事業継続計画(BCP)策定企業は15%、策定の意向ありは45%
帝国データバンクが6月13日に公表した「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2019年)」によると、自然災害や情報セキリティー事故などに備えて事業継続計画(BCP)を策定している企業の割合は15.0%だった。前年と比べて0.3ポイント高い。BCPを現在策定中か、今後策定する予定の企業は合計45.5%となっている。
調査では全国2万3169社(有効回答数9555社)を対象に、BCPの実施状況を聞いた。
その結果、「策定している」は15.0%、「現在、策定中」は7.3%、「策定を検討している」は23.2%、「策定していない」は45.3%、「わからない」は9.1%だった。
BCPを「策定している」と回答した割合が高い業界は、上位から順に金融(42.5%)、農・林・水産(18.4%)、サービス(17.3%)、製造(17.0%)。また、従業員数が多いほど、BCPを策定している割合は高い。
BCPの策定状況を企業の事業所別で見ると、高知県が72.5%で最も高く、次いで滋賀県(58.4%)、和歌山県(55.6%)、岐阜県(55.2%)、奈良県・鳥取県(どちらも53.3%)だった。
事業の継続が困難になる要因は?
BCPを策定する意向を持つ企業を対象に、事業の継続が困難になると想定される要因(リスク)を質問した。その結果、1位は「自然災害」(72.5%)、2位は「設備の故障」(40.9%)、3位は「火災・爆発事故」と「自社業務管理システムの不具合・故障」(どちらも34.5%)となっている。
BCPを策定しない理由1位は「ノウハウがない」
BCPの「策定意向あり」の企業に、事業が中断するリスクに備えて、どのようなことを実施あるいは検討しているか聞いたところ、「従業員の安否確認手段の整備」が72.2%でトップだった。
BCPを「策定していない」企業に、その理由を質問したところ、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が43.9%で1位だった。次いで「策定する人材を確保できない」(33.7%)、「書類作りで終わってしまい、実践的に使える計画にすることが難しい」(27.9%)、「策定する時間を確保できない」(26.6%)となっている。
帝国データバンクはBCPに関する調査を2016年6月以降、毎年実施しており、今回で4回目。
調査概要
- 調査期間:2019年5月20日~31日
- 調査対象:全国2万3169社(有効回答企業数9555社)