【EC運用の実務調査】バナー差し替えや文言修正を社内で完結できるのは3人に1人、軽微な修正を「ほぼすべて社内で完結できる」は32.5%
メルカートの調査によると、ECサイトのバナー差し替えや文言修正を社内だけで完結できる担当者は32.5%にとどまった。外部に依頼した場合は37.9%が反映までに1週間超かかると回答。軽微な更新でも外部依存や承認手続きが発生し、販促の機動力を損なっている実態が浮かび上がった。
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クラウドECサイト構築プラットフォームを提供するメルカートは10月13日、「EC運用の実務調査」の結果を公表した。調査によると、ECサイトのバナー差し替えや文言修正といった軽微な更新を「ほぼすべて社内で完結できる」と回答したEC実務担当者は32.5%にとどまった。外部に依頼した場合、37.9%が反映までに1週間超かかると回答。EC運用における更新の待ち時間が課題として浮かび上がった。

軽微な修正でも外部への依頼が必要な事業者が多く
EC事業の実務担当者に、バナー差し替えや文言修正などの軽微な修正・変更を社内だけで完結できるかを聞いたところ、「ほぼすべて社内で完結できる」と回答した割合は32.5%だった。
一方、「半分程度は社内で完結できる」は53.0%、「ほとんど外部に依頼している」は12.0%。合わせて65.0%が、軽微な修正でも外部に依頼する場面があると回答した。
ECでは、セールや新商品発売、季節特集などに合わせて、商品ページやバナー、掲載文言を日常的に更新する。スマートフォン経由の購買が広がるなか、PCとスマートフォンの双方に向けて売り場を適切なタイミングで更新できるかどうかは、販促施策の成果にも関わる。今回の調査からは、こうした更新を迅速に進めるうえで、運用体制に課題を抱える現場が多いようだ。
外部依頼では反映まで1週間超が37.9%
外部に依頼した場合、依頼から反映までにかかる時間を尋ねたところ、「1週間以内」が41.8%、「3日以内」が14.4%だった。一方、「2週間以内」は32.8%、「1カ月以上」は5.1%で、合計37.9%が反映までに1週間超かかると回答した。
社内で完結できる範囲別に見ると、反映までに1週間超かかる割合は、「ほぼすべて社内で完結できる」層で23.1%、「半分程度は社内で完結できる」層で42.0%、「ほとんど外部に依頼している」層で60.4%だった。社内で対応できる範囲が狭い層ほど、反映までに時間がかかる傾向が見られた。
更新・改修後の費用手続きも運用負荷に
日常的な修正に加え、システムの更新・改修後に発生する作業についても調査した。その結果、92.0%が何らかの作業が発生すると回答し、34.5%は「追加で費用の見積もり・承認手続きが発生する」と答えた。
費用の見積もり・承認手続きが発生する割合を、日々の修正を社内で完結できる範囲別に見ると、「ほぼすべて社内で完結できる」層は27.7%、「半分程度は社内で完結できる」層は34.9%、「ほとんど外部に依頼している」層は56.3%だった。
外部への依頼が多い層ほど、更新や改修に伴って費用の見積もりや承認の手続きが発生する割合が高い。修正作業そのものだけでなく、依頼や社内調整にかかる負荷も、EC運用の課題となっているようだ。
78.3%がシステム対応を理由に販促を延期・断念
「システムの対応に時間を取られたことが原因で、販促施策を延期・断念した経験はあるか」と尋ねたところ、「よくある」が22.0%、「時々ある」が56.3%で、合計78.3%が経験ありと回答した。
生成AIの普及により、販促に使う文章や画像のたたき台を短時間で作成できる環境は整いつつある。一方、今回の調査では、作成したコンテンツをECサイトに反映するまでの工程に、待ち時間や手続きの負担が残っている実態が示された。
ECシステムのリプレイス後も「連携の壁」が残る
過去3年以内にECシステムをリプレイスした企業の担当者を対象とした調査では、導入後に初めてわかった想定外の事柄として、「外部システム・ツールとの連携に制約があった」と回答した割合は21.5%だった。
この層では、想定どおりに運用できるまでに3カ月以上かかった割合が72.1%に上り、連携に制約がなかった層の47.8%を上回った。また、追加費用が当初想定の1.2倍以上になった割合も65.1%で、制約がなかった層の48.4%より高かった。
メルカートは、ECシステムを新しくしても、外部システムとの連携に制約がある場合、運用開始までの時間や費用の負担が残りやすいと指摘している。
EC運用のスピードを左右するのは「作る速さ」だけではない
今回の調査では、バナー差し替えや文言修正といった軽微な更新でも、社内だけで完結できない企業が多いことが明らかになった。更新のたびに外部への依頼や承認手続きが必要な体制では、販促施策を機動的に展開しにくくなる。
ECの売り場づくりでは、クリエイティブを作成する速さだけでなく、完成したコンテンツを自社サイトにどれだけ迅速に反映できるかも重要だ。社内で対応できる範囲やシステムの柔軟性、外部システムとの連携状況が、販促のスピードや売上機会を左右する要素となりそうだ。
調査概要
- <調査1>EC事業の実務担当者を対象とした調査
・調査名:EC事業実務担当者に関する調査
・調査方法:インターネットアンケート
・調査対象:EC事業の実務担当者(EC運営業務を勤務時間の3割以上担当している人)
・有効回答数:400人
・調査時期:2026年9月14日〜16日
- <調査2>ECシステムを入れ替えた企業のEC担当者を対象とした調査
・調査名:ECシステムリプレイス関与者に関する調査
・調査方法:インターネットアンケート
・調査対象:過去3年以内に勤務先でECシステムのリプレイス(別のシステムへの乗り換え)を実施し、当時から在籍しているEC運営担当者(勤務先の自社ECサイトの運営業務に携わっている人)
・有効回答数:200人
・調査時期:2026年9月7日〜9日

