2020年のネット通販市場は12兆1960億円、矢野経済研究所の調査

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)の2020年度通販市場規模は前年度比20.1%増の10兆6300億円、経済産業省が発表した2020年度EC市場(物販系分野)は同21.71%増の12兆2333億円

石居 岳

2021年12月3日 8:30

矢野経済研究所が実施した国内インターネット通販(主に消費者向け物販分野)市場調査によると、2020年の国内消費者向けインターネット通販物販(BtoC)分野の市場規模は12兆1960億円と推計した。

インターネット通販参入企業の売上高を見ると、トップを独走するアマゾンジャパンの2019年の売上高は圧倒的で、2桁成長を続けている。

アマゾンジャパン以外ではヨドバシカメラやZOZO、ビックカメラ、楽天(直販事業)、ユニクロなどが上位に。

2020年の緊急事態宣言下では、日常生活における食品の買い出しにも頻度や人数の抑制を求められた。こうした状況から躍進したのが食品関連通販のオイシックス・ラ・大地だった。

コロナ禍による外出自粛の流れから、インターネット通販の需要は増加し、EC市場は大きく成長している。それに伴い、市場競争が激化する中で、顧客への迅速かつきめ細やかなニーズに対応した配送は、重要なサービスの1つとなっている。

通販新聞 ネット販売実施企業の売上高上位30社
ネット通販実施企業のEC売上高上位30社(出典:「月刊ネット販売」で実施した売上高調査「ネット販売白書」)

ネット通販企業は、増え続ける需要や取扱品目の拡大など変化に応じて、EC関連の設備投資や他社との業務提携を進めるなど物流改善を行っている。

大手モール3社の物流体制の進展を見ると、アマゾンジャパンは2020年にフルフィルメントセンターを4か所新設。楽天は2020年12月に日本郵便グループとの業務提携を発表、ヤフーはヤマトホールディングスとの業務提携により出店ストア向けにフルフィルメントサービスとピック&デリバリーサービスを開始した。

物流センターの増設や業務提携による物流体制の強化は、日本のEC市場が拡大を続ける上で欠くことのできない要件となっている。

各調査で通販・EC市場は拡大中

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が2021年8月に発表した2020年度(2020年4月-2021年3月)の通販市場売上高調査(速報値)によると、2020年度通販市場規模は前年度比20.1%増の10兆6300億円だった。

金額ベースでは前年度比で1兆7800億円の増加。コロナ禍の購入手段として通信販売が活用されたこともあり、調査を開始した1982年度以来、初めて前年度比20%以上の伸び率となった。直近10年の平均成長率は8.7%。マイナス成長を記録した1998年度以来、22年連続で増加傾向が続いている。

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が発表した2020年度(2020年4月-2021年3月)の通販市場売上高調査(速報値)によると、2020年度通販の売上高は前年比20.1%増の10兆6300億円
通販市場規模の推移

経済産業省が7月に発表した「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、BtoC-EC市場規模は19兆2779億円で前年度比0.43%減。BtoC-EC市場のうち、物販系分野は同21.71%増の12兆2333億円だった。

経済産業省が7月30日に発表した「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」 物販系分野のBtoC-EC市場規模、EC化率の経年推移
物販系分野のBtoC-EC市場規模、EC化率の経年推移

「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」(2兆3489億円)「衣類・服装雑貨等」(2兆2203億円)「食品、飲料、酒類」(2兆2086億円)「生活雑貨、家具、インテリア」(2兆1322億円)の上位4カテゴリー合計で、物販系分野の73%を占める。EC化率が高いジャンルは、「書籍、映像・音楽ソフト」(42.97%)「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」(37.45%)「生活雑貨、家具、インテリア」(26.03%)。

経済産業省が7月30日に発表した「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」 物販系分野のBtoC-EC市場規模
物販系分野のBtoC-EC市場規模
経済産業省が7月30日に発表した「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」 物販系分野内での各カテゴリーの構成比率
物販系分野内での各カテゴリーの構成比率
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