「デジタル班」設置で規制・法執行を強化する消費者庁、「積極的な法執行」「最終確認画面の重要性の認識向上」に取り組む

消費者庁は消費者に対しての注意喚起、事業者に対する法令遵守意識の啓発を図るため、これまでの執行件数やその内容などを公表した

松原 沙甫[執筆]

2024年4月26日 9:30

消費者庁は、ネット通販に関する消費生活相談件数が増加傾向にあることを踏まえ、特定商取引法の通信販売分野における規制および法執行を強化している。

このほど、消費者に対する注意喚起、事業者に対する法令順守の啓発を図るため、これまでの執行件数やその内容などを公表した。

2022年6月の特定商取引法改正による規制強化後の2023年9月、消費者庁は取引対策課内に「デジタル班」を設置。法改正も踏まえ行政処分など事務処理の迅速化、通販に関する執行強化など、消費者被害の防止と取引の公正を図ってきた。

通販に関する行政処分は2022年以降、最終確認画面における誤認表示の禁止が1件、解除を妨げるための不実の告知の禁止が1件、意に反して申し込みをさせようとする行為の禁止が2件。通販のモニタリング調査も実施し、2023年度は事業者に対して1552件の注意喚起通知を行った。

消費者庁は2023年度、通販のモニタリング調査も実施し、2023年度は事業者に対して1552件の注意喚起通知を行った
注意喚起通知の内訳

なお、国民生活センターの消費者相談窓口PIO-NETに寄せられた通販に関する2023年の相談件数は、前年比8.0%減の33万6083件だった。

こうしたことを含めて消費者庁は、次のような方針を示している。

  • 詐欺的な定期購入商法なを行う悪質事業者に対する積極的な法執行
  • 消費者における最終確認画面の重要性の認識向上、取消権の活用に向けて、パンフレットなどによる注意喚起や認知度向上の取り組み
  • 消費生活センターなどの消費生活相談員に対する法の理解度向上に向けた取り組みの推進
  • 取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律に基づく官民協議会などの活用
  • 個人事業者が通販を行う場合、プラットフォーム事業者の住所および電話番号を連絡先とする時は、プラットフォーム事業者においても法に基づく広告表示を適切に行う必要があることの周知・啓発
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