渡部 和章 2019/7/22 10:00

2019年10月に予定されている消費税率の引き上げに対する企業の見解や意識について、帝国データバンクが全国2万3632社を対象に行った調査によると、回答企業の44.1%が税率引き上げを「予定通り実施すべき」と回答した。

一方、2019年10月の税率引き上げに否定的な企業も合計44.3%を占めており、賛否は拮抗している。

また、消費増税が企業活動に「マイナスの影響がある」と回答した企業は50.8%と過半数を占めた。

調査は2019年6月17日から30日に全国2万3632社を対象に実施し、有効回答企業数は9977社(回答率42.2%)。

予定通りの税比率引き上げに「賛成」44%

消費税率の引き上げを予定通り実施すべきか質問したところ、「予定通り実施すべき」が44.1%だった。

一方、「時期を延期して実施するべき」は13.3%、「実施するべきでない(現行の8%を維持)」は23.6%、「消費税率を引き下げるべき」は7.4%となっており、これらを合計すると2019年10月の税率引き上げに否定的な企業は44.3%を占めた。企業の規模が小さいほど、2019年10月の税率引き上げに否定的な企業の割合が高い。

帝国データバンクが全国2万3632社を対象に行った「消費税率引き上げに対する企業の意識調査(2019 年)」

増税の悪影響「ある」50%、小売が突出

消費増税が実施された場合、自社の企業活動にどのような影響を見込んでいるか質問した。その結果、「マイナスの影響がある」と回答した企業は50.8%、「影響はない」は30.3%、「プラスの影響がある」は1.2%だった。

「マイナスの影響がある」と回答した割合を業界別で見ると、「小売」は78.4%で突出している。

帝国データバンクが全国2万3632社を対象に行った「消費税率引き上げに対する企業の意識調査(2019年)」

「駆け込み需要はない」48%

消費増税前の駆け込み需要の状況を質問したところ、「すでに駆け込み需要があ る」と答えた企業は7.4%、「(現在はないが)今後出てくる」は23.1% だった。駆け込み需要があると答えた企業を業界別で見ると、建設や不動産は比較的割合が高い。

一方、「(現在も今後も)駆け込み需要はない」は48.2%だった。

帝国データバンクが全国2万3632社を対象に行った「消費税率引き上げに対する企業の意識調査(2019年)」

食料品などに適用される軽減税率への対応を実施(予定含む)していると答えた割合は合計40.4%。特に対応していないと答えた企業の割合は49.3%となっている。

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