南海トラフ地震の防災対策で注目集まるBCP策定。企業はどのくらい対策をしている? BCP策定率&策定意向のトップは高知県
帝国データバンク(TDB)が公表した、企業による事業継続計画(BCP)の策定率についてまとめた調査結果によると、南海トラフ地震防災対策推進地域が含まれる29都道府県でBCP策定率が最も高かったのは高知県の33.3%だった。
高知県に続くのは、静岡県が26.8%、香川県が23.3%、東京都が23.2%など。BCP策定率の全国平均は19.8%だった。
TDBが今調査を実施した5月時点の企業によるBCPへの見解について、BCP対策を「策定している」と回答したのは19.8%で過去最高。「現在、策定中」の7.3%、「策定を検討している」の22.9%を合計すると、BCP策定意向がある企業は50.0%となり、4年ぶりに5割に達した。
都道府県別によるBCP策定意向で最も高かったのが「高知県」で68.4%。「静岡県」が58.3%、「石川県」が57.7%、「富山県」「愛知県」が各57.6%、「長野県」が57.2%で続いた。BCP策定意向が最も低かった都道府県は「長崎県」の36.1%。
BCPの策定意向がある企業に対し、どのような事業の継続が困難になると想定しているか聞いたところ(複数回答)、「自然災害(地震・風水害・噴火など)」が最も高く71.1%に達した。それに続くのが「情報セキュリティ上のリスク(サイバー攻撃など含む)」で44.4%だった。
BCP策定意向のある企業に、事業が中断するリスクに備えて実施あるいは検討している内容を聞いたところ(複数回答)、「従業員の安否確認手段の整備」が最も多く68.9%。「情報システムのバックアップ」で57.9%、「緊急時の指揮・命令系統の構築」42.6%が続いた。
BCPを策定していない企業にその理由を聞いたところ(複数回答)、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が41.6%で最多。さらに、「策定する人材を確保できない」が34.3%、「策定する時間を確保できない」28.4%、「書類作りで終わってしまい、実践的に使える計画にすることが難しい」が25.2%などとなっている。
調査概要
- 調査期間:2024年5月20~31日
- 調査対象:全国2万7104社
- 有効回答:1万1410社(回答率は42.1%)