランド」の出店を推進している
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丸井グループは2月12日、DtoC(Direct to Consumer)のエコシステムを支援する新会社「D2C&Co.(ディーツーシーアンドカンパニー)」を設立したと発表した。「D2C&Co.」には「DtoCと仲間たち」という意味を込めた。

DtoCビジネスは既存ビジネスの在り方を根本から変革する可能性を秘めていると判断。DtoCのエコシステムに関わる「仲間たち」と幅広く連携して互いに協力、成長・発展をめざすという。

エコシステムについて

新会社を通じたDtoCスタートアップ企業への投資、年間2億人が来店するマルイ店舗や700万人を超えるエポスカード会員、モノ作りや接客・販売に精通した人材など丸井グループが持つリソースを結集。グループ一体となってDtoCの成長・発展に向けた取り組みを推進する。

リアル店舗への出店をはじめ、協業によるカード発行、利用拡大によるLTV(生涯利益)の向上など、グループ全体の価値向上にもつなげる。

オープンイノベーションを通じた企業価値創造に向けて、2023年3月期までの7年間で合計300億円の投資を計画しており、これまでに約130億円の投資を実行してきた。BASEやFABRIC TOKYO、SpartyなどのDtoCに関わる企業へ投資しており、今後は戦略投資の対象としてDtoCのスタートアップ企業にフォーカスして投資活動を展開する。

DtoCブランドによるリアル店舗への支援も行う。ポップアップショップや常設ショップなど、展開期間や面積、メニューに応じてフレキシブルに出店機会を提供するほか、什器や店装など売場づくりのノウハウも提供する。

DtoCブランドのキュレーションサイトを立ち上げ、DtoCブランド間の相互送客の促進も検討する。DtoCブランドにとって、ネットとリアルに続く第3の顧客接点として、より親和性の高い顧客を相互に紹介し合える場になり得ると見ている。

丸井グループは2019年5月、今後の差別化戦略として「デジタル・ネイティブ・ストアへの進化」に取り組むと発表。DtoCやサブスクリプション型ビジネスなど、「デジタル・ネイティブ・ブランド」の出店を推進し、店舗を主体としたこれまでのビジネスモデルから、デジタル主体の店舗運営への移行をめざしている。

デジタル・ネイティブ・ストアへの進化について(画像は丸井グループが公表した決算説明会資料から編集部がキャプチャ)

DtoCビジネスとは

DtoCは小売店や広告代理店を介さず、消費者とブランドが直接つながる新しいビジネスモデル。直接販売を通じて得た顧客データをその後の戦略に活用。また、SNSやWebサイトを通じた顧客との直接的なコミュニケーションによって、提供する商品・サービスの背景にあるストーリーや世界観を表現できるのも特徴となっている。

消費者とブランドが直接つながるのがDtoC
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