消費者庁、悪徳商法対策でAIを活用した相談情報分析を強化。消費者被害の兆候を早期に把握
「PIO-NET(パイオネット)」に集約された全国の消費者相談の分析にAIを導入。新規トラブルや急増トラブル、重大化の兆候の早期把握をめざす
7:00
消費者庁は、悪質商法対策で、AIを活用した相談情報の分析を強化する。国民生活センター(国セン)と連携して、消費者被害に発展する恐れのある相談内容の兆候を早期に把握。社名公表を伴わない注意喚起を積極的に活用して対応する。
社名公表に至らない事例も注意喚起などで早期対応
消費者庁の27年度の予算要求は、国民生活センター運営費交付金として49億9000万円を計上した。前年度から約13億円増額している。
国センは、デジタル化を背景にした複雑・高度な相談への対応力を強化するため、「高度専門相談支援室」(仮称)を新設する。一方、消費者庁は9月1日付で、消費者政策課に「早期警戒準備室」を設置。体制整備に向け6人の定員要求を行っており、連携して詐欺的な悪質商法に対応する。高配当をうたい勧誘する事業者の破綻で被害回復が進まないといった悪質商法の課題を念頭に、庁内横断のプロジェクトチームで検討を進めていた。
投資詐欺や利殖商法への対応を想定するが、新たな手口によるトラブルや急増するトラブル、重大化の兆候を捉え対応する。これまで行政処分による対応が中心だったが、消費者政策課が所管する消費者安全法に基づき、社名公表に至らない事例も注意喚起などで早期対応する。特定商取引法や景品表示法の所管課とも情報を共有。警察当局や関係省庁への情報提供も行う。同課は、27年度予算要求で新たに「詐欺的な悪質商法への対応」として2億6000万円を計上した。
消費者相談の分析にAI導入。トラブルの早期把握をめざす
国センは、消費者相談の分析機能を強化する。「PIO-NET(パイオネット)」に集約された全国の消費者相談の分析にAIを導入。新規トラブルや急増トラブル、重大化の兆候の早期把握をめざす。実証事業として行い、本格的な運用を検討する。これまでは相談員の知見にばらつきがあり、断片的な相談情報から傾向や重大化の恐れを把握していた。
相談員がAIを活用して相談内容の傾向を把握できるようにしたり、一部エリアでAIが24時間365日相談対応するための実証事業も行ったりする。これまで地方の消費生活センターの運営時間が異なり、相談対応の水準が課題になっていた。
国センによる注意喚起などを目的にした「商品テスト」もAIを活用して、効率化や期間短縮を進める。25年度は、地方自治体等からの850件の相談・要望を踏まえ、116件(国セン独自の7件を含む)の商品テストを行った。AIによる分析機器の測定、画像解析の自動化を行い対応する。現在の試験施設で対応できない試験もあるため、施設の再整備、技術支援を行う技術者も配置することで、テスト数の増加や精度向上を図る。

消費者庁の27年度の予算要求は、前年度比16.1%増(約27億円)の197億9000万円だった。増額の約半分を国センの機能強化が占めている。
ほかにデジタル取引に関する消費者被害の未然・拡大防止に向けた体制整備として、デジタル消費者取引の適正化やデジタル広告の監視等で2億7000万円(前年度は2億円、取引対策課、表示対策課)などを要求している。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。
「通販新聞」について
「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。
このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。
→ 年間購読を申し込む(通販新聞のサイト)
→ 通販新聞の過去記事を読む(通販新聞のサイト)
→ 通販新聞についてもっと詳しく知りたい
- この記事のキーワード

