瀧川 正実 2020/4/8 10:00

政府が閣議決定した経済産業省の2020年度補正予算案によると、IT導入や販路開拓支援などを行う中小企業生産性革命推進事業において、IT導入補助金の補助率を従来の1/2から2/3に引き上げ、持続化補助の補助金を100万円に引き上げるといった特別枠を創設する。

補正予算案額は700億円。2019年度補正予算で既に3600億円を措置済みのため、補助率や補助金の引き上げなどは特別枠で運用する。

中小企業生産性革命推進事業の補助事業は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業(ものづくり補助金)」「小規模事業者持続的発展支援事業(持続化補助金)」「サービス等生産性向上IT導入事業(IT導入補助金)」。拡充内容は次の通り。

  • ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業(ものづくり補助金)
    補助上限は1000万円、補助率を1/2から2/3へ引き上げ
  • 小規模事業者持続的発展支援事業(持続化補助金)
    補助上限を50万円から100万円へ引き上げ、補助率は2/3
  • サービス等生産性向上IT導入事業(IT導入補助金)
    補助額は30万~450万円、補助率を1/2から2/3へ引き上げ

IT補助金では、「中小企業等が感染症の影響を乗り越えるための、ハードウェア(PC、タブレット端末等)のレンタルなども含めたITツール導入を支援するとしている。

IT導入や販路開拓支援などを行う中小企業生産性革命推進事業において、IT導入補助金の補助率を従来の1/2から2/3に引き上げ、持続化補助の補助金を100万円に引き上げるといった特別枠を創設
中小企業生産性革命推進事業の拡充内容

2020年度補正予算案では、補助対象経費の1/6以上が、次の要件に合致する投資であることを申請要件にあげている。

申請要件
  • サプライチェーンの毀損への対応
    顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や製品開発を行うこと(例:部品調達困難による部品内製化、出荷先営業停止に伴う新規顧客開拓)
  • 非対面型ビジネスモデルへの転換
    非対面・沿革でサービス提供するためのビジネスモデルへ転換するための設備・システム投資を行うこと(例:店舗販売からECへのシフト、VR・オンラインによるサービス提供)
  • テレワーク環境の整備
    従業員がテレワークを実践できるような環境を整備すること(例:Web会議システム、PCなどを含むシンクライアントシステムの導入)

「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業(ものづくり補助金)」「小規模事業者持続的発展支援事業(持続化補助金)」「サービス等生産性向上IT導入事業(IT導入補助金)」は事業終了後の成果目標を定めているが、3事業とも補助事業実施年度の生産性向上や賃上げは求めないという。

特別枠は、通年で行っている各補助事業の通常枠と同じスケジュールで実施する。なお、補正予算案は4月中に国会へ提出し、月内の成立をめざしている。

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