松原 沙甫[執筆] 2023/12/20 8:30

消費者庁は12月19日、ECサイトや通信販売での「送料無料」表示について、事業者への規制を見送る一方、「送料当社負担」「〇〇円(送料込み)」といった表示などへの自主的な見直しを促す方針を公表した。

ECサイトなどで「送料として商品価格以外価格の追加負担を求めない」旨を表示する場合、通販・EC事業者などは表示についての説明責任があると指摘。「関係事業者などに送料表示の見直しを促すとともに、従業者の自主的な取り組み状況を注視していく」との方針を示した。

消費者庁の方針(画像は消費者庁のHPからキャプチャ)

送料負担の仕組みを表示する例として、送料の負担者を表示する「送料当社負担」、送料込みの価格を表示する「○○円’送料込み)」といった送料負担の仕組みを明示するよう、通販・EC事業者に促していく。

一方、「送料無料」とECサイトなどで表示する場合、「無料」を表示する理由、仕組みなどをわかりやすく説明することを提言。たとえば、「誰が送料を負担しているのか」「商品をお薦めするための販売促進の手法であること」「配送業者に対して適正な運賃を支払っている」ことなどを表示することを提案している。

「送料無料」表示については政府が6月、「物流革新に向けた政策パッケージ」を公表、商慣行の見直しの1つとして、ネット通販の「送料無料」表示の見直しに取り組む方針を打ち出した。

「物流革新に向けた政策パッケージ」では、「運賃・料金が消費者向けの送料に適正に転嫁・反映されるべきという観点から、『送料無料』表示の見直しに取り組む」と明記している。

これを受け、消費者庁では6月から、「『送料無料』表示の見直しに関する意見交換会」をスタート。(公社)公益社団法人 日本通信販売協会(JADMA)、(公社)全日本トラック協会、消費者団体、事業者などと「送料無料」表示に関する意見を交わしてきた。

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