アジア新興国市場での利益を創出する ─日本企業への提言

アジアで事業を展開する250社への調査でわかった新興国市場での課題と可能性

アジアで事業を展開するリーディングカンパニー250社への調査から

新日本有限責任監査法人 消費財セクター

2015年8月27日 7:00

新興国経済の先行きへの懸念や新興国市場での競争の激化など、消費財企業・流通事業者が直面している現状について解説します。

より一層、巧拙が問われる局面へ

「成長の源泉としての新興国市場」、これは新しい話ではありません。これまでも多くの企業がその潜在的な市場の成長を取り込もうと、新興国市場への進出を進めてきました。

一方で足元では、先進国のみならず新興国の経済成長に対しても減速の懸念が台頭しているのも事実です。

またアジア新興国市場では、ほんの10年前とは比べ物にならないほど市場の複雑性や競争の度合が増しており、成功のためには、ターゲティング、経営資源配分、モニタリングなどを含めて、より一層の戦略面・実行面の巧拙が問われる局面となっています。

重要な利益成長の源泉へ

そうした中、アジア新興国市場の重要性が低下しているかというと、そうではありません。

消費財・流通事業では生活必需品を扱う企業が多く、これまでも、経済成長が変動する中でも安定的に市場を拡大してきました。今後も、人口増加や都市化などの構造的な変化により堅調な需要拡大が予想されます。

今回EYがアジアで消費財・流通事業を展開する企業の経営者250人以上を対象に行った調査でも、その69%が、向こう3年間を見通して新興国市場が成長のみならず利益創出の原動力になる、との見方を示しています。

インタビューの中でも、先進国での利益縮小が継続する中、持続的な成長を達成するためには新興国での利益成長が必須であり、そのためには、限られた経営資源の戦略的かつ積極的な投資がますます重要となっている、との声が聞かれました。

もはや、新興国市場で売上やマーケット・シェアの拡大に力を注ぐだけでは十分ではありません。今こそ新興国市場を利益の源泉、成長の原動力にしなければならない時期に来ていると言えます。

世界の消費財市場の見通し(2000年〜2015年)と世界の人口の見通し(2000年〜2050年)
新興国への懸念も台頭しているものの、人口増加や都市化などの構造的な変化をドライバーとして、生活必需品の需要は安定的な成長が期待される。

EYでは、2013年春に、世界を代表する消費財・流通業者のうち、アジアで事業を展開するリーディングカンパニーの経営幹部を対象に調査・インタビューを行いました。

これに加えて、日本企業がアジア新興国市場で直面している課題と成功への道筋を明らかにするため、日本企業に焦点をあてた調査・インタビューを行いました。

本レポートは、これらの経営幹部や業界スペシャリストに対する調査・インタビューと、EYによる分析に基づいて執筆されています。

調査回答者のプロフィール

  • グローバルでの参加企業数(消費財企業及び小売企業)……253社
  • 日本での参加企業数(消費財企業及び小売企業)……35社
  • 日本以外の展開地域数……9カ国(中国、インド、インドネシア、マレーシア、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム、韓国)

▶この記事は、新日本有限責任監査法人の記事を転載しているものです。
オリジナルの記事(PDF)はこちらから閲覧できます。

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