接客AIエージェントの提供でEC体験を「One-to-One」の世界へ。W2が第2弾のAIプラグインを公開
W2が接客AIエージェントの提供を開始。ECを「商品を売る場所」から、顧客一人ひとりの商品選びを支援する「One-to-One対応」の場へ進化させる構想を打ち出した。
10月28日 10:30
ECプラットフォームを展開するW2は10月22日、AIエージェント基盤「W2 SmartHub」に追加して利用できる「AIプラグイン」の第2弾として、接客AIエージェントの提供を開始したと発表した。ECサイトを単なる商品販売の場ではなく、顧客の商品選びを支援しながら売上につなげる「メディア」へと進化させる構想の一環。顧客一人ひとりに合わせた提案を行う「One-to-One」の実現をめざす。

従来のECでは、利用者が検索窓やカテゴリから商品を探し、複数の商品ページを比較して購入を判断するのが一般的。提供を始めた接客AIエージェントは、利用者がAIに相談しながら商品を選び、そのまま購入につなげられる。AIは商品情報や顧客データをもとに商品を提案するほか、関連する記事や動画も案内する。
「初めて使うのでおすすめを教えてほしい」「○○に悩んでいるが、どの商品が合うか知りたい」「AとBの違いを知りたい」といった相談を想定。W2は、従来の「商品を探してもらうEC」から「AIが一緒に商品を選ぶEC」への転換をめざす。
商品提案・比較から関連コンテンツの案内まで対応する「Findee」
接客AIエージェントの名称は「Findee」。顧客の相談内容に応じて商品を提案・比較し、必要な情報を提供する。カテゴリや検索キーワードだけでは見つけにくかった商品との接点を生み出し、購入率の向上につなげる狙いだ。
「Findee」は商品をレコメンドするだけでなく、事業者が指定した商品を優先的に提案したり、商品ギャラリーや比較表など、内容に応じたユーザーインターフェース(UI)で情報を提示したりできる。
また、顧客との対話履歴を蓄積・分析する機能も備える。利用者がどのような言葉で商品を探しているのか、購入前にどのような点で迷っているのかを把握しやすくなるという。
こうした分析結果は、記事コンテンツやFAQ、商品ページの改善にも活用できるとしている。EC事業者にとっては、AIを接客チャネルとして活用するだけでなく、サイト改善やコンテンツ施策にも生かせる可能性がある。
W2によると、先行して提供しているAIレコメンドエンジン「Reco-Media」では、一部の導入企業で、レコメンド経由の売上がEC売上全体の約30%を占める成果が出ているという。W2は「Findee」についても、売上への貢献を期待している。
問い合わせ対応AI「AI Staff」も提供し、運営負荷の軽減を支援
W2は、問い合わせ対応AI「AI Staff」も提供する。FAQや応対マニュアル、社内ナレッジに加え、顧客ごとの過去の購買履歴や問い合わせ履歴をもとに、AIエージェントが問い合わせに対応する仕組みだ。
FAQを提示するだけでなく、顧客の状況を踏まえた回答を行うことで、応答品質を維持しながら問い合わせ対応の工数削減をめざす。定型的な問い合わせ対応をAIに任せ、担当者がより高度な業務に集中できる運営体制の構築を支援する。
ECを「選択を助けるメディア」へ。W2が掲げるメディアコマース構想
W2は、ECを単なる販売チャネルではなく、顧客の商品理解や商品選びを支援する「メディア」として活用し、そこで生まれる情報接点を購買や売上につなげる「メディアコマース」を提唱している。

単にコンテンツを増やすのではなく、「知る」「理解する」「選ぶ」「購入する」という顧客の行動をデータで捉え、継続的に売上へ結びつけることを重視する。
同社によると、ECサイトの販売・運営を支える基盤が「W2 Commerce」であるのに対し、「W2 SmartHub」は、その上でデータとAIをつなぎ、メディア施策を売上につなげるAIエージェント基盤と位置付ける。
「W2 SmartHub」では、ECの商品、在庫、会員、購買データに加え、店舗POS、基幹システム、Webコンテンツ、SNSなどのデータも統合対象とする。AIはデータ分析にとどまらず、コンテンツの制作や公開といった実務も支援する設計だ。

第3弾は11月予定、顧客ごとのペルソナを動的に生成
W2は今後、AIプラグインの機能を段階的に拡張する方針だ。第3弾は2026年11月をめどに提供を予定しており、顧客の行動・購買・閲覧データなどをもとに、顧客ごとのペルソナをAIが動的に生成する機能へと拡張するという。
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