ヤマト運輸、運賃値上げと総量抑制で宅急便単価5.9%UPの592円を計画

大口顧客への割引率見直しや荷物取扱量の適正化により、単価を上げて収益改善を図る

渡部 和章

2017年5月19日 9:00

ヤマト運輸が宅配運賃の値上げや総量コントロールなどを明らかにした「2017年度 デリバリー事業の構造改革」。改革初年度の成果をヤマト運輸はどのように見積もっているのか?

ヤマト運輸が5月に発表した今期(2018年3月期)の見通しによると、宅急便1個あたりの配送単価を前期比5.9%増の592円に引き上げる計画。大口顧客に対する値上げや、荷物取扱量の適正化などにより単価を上げて収益改善を図る。

宅急便の取扱個数は同4.4%減の17億8500個に減る見通し。ネット通販の拡大に伴い取扱個数の増加が続いていたが、配送人員の不足や長時間労働を解消するため戦略的に配送個数を減らす。

前期(2017年3月期)は大口通販事業者の成長やフリマECの普及などに伴い宅急便取扱個数は前期比7.9%増だった。ただ、物量の増加に反して宅急便単価は同3.3%下落。

ヤマト運輸の2016年度における宅急便総数と宅急便単価

宅急便総数と宅急便単価の推移と予測(画像は編集部が作成)

取扱個数の急増に伴う労働需給逼迫により、宅急便配達の委託が増え、外部業者への「委託費」は同11.2%増の2418億円に膨らんでいた。今期の「委託費」を2370億円(前期比2.0%減)にとどめる計画。取扱荷物の抑制により外部への委託を減らす。

また、「新たな労働力を確保」するとしており、採用を加速する。社員給付は2017年3月期の5136億円から、今期は5300億円に増える見通し。

単価下落や委託費増加といった収益悪化を食い止め、持続的な成長と収益力強化を図るため、「2017年度 デリバリー事業の構造改革」を4月28日に公表。ヤマト運輸は宅配便運賃の値上げや取扱荷物の総量コントロール、社員の労働環境の改善などに着手した。

「デリバリー事業の構造改革」における通販に影響する主な変更点

  • 基本運賃を荷物のサイズに応じて1個あたり140〜180円値上げ
  • 通販大手など大口顧客に対して、荷物取扱量の調整や運賃改定を9月までに実施
  • オープン型宅配ロッカーを前倒しで導入し、サービスを拡充
  • 配達時間指定や当日再配達の受付時間を見直し
  • クロネコメンバーズのサービス拡充
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