ジャパネットの「長崎スタジアムシティ」、その経済波及効果は? 年間約378億円、コールセンター新設など新たな取り組みも
ジャパネットホールディングスは、長崎スタジアムシティが長崎県にもたらす経済波及効果を年間378.3億円とする推計を公表した。来場者は2年目に年間約535万人となる見込みで、3年目に向けて新会社設立やコールセンター拡張など新たな投資も進める。
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ジャパネットホールディングスは10月1日、「長崎スタジアムシティ」の開業2周年に関する記者会見を開き、同施設が長崎県にもたらす経済波及効果が年間378.3億円に達するとの推計を公表した。2年目に当たる2026年の来場者数は約535万人となる見込み。3年目に向けては、サービス・ホスピタリティに特化した新会社の設立や、コールセンター拠点の拡張に伴う300人規模の採用など、新たな投資にも乗り出す。

経済波及効果は年間378.3億円、雇用創出は4607人
経済波及効果を試算したのは船井総合研究所。レポートによると、長崎スタジアムシティが2026年に長崎県内にもたらす経済波及効果は年間378.3億円となる見通しで、このうち約178億円がグループ外への波及効果と推計。さらに、税収増などによる年間約28億円の財政貢献、4607人の雇用創出効果も算出した。

長崎スタジアムシティの2年目の来場者数は、初年度の約470万人から約535万人へ拡大する見込み。前年比では約14%増となる。

平日の来場者数も1万~1万3000人規模に増え、休日だけでなく日常的な利用も定着しつつあるという。来場者に占める県内客の割合は86%で前年並み。県外からの来訪者が増える一方、地元での利用も広がっている。

アプリ活用や施設拡充で来場・リピートを促進
施設運営では、公式アプリを軸とした利用促進も進めている。アプリ会員数は前年比約8万人増の約58万人となった。アウェーサポーター向けの施策やポイント還元企画などが寄与したという。
モバイルオーダーの利用率は43%となり、前年から25.5ポイント上昇した。独自決済サービス「スタPAY」の利用率も約32%に達した。リピート利用の促進に加え、店舗運営の効率化にもつながっているとしている。

商業・体験施設の拡充も進んだ。2年目には13店舗が新規オープン。温浴施設「YUKULU」の利用者数は前年比36%増となり、ピックルボールコートもリピーター率28%と堅調に推移した。2026年5月に開設したドッグランなども含め、スポーツ観戦以外の目的で訪れる動機を増やしている。

施設全体では約3800人の雇用を創出。レジャー拠点にとどまらず、地域の雇用を支える場としても定着しつつある。
ホテル稼働率は70%、インバウンド宿泊者数も増加
宿泊需要も伸びている。スタジアムシティホテルの稼働率は70%となり、前年の約1.5倍に上昇した。プロサッカーチーム「V・ファーレン長崎」のJ1昇格に伴うアウェーサポーターの来訪増に加え、韓国や台湾を中心に訪日外国人客も増加した。
インバウンドの宿泊者数は前年比500%増の9600人となった。修学旅行需要の取り込みも寄与し、受け入れ校数は前年から14校増えて25校となった。ジャパネットグループの「ゆこゆこ」や「ジャパネットたかた」と連携した宿泊プランも、閑散期の集客強化につながったという。

また、長崎スタジアムシティの施設見学を目的とした「視察」利用も増加した。視察向けパッケージの参加者は延べ約7500人で、ツアー利用者全体の約13%を占めた。他県でスタジアムやアリーナの建設に携わる行政機関や事業会社なども多数訪れているという。

V・ファーレン長崎と長崎ヴェルカも成長
スポーツクラブでも成長が続いている。「V・ファーレン長崎」のシーズンシート1万1500席は即日完売し、キャンセル待ちも発生。パートナー企業数は334社に拡大した。
プロバスケットボールチーム「長崎ヴェルカ」は、2025-26シーズンの平均来場者数が5680人となり、92試合連続で完売を続けている。トップパートナーとしてAnker Japanが参画し、スタジアムシティ内には「Anker Store」も出店した。
いずれのチームも平均来場者数、ユニフォーム販売数、ファンクラブ会員数、SNSフォロワー数などが前年比で伸びている。

3年目に向け、新会社設立とコールセンター300人規模の採用も
ジャパネットは3年目に向けて、事業体制の整備にも着手する。11月には、サービス・ホスピタリティに特化した新会社「リージョナルホスピタリティ長崎」を設立する予定だ。
既存のリージョナルクリエーション長崎と合わせた2社体制とし、「戦略策定」と「サービス提供」の役割を分ける。顧客体験や従業員の働きやすさ、施設収益、地域価値を同時に高めることをめざす。

雇用面では、長崎スタジアムシティ内のコールセンター拠点を大幅に拡張し、300人規模の採用を進める。さらに10月からは、非正規社員を対象に人事・給与制度を改定し、平均13%の賃上げを実施する。創業の地である長崎で雇用をさらに創出し、地域経済の活性化につなげる狙いだ。

2026年3月にジャパネットグループ入りしたゴルフリゾート「パサージュ琴海」についても、2027年4月から3段階に分けた大規模リニューアルに着手する。空港からのアクセス船の刷新や客室・コースの改修を進め、「日本一のゴルフリゾート」をめざすとしている。

長崎スタジアムシティは「スポーツによる地域創生」を民間企業がほぼ全額出資して行うもの。その最大の狙いは収支を黒字化させ、事業を持続可能にすること。地元・長崎という土地柄、長いスパンで見据えつつも、「まだ2年目だから」と言い訳をせず、日々現場でPDCAを回しながら改善を重ね、2027年は年間来場者数600万人をめざす。(ジャパネットホールディングス 髙田旭人社長)
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