通販新聞ダイジェスト

政府が化粧品をはじめとする美容産業を「J-Beauty」として成長戦略に位置づけ。官民一体でロードマップを策定

「化粧品国際規制調和事業」を活用し、海外規制の調査事業を開始。2033年に日本の化粧品輸出額を現在の4倍となる2兆円を目標に掲げる

通販新聞[転載元]

7:00

政府は、化粧品をはじめとする美容産業を「J-Beauty」として成長戦略に位置づける。規制の国際調和を図り、厚生労働省は海外規制を探る調査事業を開始した。化粧品の違法広告の取締りに向けた取組みも進みそうだ。

化粧品の競争力強化に向け、官民一体で「J-Beauty」のロードマップを策定

化粧品の競争力強化は、官民一体で「J-Beauty」のキーコンセプトの整理、産業全体の目標数値や達成時期の明確化などロードマップを策定する。これまで化粧品をはじめ、エステ、ネイル、美容サロンなどJ-Beauty産業に含まれる13の産業が連携するための横断的な組織はなかった。2026年12月をめどに発足する民間コンソーシアムが戦略策定を主導する。

化粧品、医薬部外品の規制の見直しは、海外規制とのイコールフットをめざす。厚生労働省は、25年度の補正予算事業「化粧品国際規制調和事業」を活用し、海外規制の調査事業を開始している。

調査事業では、①化粧品、医薬部外品にあたる製品の規制に関する情報収集と国内規制の違いの分析、②広告表現(数値データ、体験談)の海外の使用事例、使用の適切性を担保する方法、③医薬部外品の承認基準の素案作成――を行う。2026年秋をめどに海外規制の情報収集にめどをつける予定だ。

厚労省は、「数値データ・体験談」の活用について、海外制度の分析、国内実態を踏まえ、使用の要件のルール化を検討する。27年度に数値データ等に触れる「医薬品等適正広告基準」の見直しをめざす。

56に限定される「化粧品の効能範囲」について、J-Beauty産業研究会は、ネガティブリスト方式への転換をめざしている。厚労省は海外規制の調査を踏まえた検討の受け皿として省内に研究班(特別研究事業)を設置した。

医薬部外品は、薬機法上、医薬品と化粧品の間に位置づけられ、海外にはないカテゴリーだ。国際整合性を図ることを目的に調査を行っている。結果を踏まえ、PMDA(医薬品医療機器総合機構)で承認基準の策定、承認審査の期間短縮に向けた検討を行う。

J-Beauty産業研究会会長の林芳正議員
J-Beauty産業研究会 林芳正会長

情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)による対応を強化

広告監視の面では、情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)による対応を強化する。指定を受けた大規模プラットフォーマーに法令違反情報の削除、投稿削除の対応状況の公表等を義務付けるものだ。事業者は、「違法情報ガイドライン」に基づき対応を判断する。

化粧品市場では、国内規制をスルーした海外企業の「日本語広告」が訴求力を持ち、国内企業の競争力が低下している。総務省は2026年7月にガイドラインを改定。薬機法に基づき、化粧品の誇大広告を削除できるよう明記した。

同月には、情プラ法に基づく対応が不十分であるとして、総務省が米Googleなど5社に初の是正勧告を行っている。GoogleとXには8月末までに改善計画の提出も求めた。総務省にとってウェブの健全化は主要政策の1つであり、違法情報の削除も進展しそうだ。

2033年に日本の化粧品輸出額2兆円を目標に掲げる

化粧品産業の輸出額は、コロナ前の0.8兆円から0.5兆円と減少した。韓国は、国家戦略と位置づけ、コンテンツなどとの連動で競争力を高めて輸出額は世界3位の1.8兆円まで拡大している。経済産業省の検討会では、日本の化粧品の輸出額について、2033年に現在の約4倍にあたる2兆円(現地生産、販売を含む)にすることを目標に掲げた。

J-Beauty産業研究会会長の林芳正議員(総務大臣 ※記事掲載当時)は、第2次安倍政権(12~14年)で農林水産大臣を務め、それまで4500億円ほどだった農林水産物の輸出額を6000億円超(14年)に押し上げた。輸出国や品目別に戦略を作り、食材利用、普及に向けたビジネス環境の整備、人材育成を進めたことが背景にある。25年の輸出額は2025年に1.7兆円を超えた。化粧品産業も官民一体の取組みで市場が拡大しそうだ。

コンソーシアム設立までのスケジュール
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