「送料無料」表示を見直す場合は「送料弊社(社名)負担」などコスト負担の明示を。「小売業全体で取り組むことを希望」
公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)は「送料無料」表示が法規制化される場合、「送料弊社(社名)負担」などコスト負担を表示するよう求めると提言した
消費者庁が実施している「『送料無料』表示の見直しに関する意見交換会」で、公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)は「送料無料」表示が法規制化される場合、「送料弊社(社名)負担」などコスト負担を表示するよう求めると提言した。
法規制化する場合はコスト負担を表示するよう求めるとし、店舗型小売業も規制対象に含め、公正な競争環境を整備するよう希望。「小売業全体での取り組みを希望する」と説明し、大手ECプラットフォーマーを含め、通販市場に影響のある事業者・関係者の協力が不可欠だと指摘した。
一方、「送料無料」表示を見直すかどうかは事業者の選択に委ねつつ、適切な物流コスト負担を表示する事業者に対してインセンティブを与える奨励策も提案した。
通販・EC事業者の物流コスト上昇を抑えるために、下請け配送業者への待遇改善に向けた抜本的改善も要求した。さらなる配送運賃の上昇は、商材によってビジネスが成り立たなくなる通販事業者が生じる可能性があるためとしている。
JADMAが会員を対象に実施したアンケートでは、「(法規制案も奨励案も)いずれも不要」とする回答が最多。「送料無料」表示の代替案では「送料弊社(社名)負担」への賛成が多数を占めた。送料を事業者が負担していることが把握でき、送料金額を明らかにしない表示を希望する声が多かった。事業者が負担する送料金額を表示することを求めると、「送料1円」など送料の低価格化競争を招く恐れがあるといった意見もある。
JADMAは会員である通販事業者のコメントでは、
- Web通販は「送料無料」にしないと検索上位に表示されないなどの事情があり、やむなく送料無料対応している。大手オンラインモールも含めて抜け道を作らず全事業者が従うことが必要
- 送料を誰かが負担していることを消費者に認識させる趣旨からすれば、「○○円以上の注文は送料無料」の表示であれば本来は送料がかかると認識できる。規制する場合、「送料無料」を一律に不可とするのではなく、趣旨に反しないのであれば柔軟に工夫できる内容の表示規制を望む
といった意見が寄せられている。
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