購買でのAI利用は全世代へ、20代男性では45%が利用。活用は多くの商品カテゴリーで拡大、特に電化製品・インテリアで高まる
電通デジタルの調査によると、購買行動におけるAI活用は全世代で拡大し、20代男性では利用経験率が45.3%に達した。商品カテゴリー別でもAI活用は広がっており、特に電化製品やインテリアで伸びが目立っている。
8:30
電通デジタルは10月27日、生活者の購買行動に関する「EC・店頭をまたぐ購買行動実態調査2026」の結果を公表した。購買行動でのAI活用は男女の全世代で前年から拡大し、20代男性では45.3%が利用を経験。商品カテゴリー別では、電化製品やインテリアでAIによる商品提案や商品説明・レビューなどの活用が広がった。一方、生活者の節約志向も強まっており、価格だけでなく、情報収集のしやすさや利便性、安全性などを踏まえて買い方を選ぶ傾向が見られた。
調査は2022年から実施しているもので、今回が5回目。主要13カテゴリー29商品を対象に、認知、比較検討、購買、購買後の各フェーズで、生活者がどのようなチャネルに接触し、行動しているかを調べた。
購買でのAI利用は全世代で拡大、20代男性の45.3%が経験
購買行動におけるAI活用サービスの利用経験は、男女の全世代で前年から上昇した。
男性では、20代が前年比5.9ポイント増の45.3%、30代が同5.7ポイント増の37.1%、40代が同6.2ポイント増の30.1%。女性では20代が同9.3ポイント増の32.9%と、若年層を中心に利用が広がっている。60代でも男性は同2.4ポイント増の14.9%、女性は同2.3ポイント増の13.7%となり、利用経験者は男女ともに1割を超えた。
今後の利用意向を示した割合も、すべての年代で3割を超えた。
商品カテゴリー別のAI活用状況は家電製品が高水準、インテリアは伸びが顕著
商品カテゴリー別の調査内容では、AI活用の領域として「商品提案・レコメンド」「FAQへの自動応答や問い合わせ対応」「商品説明・レビュー」のそれぞれで拡大した。
特に電化製品では、「商品提案・レコメンド」が14.3%、「FAQへの自動応答や問い合わせ対応」が12.1%、「商品説明・レビュー」が15.4%となり3項目すべてで他カテゴリーを上回る高い水準を示した。インテリアでは前年から顕著な伸びを示し、「商品提案・レコメンド」が前年比5.1ポイント増の8.7%、「商品説明・レビュー」が同4.7ポイント増の10.3%と、前年から大きく伸びた。
節約志向が強まる一方、利便性や安全性も重視
2026年に増加傾向が見られた購買行動では、「クーポンやポイントなど『お得さ』を重視する」が31.4%、「家計の支出を意識して抑える」が25.6%となり、節約志向の高まりが目立った。
一方、「生成AIツールを使う」は12.2%、「ECサイトで購入時に受取日時を指定する」は11.9%、「商品自体の安全性を確かめる」は11.5%、「フリマアプリ・中古市場を利用する」は9.9%だった。
電通デジタルは、生活者が単に安さを求めるのではなく、利便性や情報活用、安全性なども踏まえ、自分にとって最適な買い方を選ぶ「買い方の最適化」が進んでいると分析している。
比較検討でオンラインの存在感が高まる
認知、比較検討、購入の各フェーズにおけるオンライン比率は、2022年と比べていずれも上昇した。一方、直近1年ではおおむね横ばいとなっている。
「比較検討」は55.6%で、2022年比でみると5.6ポイント増と最も大きく伸びた。「認知」は同3.8ポイント増の39.2%、「購入」は同2.6ポイント増の32.4%だった。商品を知る段階や購入する段階に比べ、比較検討でオンラインの存在感が特に高まっている。
購入後サポートには引き続き課題
購入後サポートでは、生活者の期待と実際の対応とのギャップは全体として縮小傾向にあるものの、「問い合わせ窓口の対応」や「24時間サポート」では依然として差が残った。返品・交換など、トラブル発生時の対応にも課題がある。
電通デジタルは、「困ったときにスムーズに解決できるサポート体験」の充実が引き続き必要だとしている。
EC・通販事業者にとっては、販売時の利便性だけでなく、購入後の問い合わせ対応や問題解決のしやすさも、継続利用や信頼形成を左右する要素となる。比較しやすい商品情報や柔軟な受け取り体験に加え、購入後も安心できるサポート体制を整えることが重要になりそうだ。
調査概要
- 調査タイトル:「EC・店頭をまたぐ購買行動実態調査2026」
- 調査手法:インターネット調査
- 調査時期:2026年5月22~24日
- 調査エリア:全国
- 調査対象:20〜69歳、1万人(スクリーニング調査)、8700人(本調査)
- 調査主体:電通デジタル
- この記事のキーワード

