防災庁が事前防災徹底のための緊急要請。防災グッズ、非常用トイレなどのニーズが急上昇
防災庁は11月2日、国民や企業・団体に事前防災の徹底を求める緊急要請を発出した。備蓄や非常食関連の検索ニーズが高まり、「楽天市場」でも簡易トイレや防災グッズが上位に浮上。個人向けに加え、自治体や企業など法人需要の拡大も見込まれる。
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11月2日に発足した防災庁は同日、千島海溝地震・日本海溝地震・首都直下地震・南海トラフ地震・富士山噴火など国難級災害の発生が懸念されることを踏まえ、国民に対し「事前防災徹底のための緊急要請」を発出した。
水や食料、携帯用トイレなどの備蓄を改めて呼びかけたことを受け、備蓄や非常食関連への関心が高まり、Googleトレンドを見ると関連検索ニーズが上昇。ECでも需要増の動きが表れており、11月2日夕方時点の「楽天市場」では、簡易トイレや防災グッズ関連商品が総合ランキングの上位に浮上した。

防災庁が公表した緊急要請では、「自らの命は自らが守る」という考え方のもと、国民に事前防災の徹底を求めた。具体的には、家屋の耐震診断や耐震化、家具の固定に加え、水・食料・携帯用トイレなどの備蓄、ハザードマップや避難場所・避難経路の確認、非常持ち出し品の準備、防災訓練への参加などを呼びかけている。
備蓄については、大災害時にはすぐに支援が届かない可能性があるとして、最低3日間、できれば1週間分の水や食料を確保するよう要請した。飲料水は食事に使う分も含めて1人当たり1日3リットルを目安とし、携帯用トイレやティッシュ、トイレットペーパーなどの生活用品も備えておくよう求めている。また、日頃から使っているものを多めに購入し、使った分を補充する「ローリングストック」の習慣も呼びかけた。
こうした呼びかけを受け、消費者の検索行動にも変化がみられる。11月2日時点では、Googleトレンドを見ると、備蓄や非常食関連の検索ニーズが上昇。特定の災害の発生を受けた動きではなく、防災庁の発足と緊急要請をきっかけに、家庭での備えを見直す動きが広がった可能性がある。
ECの売れ筋にも動きが表れている。11月2日夕方時点の「楽天市場」の公開ランキングでは、非常用トイレ関連商品が総合ランキングの上位に入った。断水時にも使える携帯用トイレは、今回の緊急要請で具体的に備蓄を求められた品目の1つ。水や食料と並び、家庭での備えを見直す際に需要が高まりやすい商材といえる。

防災関連商材は、台風や地震などの発生時に一時的に需要が高まる傾向がある。今回は行政による事前防災の呼びかけが、家庭での備蓄を見直すきっかけの1つになったとみられる。非常食や飲料水、携帯用トイレ、防災セットなどを扱うEC事業者にとっては、検索需要や購買動向を注視したい局面だ。
今回の緊急要請は、国民向けの備えに加え、自治体や企業・団体に対する事前防災の徹底も求めている。防災庁は各府省庁に対し、所管分野の企業・団体などにおける防災対策の実施や、事業継続計画(BCP)の策定・実効性確保を要請した。
企業・団体に求める具体的な対策として、建物の耐震性能の確認・耐震化、設備や什器の転倒防止、避難経路の明確化、従業員の安否確認体制や災害時の指揮命令体制の整備、教育・訓練の実施、食料・飲料水、医薬品、トイレなどの備蓄を挙げている。
こうした要請を受け、個人向けだけでなく、自治体や企業などによる防災関連商材の調達ニーズが高まる可能性もある。非常用トイレや保存食、防災セット、衛生用品、発電・照明関連用品などは、家庭向け需要に加え、オフィスや施設での備蓄需要にもつながる可能性がある。
防災庁は今後の対応として、都道府県と各府省庁に年末の進捗(しんちょく)報告を求めている。また、企業・国民向けの取り組みについても、企業の事業継続や防災対策に関する実態調査、防災に関する世論調査などを通じて点検する方針だ。必要に応じて再要請や勧告権の行使、予算執行への反映も行うとしており、事前防災の徹底に向けた取り組みは、今後も継続的にフォローされる見通しだ。


