アダストリアがEC物流倉庫を刷新、AGVなど導入で1日3.4万件の出荷に対応

EC物流センターにAGV120台、POD(移動棚)1400台をはじめとするマテハン機器を導入し、全面リニューアルした

石居 岳[執筆]

2022年9月5日 12:00

アダストリアは9月1日、グループの物流子会社アダストリア・ロジスティクスが運営する茨城西物流センター内のEC物流センターを全面リニューアルし、本格稼働した。

オークラ輸送が提供するAGV(自動搬送ロボット)による歩行レスピッキングシステム、PTI・LED仕分け機などのマテハン機器を導入。効率的かつスタッフにとって働きやすい物流オペレーションを実現させていく。

出荷業務の効率化とスタッフの作業負荷低減による働きやすさの実現を目的に、EC物流センターにAGV120台、POD(移動棚)1400台をはじめとするマテハン機器を導入し、全面リニューアルした。今回のリニューアルで、1日あたりの出荷可能件数は従前の最大1万9000件から最大3万4000件に増加、作業生産性は現状比で約1.6倍の向上を見込んでいる。

アダストリア・ロジスティクスの茨城西物流センターを刷新 120台のAGV(自動搬送ロボット)が稼働するGTPエリア
120台のAGV(自動搬送ロボット)が稼働するGTPエリア
アダストリア・ロジスティクスの茨城西物流センターを刷新 PTI・LED仕分け機
PTI・LED仕分け機

ピッキング作業では、約6000坪の倉庫内を歩き回って商品を探す必要をなくすために、人が歩かないことを念頭に棚の配置や導入機器を設計・選定。一方、割れ物の梱包やギフトラッピングなどは、働く人の手を介するようにする。注文者に付加価値を提供できる作業へ人員を充分に配置し、これまで以上に正確、迅速、丁寧に顧客へ商品を届けていく。

従業員休憩室も全面改装した。ブランド店舗の内装デザインを手がける社内の店舗デザインチームにより、ファッション企業らしいオシャレで居心地の良い空間をデザインを採用している。

アダストリア・ロジスティクスの茨城西物流センターを刷新 休憩室
従業員休憩室

アダストリアは、成長戦略の1つに「自社ECの成長加速と楽しいコミュニティ化」を掲げ、自社EC「.st(ドットエスティ)」の売上高は2022年2月期に311億円、会員数は1400万
を突破した。国内EC売上高は574億円で前期比6.8%増、国内売上高に占めるECの割合は30.1%。アダストリア・ロジスティクスは今後も、“人”を主役に安心・安全な環境を維持しながら、物流需要拡大の時代に対応し、顧客へ安定した高いサービスを提供していくとしている。

アダストリア・ロジスティクスは、アダストリアグループの物流業務を担うグループ会社。グループ全体の商品流通を一括管理し、国内6か所の物流拠点から、全国約1200のグループブランド店舗、通販利用顧客へ、在庫管理・流通加工・配送を行っている。

アダストリア・ロジスティクスの茨城西物流センター外観

 

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