景表法違反(優良誤認)で大幸薬品に6億円の課徴金納付命令、何が問題だった?

空間除菌製品「クレベリン」シリーズを巡っては、表示が不当表示にあたるとして2021年11月、消費者庁が措置命令案を提示し、大幸薬品に弁明の機会を付与していた

石居 岳[執筆]

2023年4月13日 8:00

消費者庁は4月11日、空間のウイルス・菌を除去すると標ぼうした「クレベリン」の5製品の広告表示には根拠がなかったとして、景品表示法第8条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出した。課徴金額は6億744万円。

消費者庁は4月11日、空間のウイルス・菌を除去すると標ぼうした「クレベリン」の5製品の広告表示には根拠がなかったとして、景品表示法第8条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出した
大幸薬品は課徴金納付命令についてプレスリリースを出した(画像は編集部がWebサイトからキャプチャ)

対象は「クレベリン 置き型」「クレベリンスティックペンタイプ」「クレベリンスティックフックタイプ」「クレベリンスプレー」「クレベリンミニスプレー」の除菌製品。

「空間に浮遊するウイルス・菌・ニオイを除去」「空間のウイルス除去・除菌・消臭にご使用いただけます」などと、2018年9月から自社ECサイト、テレビCM、YouTubeでの動画広で表示。商品を使用すれば二酸化塩素の作用によって、室内空間に浮遊するウイルスまたは菌が除去・除菌される効果が得られるかのような表示をしていた。

消費者庁はそれぞれ、景品表示法第8条第3項の規定に基づき、大幸薬品に対して期間を定め、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めた。大幸薬品は資料を提出したものの、消費者庁は表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものでなかったと判断した。

一方、大幸薬品は表示において「利用環境により成分の広がりは異なる」「すべてを除去できるものではない」といった打ち消し表示を行っていたものの、消費者庁は無効と判断している。

課徴金は、2022年1月の景品表示法に基づく措置命令によるもの。

大幸薬品は措置命令を受けた商品について、景品表示法上の問題がない表示に変更して販売を再開。景品表示法に関しては、「役員・従業員への周知徹底、広告表示等審査方針の改訂も含めた広告審査体制強化を行い、再発防止に努めている」という。

商品名売上額課徴金額
クレベリン 置き型15億7349万円4億5220万円
クレベリンスティッ ペンタイプ35億7905万5492円1億738万円
クレベリンスティックフックタイプ3億9836万30209円1195万円
クレベリンスプレー10億52018万88392円3156万円
クレベリンミニスプレー1億4513万3135円435万円

景品表示法とは?

不当表示や不当景品から消費者の利益を保護するための法律が「景品表示法(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)」。景品表示法は、商品・サービスの品質、内容、価格などを偽って表示を行うことを規制。また、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限している。

不当表示は大きく分けて3つの種類がある。

  • 優良誤認表示(商品・サービスの品質、規格、その他の内容についての不当表示)
  • 有利誤認表示(商品・サービスの価格、その他の取引条件についての不当表示)
  • その他 誤認される恐れのある表示(一般消費者に誤認される恐れがあるとして内閣総理大臣が指定する不当表示)

大幸薬品のケースは優良誤認に該当。商品・サービス品質を、実際よりも優れていると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に優れているわけではないがあたかも優れているかのように偽って宣伝する行為が、優良誤認表示に当たる。

景品表示法に課徴金制度が導入されたのは2016年4月。課徴金制度は、法律に違反することで不当に利益を得た法人・個人から、その利益を没収するもの。課徴金の金額は違法表示によって得た売上額の3%。

消費者庁では、各種資料をまとめた景品表示法用コーナー、「不当景品類及び不当表示防止法ガイドブック」(PDFが開きます)などで、景品表示法に関するさまざまな情報を提供している。

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